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街カフェ バージニア  作者: 畑々 端子
10/25

10月

 夏季休暇が始まるとすぐに彼女は帰郷してしまった。


 2ヶ月間、文字と声だけのやり取り。


 彼女はどう思っていたかわからなかったが、私は10日ともたず、彼女に会いたくて仕方がなかった。


 10月に入って、彼女からメールがあり、バージニアに行くと、時間を巻き戻したように変わりのない彼女の姿があった。


「随分と焼けたね」と彼女は微笑む。


「夏は夏らしく夏じみたことをしなければいけないのです」


 そう言うと、彼女は「何それ」と呆れた笑みを浮かべた。


 10月に入っても残暑は厳しかったが、日差しは夏のものではなくなり、鈴虫の調べも聞こえるようになった。季節は移ろい、彼女の服装も出会った頃と同じ藍色のブラウスに戻っていた。


 ふと、バージニアをいつ見つけたのか、と言う話になり、彼女は私よりも1年ほど前に見つけて通っていることを知った。1年前私がどこで何をしていたか、と思い出して思い出して……もっと早く散策に出掛ければよかったと後悔をした。


 次に彼女と会った時、話そうと思っていた話題は数多とあった。だが、それをひとつも話せないまま、なぜか、文化祭に行こうと話した。

 私も彼女もまだ大学の文化祭へ出かけたことがなかったのだ。4度もあるのだから来年行けばいい。を繰り返した結果だった。


「うん、最後だし行っておいた方がいいよね」とうなずいた彼女だったが、


「1ケ月後の約束かあ」と頭を掻くと「自信ないかも」と思い切り伸びをした。



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