第2話 誇りの決着
2話もよろしくお願い致します。
誤字、脱字あると思いますが、ご了承下さい。
楽しんでもらえると嬉しいです。
灰色の狼――ノクスは、ゆっくりと立ち上がった。
体はすでに限界だった。
先ほどの戦いで、肩から脇腹にかけて深めの傷を負っている。
血の匂いが、森の空気に溶けていた。
それでもノクスは立つ。
黄金の瞳を持つ黒狼――ノワールは静かにそれを見ていた。
ノクスの青い瞳には、まだ炎が残っている。
負けを認めない目だ。
それどころか、目が血走り、
怒っている、
ノワールは小さく息を吐いた。
逃げることもできた。
この場を去ることもできた。
だがノクスは動かない。
決着をつけるしかない。
次の瞬間、ノクスが地面を蹴った。
灰色の影が一直線に飛び込む。
牙が閃く。
ノワールも同時に動いた。
黒い体が滑るように横へ流れ、鋭い爪がノクスの肩を掠める。
爪を避けれない、
ノクスの攻撃は止まらない。
牙を剥き、再び飛びかかる。
森の静寂は、激しい戦いの音に変わっていた。
爪が交わる。
牙がぶつかる。
体から血しぶき、
どちらも引かない。
最初の戦いとは違った。
これはもう、力比べではない。
誇りの戦い。
ノクスは何度倒されても立ち上がる。
体は傷だらけだった。
瞳はさらに燃える、
そして――
ついに、決着の瞬間が訪れる。
ノクスが最後の力で飛びかかった。
だが。
黒い影がわずかに早かった。
ノワールの牙が、ノクスの首元に触れる。
ほんのわずか。
あと少し力を込めれば、命を奪える位置。
森が静まり返った。
ノクスは動かない。
ノワールも動かない。
数秒の沈黙。
やがてノワールはゆっくりと牙を離した。
ノクスの命を奪わないまま、静かに一歩下がる。
その意味は明白だった。
勝負はついた。
ノクスの瞳がわずかに揺れる。
ノクスも負けを理解した、
だが次の瞬間――
森の奥から、声と金属の音が聞こえる。
「アイツの話本当かよ」
「ここの鉱石が売れるなんて聞いたことないぜ」
違う男が答える、
「買ってくれればいいじゃねぇか」
声が近付いて来る、
「おい!狼だ!」
数人の男たちが、木々の間から姿を現す。
粗末な鎧、小手、
槍や斧を持った武装した男たち。
五人……いや、七人。
男の一人が言う、
「ヤバい!逃げよう!」
違う男が答える、
「いや、血だらけた(笑)」
「毛皮が2つも手に入るぞ!」
ノクスはゆっくりと牙を剥いた。
体は限界だ。
だが逃げる気はない。
ノワールも静かに立つ。
2頭の狼は並び、人間たちを見据える。
牙を剥き出し、
戦闘態勢、
いつ戦いが始まってもおかしくない、
森の空気が一気に張り詰める。
その時――
空から、黒い羽が舞い落ちてきた。
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