その23
肌寒さで目が覚める。体の冷えが尋常じゃない。毛布1枚ではもう年末は凌げない事を知る。
時刻は9時。なんとまぁ早起きだこと。学校がある日に早く起きれず休みの日は早起きできる、あるあるだな。
二度寝しようにもバッチリ目が覚めたから携帯を弄って時間を潰す。SNSを開き他人の無駄な呟きを流して見る。
「お!推し新人女性声優がおはようってゆってる。これは返信せざるを得ない。」
ママおはようおっぱいまだ?と返信。こうやってちゃんとファンがいるよと伝えるのは物凄く大切な事だ。誰しもファンが出来るのは嬉しい。新人ならなおさらだろう、知らんけど。
携帯を置いてテレビを付ける。どうでもいいニュースにコメンテーターがどうでもいいコメントをしてた。朝から不倫だとか殺人だとか暗くなるニュースするなよって毎回思う。今日の朝犬を見かけて凄く可愛かったですくらいのほほんとしたニュースでいいわ。いやそれはそれでくそどうでもいいけど。結論朝はニュース見るべきでない。
ぶーぶーと小鳥遊から着信が入った。こんな朝早くにどうしたんだろ?中止の連絡かな?
「もしもし、何?」
「久我くん?おはよう!起きてると思って電話掛けたの!」
朝なのにハキハキとした声の小鳥遊。なにそのエスパー。カメラとか部屋についてねーよな.....。あってもわからんくらいグチャグチャだけど。
「おう、なんか目が覚めちゃってな。で、要件は?デート中止か?ではキャンセル料58000円を早急に振り込んでください。」
「違うよー!私から中止するなんて事絶対にないよ!起きてるなら朝ごはん一緒に食べない?」
朝ごはんか。冷蔵庫の中を確認すると缶ビールと少しの調味料しかない。これはありがたい話だ。
「いいけど俺朝ごはん買う金ねーわ。作って持ってきてくれたら超絶うれぴい。」
「久我くんが私の手料理を食べたいだなんて!嬉しすぎて妊娠しちゃうかもしれない.....。責任取ってくれるよね?」
「いや妊娠しないしそんな責任取りたくないから.....、とりあえず待ってるわ。」
「うん!30分後に向かうね!」
電話を切り部屋の片付けをする。20分くらい掃除したか。布団を隅にやってゴミを袋に詰め込む。
掃除って気づいたら結構時間経ってる割にあんまり綺麗にはならない。コスパ悪すぎ。いや俺の掃除の仕方が下手なのか。
と、今日ゴミの日か。パンパンになったゴミ袋二つを持って外に出る。扉を開けた途端に体を襲う冷気にもう冬なんだなと思う。いや、まぁ分かってたけどね。改めて思う感じですはい。
ゴミ置き場にゴミを置いて部屋に戻ると小鳥遊が玄関に立ってた。え?なに?ゴミ置き場まで20秒もかかってないんだけど。てかまだ30分経ってないよね?
「あ!久我くん!遅れてごめんね?ご飯一緒に食べよ?」
と可愛いバスケットを見せつけてくる。またおにぎり?まぁ美味いからいいけど。
「てか遅れたも何も早すぎか!まぁいいわ、上がって上がって。掃除したし汚くはないと思う。」
「全然そんなの気にしないよ!なんなら一緒に掃除したのに!」
「いや......まぁそれは追々頼むわ。寒いしはよ上がろ。」
2人で部屋に入る。小さいテーブルにバスケットを置いてチョコンと正座する小鳥遊。
「今日本当楽しみだったんだ!朝ごはん食べながら今日何するか考えよう?」
ここから幸せで辛いデートが幕を開けた。




