再来した脅威
皆さんこんにちは。
狐inboxです。
今さらですが森の魔物の長、『アルノデウス』の姿が大きいということしか書かれていませんでした。
『アルノデウス』は、地面を潜りながら移動をし、まるで全身鉄でできた竜のような姿をしています。『アルノデウス』の姿のことを一応第5部の編集をしておきました。(しかし今回はアルノデウスは出てきません)
では、『殺された王子の復讐記』ごゆるりとご覧ください。
ヤチヨが俺についてくることに(俺から思えば強制的に)なった。
「でも精霊王見つからないからどうしようもないしなー」
正直手詰まりだ。
「私を見つけたときのように魔力探知はできないんですか?」
「精霊は魔力をあまりもっていないんだ。『精霊』は簡単に言うと霊体だから魔力で形を維持しているわけでもないし精霊術は体内魔力ではなく体外魔力の使用でつかえるし、まあそこはヤチヨの方が詳しいからいいか」
「精霊さんたちが霊体の一種だとははじめて知りました。普通に触れますし話も出来るから」
「精霊は周りにいる生物の脳に自然的に干渉するんだ。本当はその場にいないのにいるように実体化させ、何もさわっていないのにさわっているように思わせたり、なにも聞こえてないのに聞こえるように感じ、それに反応して会話する。それだけ脳の負荷も大きいから脳の処理要領を超えて気絶する人もたまにいるらしい」
「なるほど、つまりよく眠くなるのも脳を休ませるための体の危険サインでもあるってことですか?」
「それははじめて聞いたけど・・・まあそういうことだ。寝ることで記憶を整理し保存しやすくして保存する。そうやって脳の要領を少しでも余らせようとしてるんだ」
おそらくヤチヨは、精霊のいない環境で、中距離武器(銃など)の弾道を読みきれるようになったら体さへついてこれれば確実によけれるようになる。カエデは、特殊なスキルを持っていてそれをつかい、銃で戦っていたが、カエデなら相手の弾道予測と同時に体の動かし方などを筋肉などの動きで予測し、相手の弾や矢を避けながら撃つことができた。
「それでは、銃などの弾が精霊さんたちに当たっても霊体だからすり抜けて、弾が当たっていないようになるんですか?」
「いや、霊体でも脳に干渉していれば、当たっているようになる。
例えば1人の精霊が二人の脳に干渉しているとき、1人が銃を撃って弾が当たったら、もしくは当てられたら、脳が勝手にそのような想像が生まれ、かってに再生される。そしてその精霊は死んだことになる。」
「じゃあどうなっても生きている人と同じとうことですよね。」
「ああ。精霊も必死に生きているんだ。年を取れば脳も衰えていき、やがては精霊は見えたりさわったり話したりできなくなる。」
「それで父様は私に・・・」
「?、どういうことだ?」
そういう会話をしながら探していたが、目の前におかしな光景が見えた。
「ヤチヨ、そこの木の上に隠れるぞ。あまりしゃべるなよ」
「ふぇ?キャッ!!」
そう言って、ヤチヨを背負って木の上に隠れた。
目の前にいたのは軍隊だ。それも他の国の
「あの服装は隣の国のレイグノン帝国の軍隊か。何でここに・・・」
目の前の隊長らしき人物が声を出した。
「オイテメーら、早くこの森の地主を探しだせ。クソッ、シーエンさんが仕事早く終わらせすぎなんだよ。ガルデナなんてそう簡単におとすもんだったのか?」
ガルデナを・・・おとした?
シーエンとはあの鮮血の妖艶のことだときづいた。
(今は落ち着け、いまは復讐よりヤチヨの命だ。ヤチヨが狙われている以上なかなか動けないだろう。)
「オイッ精霊、早く地主の居場所を教えろ。殺すぞ。」
精霊が1人捕まってる。普通の精霊より少し大きい。
もしかしてあれが・・・
「父様・・・」
ヤチヨが小声で怯えながら口にした。やはりあれが精霊王か。
「ヤチヨ、今は落ち着け。お前の父さんはあとで何とかしよう。今は他の精霊や魔物たちに精霊王がいたことを伝えて、対策を考えないと」
「いや・・・父様、今助けないと殺されちゃう。」
「大丈夫だ。おそらくあの兵士はヤチヨの居場所をはかせるまで脅す気だ。いまはここを離れないと。」
「・・・ほんと?父様は殺されないの?」
「たぶんあの調子だとしばらくは殺されない。精霊王にもう少し時間を稼いでもらえればいいんだがいい方法はないか?」
ヤチヨは考えて、俺は軍隊の様子をみている。
「魔術念話ならたぶん大丈夫です。試してみます。」
「たのんだ。すぐに世界樹に戻る準備をしておく。」
ヤチヨは目を閉じて精霊王と、魔術念話を始めた。
魔術念話とは、対象の相手と見えない魔力の糸を繋ぎ、会話をする。
魔力の糸は、会話以外で、会話している相手の位置や状態を知ることもできる。しかし魔術妨害などの結界があれば、距離が制限される。今まで念話できなかったのはそれが原因だ。今することは、精霊王と話をすることで精霊王を少しだけリラックスさ せ、もう少しだけ粘ってもらうように頼むことだ。
「父様、無事ですか?」
「ヤチヨ様、申し訳ありません。結界で妨害されて、連絡ができませんでした。念話ができるということは近くに、早くお逃げください。私がいつ殺されてもおかしくありません。さあ、早く」
「わかりました。今草原の王の方が力になってくれています。あとで必ず助けるので、それまで粘ってください。」
「草原の王の方が。わかりました。出来るだけ頑張って見ます。その方にお伝えください。助かったときには挨拶をさせてくれと」
「はい。ではお願いします。」
こうして念話は終わり、一度世界樹に戻ることにした。
「準備はいいか?一気に世界樹まで飛んでいくぞ。」
俺はまた堕天の羽を使ってヤチヨを運びながら世界樹まで飛ぶことにした。
「待ってください。飛んでいっては目立つのでこの精霊術を。」
ヤチヨは精霊術を唱え始めた。
「光の精霊さん、私たちを守って。ー透ける光の羽衣ー」
俺とヤチヨを光の膜が包んだ。
「これで周りからは見えなくなります。私の任意で膜を外すことができます。」
「よし、まずは世界樹にみんなを集めておこう。」
「森にいる精霊たちよ」
「森の魔物たちに伝える」
「「世界樹に集まれ」」
そして俺とヤチヨは戻り、精霊たちと魔物たちは世界樹に集まり、ヤチヨは、精霊たちを騙して探しにいっていたことがばれて、叱られた。そのあとに精霊たちに精霊王が隣の国の軍隊に捕まっていることをしらせたら、精霊たちは、魔物たちを疑ったことを反省し、魔物たちに謝った。
そして今、精霊たちと魔物たちはまた1つの集まりとなった。
こうして、『精霊王捜索』は終了し、『精霊王救出作戦』の始まりとなった。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
次回からは、戦闘シーンが少し入ってくるかもしれません。ヤチヨの性格がなかなか定まらないのは、全部、精霊王がヤチヨに上げた本のせいです。
後にどのようなものかが明確になってくるのかもしれません。
ではまたお会いしましょう。