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氷姫  作者: 秋元愛羅
転校生とWデート
21/32


映画館でポップコーンを買うために並んでいるときだった。


一組のカップルの声が聞こえたのは。


「俺、ホットドッグ頼むけどどうする?


ポップコーンは外せないでしょ。チェロスとかは?」


「甘いの嫌いなんだけど」


「よし、チェロスをシナモンとチョコを頼もう」


「ちょっと、誰がそんなに食べるのよ。虫歯になるわよ」


「平気平気」


なんだか前の人の会話につっこみたくなる。


彼女さん、ツンデレということは分かったけど虫歯を心配するってお母さんみたいだよ。


ついでに彼氏の方は甘い物好きなんだね。


自分の食べるのか。




・・・あれ?この声聞いたことをあるような?



「あれ?あっと・・・城岡君だっけ?


野球部の部長の」


後ろを向いた顔を見てすぐに分かった。


じゃあ、隣にいるのは、


「え?正志に、ピンク。どうしてここに・・・・」


「せ、先輩」


「遥・・・」


「どうしてって映画見に来たに決まってるでしょうが。


なぁ、何の映画見るの?俺らはアルトを見るんだけど」


「一緒です。偶然ですね」


「そうだね。あ、でも席は俺たちのほうが前だね」


チラッと手に持っていた券を見て言う彼の笑顔がこの場には少し不自然だった。


当たり前だ。こんな状況なら。


でも何も知らないくて楽しそうに言う刹那君を見て少々つらい気持ちになった。


そうだ、遊び相手みたいなものっていうことは彼女が出て行く先々一緒にいないといけないんだよね。


でも好きなやつが一緒に男の隣にいるのは面白くないと言うか嫌だというか。


「じゃあ、先行ってるわ。


さすがに両手に荷物持って待つのも危ないしな」


そう言って手を振って遥を誘導しながら先に言ってしまった彼が羨ましいと思った。


隣に居てもなかなかプライベートでは会おうとはしないのに。


「本当に仲が良いですね。


私はじめて知りました、先輩が甘い物好きってこと」


「あ、うん。甘いものが嫌いって言って避けてたけれど違ったんだ」


俺も約二年一緒にいても気づかなかった。


食べるときはあるけれど貰ったもののみ。


でも甘すぎるみたいだといやそうな顔をしてる。


もしかして、演技だったのか・・・


「ダイエットですかね?」


「え?」


「あ、まぁ、女の子の永遠の悩みと言うやつだと思いますよ。


まさか先輩がそういうこういうことしてるとは思わなかったな」


「その悩みとやらは分からないけれどお菓子食べる姿自体が珍しいから俺はそっちにビックリだよ」


「あ、始まってしまいますよ」


「ああ、うん」


彼女の後姿を見ながら俺は先に彼らがいる場所へ向かって行った。




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