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無限の扉とその話  作者: コタツ
5/7

扉間②

「とある夢のはなし」の解説があります。

また転がり出てくる。

もう少し優しくしてくれると助かるんだけど…。


「怖くなかった?」


顔を上げると彼がいた。少し眼鏡がずり下がっている。


「怖くはありませんでしたけど。なんというか…。どこかでこの話聞いたことがあるような気がするんですよね。」


「気のせいだよ。うん、気のせい。」


少し早口になった彼の言葉に押し切られる。


「まあ似たような話が溢れていても仕方ないですね。世界には自分が想像しているよりも多くの人がいて、考えうるより長い時間が既に流れているんですから。」


「皆がそう思って寛大な精神でいてくれると俺としても少しは肩の荷が軽くなるんだけどな。」


「なんであなたの肩の荷が軽くなるんですか。」


「にしても、怖がってくれないのは残念だなぁ。」


「人の話を無視するのは良くないと思うんですけど。」


「まあいいさ。ところでハイツとかマンションとかそういう名前ってどうやって分類してるのか知ってる?」


「いえ…知りませんけど、住める世帯の多さとかですか?」


「なんかネットで調べたところによると階数、鉄筋や木造なんかで分けるのが一般的らしいよ。」


「初めて知りましたけどあまりタメになりませんし。ていうか、私のことを調べるとかなんとか言ってたじゃないですか!」


「俺は初めて雑学や豆知識を披露出来る相手ができて嬉しかったのに。じゃあ、今回の解説コーナーとでもいきましょうか!」


「それ毎回やるんですね。」


「当たり前だよ。分かりにくい表現や説明不足なところを少しでも解消しないと。」


「まあ扉の話だけじゃ限界もありますよね。裏設定なんかも聞けたら意味が変わってきますし。…問題はなんでそのことをあなたが知ってるのかですけど。」


「今回は『夢』の話だね。寝ている間に頭が整理したものを夢として見ているってきいたことあるけど、あんまり俺は信じてないなー。だって、ホラー映画見てないのに怖い夢見たり、特に見たりしてないのに動物が出てきたり。挙句の果てには生身で飛んだりさ!そんな体験したことねーよ!」


「なんでそんなに熱く語ってるのか知りませんけど胸に手を当てて寝ると怖い夢をみるとか言いますしね。それは圧迫しているのが原因らしいですけど。まあ、私たちは専門家ではないので詳しいことはわかんないですけどね。」


「寧ろ記憶喪失のくせに知りすぎでしょ。ところで、怖い話を見るのが好きな人なら最低でも一つくらいは夢に関する怖い話を知ってる、ってくらいにはメジャーというかポピュラーだよね。知らないやつはホラー好きとは認めん!かくいう俺も怖い話好きなんだけどね。」


「夢ってのはなまじリアルなのに自分の意思で操作できませんからね。まあ、出来る人もいるようですが。そういうところが怖いんでしょうね。」


「あとは回避できないこととかね。俺たちは生物である以上寝ないと生きていけないからね。怖い夢を見るってわかってても逆らえない。これから見る夢が全て悪夢です、なんて言われたら絶望しかないし、疲れを取るどころか、溜まる一方だろ。」


「人生の三分の一が寝ているなんて言いますからね。一切寝なくて済むなら時間が1.5倍になるのに。」


「闇の深い発言だなぁ。で、今回はそんな夢を利用して自分の過去と向き合う話。こう聞くとホラーには一切見えないね!」


「予知夢、なんてのはききますけど、過去を思い出すってのはあまりない…んですかね?」


「まあ俺もそう思って見せたんだけどね。ところで最初と最後の文が追加されたことで何が変わると思う?」


「えっと…ホラー要素が強まりますよね?」


「そうだね。もっと詳しく言うと意味不明なところが増えたことかな?怖い原因として一番大きいのは相手のことを知らないからじゃないかな?きっと幽霊が科学的に証明や解析されたら今より圧倒的に怖くなくなると思うだろ?ホラー映画なんかでもどのタイミングで出てくることを知ってたら怖くないだろ?いかに安全と思わせた瞬間に驚かすことが大事なんだよ。最近、ってほど最近でもないけどフラグが終わった瞬間に襲ってくるのも多くなってきたよね。」


「幽霊と分かりあえるときが来たらいいですね。」


「あっちも元人間なんだから出来ると思うけどね。今回はこんなところかな?全然物語の解説してないけど大丈夫だよね。」


「なんか似たようなものが他のところにもありそうですしね。」


「そういうことだよ。じゃあ、次の扉行ってみようか。」


「あの…私の世界がわかるまで行かなくていいんじゃ…。」


「暇は嫌でしょ。あの扉だよ。」


「選ばせてくれないんですね。ええと、これは…?」


扉に彫られているものは機械で作られた神様や天使のようなものだった。


「この話はぶっ飛んでて面白いよ。」


「じゃあ、楽しんできます。」


私がそういうと彼は嬉しそうに笑った。


突如扉の方から強い力で引っ張られる。なるほど。前回のは彼に押されたんじゃなかったのか。そのことを納得すると同時に私の視界は真っ白になった。


別に好きなだけで専門家でもなんでもないのでご了承ください。

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