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氷姫  作者: 秋元愛羅
出会い
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後日の話だが本当に二人は面識があったみたいで(そのときは野球部に勧誘はしていない)。


部長は遥の性格を見抜いていて騒ぎまくっている状況でヒートアップさせるようなことをするよりもただ気持ちが変わることを期待した方がよいと考えたらしい。


俺に行かせたのも一番正当法で勧誘してくるだろうと思ったから。


もちろんドンピシャで俺の勧誘法が一番気に入ってくれていたみたいだしここが一番普通に生活できると判断したらしい。


ようやく彼女自身が慣れてきて気づいたことは部長と遥の性格はかなり似ている気がすることだ。


特に人を巻き込むこと、そしてその他人が一番被害をこうむるということが似ている。


気づいたら野球部には人を巻き込む天才と言う名の怪獣が二匹もいることを知る。


ただその怪獣はいい意味での発揮もしてくれていた。


最初は幽霊部員に近いマネージャーの退部。


次に学校全体の野球部の信用が上がった。


これはその年いい成績を残したからだと思うがそれまでの功績は遥にあるといっても過言ではない。


また部員と仲良くなっていくほど遥の噂もちょっとずつだがなくなっていき、ごたごたもなかったわけではないが野球部員以外のちゃんとした友達が出来た。


多分周りから毒舌で冷酷なキャラではなく実はツンデレキャラと認定されたからも大きいだろうが。





「どうしたの、ニヤニヤして。気持ち悪い」


「ちょっと昔のことを。あのさ・・・いつになったら部長呼びをやめてくれるんでしょうか」


「ああ、どうせ正志って呼び始めのも罰ゲームの一環だったんだからそのまま突き通すつもりなんだけれど」


「引退したら?」


「元部長」


「戻していただけるとありがたいんだけど。部長だけならたくさんいるし」


「考えとく」


十字路で立ち止まる。ここで俺はまっすぐ自転車で10分。


遥は右に曲がって徒歩5分で家につく。


要するにここでお別れだ。


「じゃあ、また明日」


「バイバイ」


手を振って迷いもなく歩いてしまう彼女。


ここで一瞬でも振り向いてほしいと願うのは俺だけなんだろうな。




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