表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺された王子の復讐記  作者: 狐in box
6/14

精霊王探しの増援

皆さんこんにちは。

狐inboxです。

先週投稿したと思っていたものが投稿できていなかったことに今朝気づきました。

読者の皆さん、大変お待たせしました。

では『殺された王子の復讐記』第6話、ごゆっくりご覧ください。

 チョンッ チョンッ

 ヤチヨはソウタの顔をつつている。

(どうしよう・・・魔物と間違えて吹き飛ばしちゃった)

 周りに魔物たちはいなかった。みんな精霊王を探しにいったからだ。しかしその事をヤチヨはまだ知らなかった。

(とりあえず早く安全なところに連れていかないと魔物たちに食べられちゃう)

 ヤチヨはソウタを引きずりながらヤチヨが隠れていた世界樹の根の場所まで運んだ。

(気を失ってるだけだから多分大丈夫だとおもうけど・・・)

「風の精霊さん、力を貸してー治癒の風ー」

 するとソウタの体のまわりに風が吹く。

 さっきの木まで吹き飛ばした風とは全く違って優しい風だ。

 精霊たちはずっとソウタを見ていた。おそらくソウタが魔物の仲間じゃないのかと疑っているのだろう。住人がその場所の王を守ることは普通だ。逆にどうも思わない方がおかしい。

「ヤチヨ様、あまりその男には関わらない方が良いと考えます」

 一人の精霊が言った。この場所でのソウタは森の住人たちから見れば『未知の人』王を殺すために来たと思われても仕方ない。

「でも私のせいで怪我してるんだもん。治すくらいはしないと」

「ですがもしも殺しに来た人だとしたら危ないですよ。ただでさえ魔物たちに狙われている身なのに」

「そうだけど・・・」

 ヤチヨはそれ以上は口を開かなかった。

「魔物がいないうちに処分してきます。早くその男をこちらに」

「嫌だ」

 ヤチヨは即答で断った。

 その時、ソウタの意識がやっと戻った。

「あれ、俺なんで寝てたんだ?精霊王探す手がかり教えてもらおうと」

 周りを見れば精霊が敵意むき出しでこっちを見ている。

「大丈夫ですか?ごめんなさい。あなたを吹き飛ばしちゃったりして」

 涙目になりながら下を向いている。

「いや無理やり近づいたのは俺だしそりゃ驚くよな」

「父様を探そうとしてるのは本当ですか?」

「父様?誰のことだ?」

 俺は首をかしげながら聞いた。

「精霊王様です。私が産まれた頃から面倒見てもらっていたので」

 え?・・・精霊王が父親?しかも産まれた頃から?精霊の子供が人になるのか?

「ちなみに何歳だ?」

「9才です。言葉なども父様から教えてもらいました。あなたの名前何ですか?何歳ですか?どこから来たんですか?」

 ヤチヨは少しずつソウタに興味を持ち始めていた。

「俺はソウタ。この森の隣のガルデナ草原の王だ。11才だ。挨拶のつもりで来たのに精霊王が行方不明だとさっきの魔物の群れの長にきいた。今はみんな精霊王探しにいってると思う。」

 ヤチヨは少し驚いていた。

「魔物の言葉がわかるんですか?父様も『魔物の言葉は分からない』と言ってたので、あの魔物の長と父様が会話しているのは何回か見たことがありますが父様が念話で魔物の長と話してたぐらいで私やここにいる精霊たちは話せないんです。」

 やっぱり魔物と精霊は言葉が違うため話し合いができていなかったのか、確かに精霊王が消えて魔物のせいにされてもおかしくない。

 魔物しか分からない言葉で『精霊王を殺す計画』をたてていると他の精霊が思ってもおかしくない。

「じゃあ、長の名前も知らないのか?」

「名前?魔物の長に名前があったんですか?」

()やっぱり、話し合いができない以上精霊王以外の精霊とは全くコミュニケーションをとれていないんだ。)

「あの魔物の長の名前は『アルノデウス』だ。精霊たちから誤解を解くために今必死になって精霊王を探しているんだ。精霊たちも探すのに協力できないか?」

 俺が今できることは『魔物たちが受けている誤解を解いて魔物たちと精霊王を探して欲しい』と伝えるだけだ。

「なぜ魔物たちに力を貸さないとならないのですか?」

「そうやって我らもあの魔物に食べさせてこの森を強奪する気では?」

「そんな嘘っぱち誰が信用するか!!」

 ここまで否定されれば協力してくれないだろう。

「私は・・・探したい。」

 ヤチヨが小声で言った。

 精霊たちも聞こえたのだろう。精霊たち全員でヤチヨを止めに入った。

「行けません。魔物たちに食われるだけです。」

「ヤチヨ様はこの森の王なんですよ。もっと慎重に行動を」

「森の王だから父様を探さないといけないんじゃないの?」

 精霊たちが黙りこんだ。

「魔物たちが『食べていない』と言っているのが本当だとしたらどうなの?きっと見つかったところでこんどは魔物たちが信用してくれないかもしれないよ」

『・・・』

 確かに考えればその通りだ。罪を押し付けられて監禁されて冤罪だとわかって『すみません冤罪でした』で解決することなんてめったにない。

「わかりました。」

 一人の精霊が口を開いた。

「確かに精霊王が見つかった場合、魔物たちに多大な迷惑をかけてしまいます。そうなればどのみち我々が危険な状態になります。」

「では探しにいっても」

「探しにいくのは我々のうちの半分です。ヤチヨ様はここで待機してください。」

 ヤチヨは世界樹の根の所で待機を命じられた。完璧に信じたわけではないが『見つかった場合』のことを考えた決断だろう。

 ヤチヨは悲しそうに、そして寂しそうに座って動かなくなった。

「では我々も探しに行くぞ。各自散開し探せ。」

 精霊たちは半分がヤチヨの警護、半分が精霊王探しに出た。

 精霊たちが探しに行った後、俺も探しに出た。

 こうして精霊たちと魔物たちの合同捜索が始まった。

 そしてヤチヨは全く動かなくなった・・・


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回の投稿は、明日の昼を予定しております。

文章がまとまらなかった時などは一週間開けての投稿になってしまいます。

月曜日~金曜日の投稿はあまりありませんので待っていただければありがたいです。

ではまた明日、次回の話で会いましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ