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3


 ジュディはそれなりに夏休みの思い出の品を持ち込んでいて、1つ1つにそれなりなコメントを交わしてから整理・配置していった。床に無造作に並べられていたそれらがあるべき場所に収まりきるのに、私が来てからかれこれ1時間と少し掛かってしまった。ふう、いっぱい喋ったぁ、とジュディが満足気に言ったのに気づいて部屋の時計を見ると、時刻は午後4時半になろうとしていた。



 ジュディと私だけの夏休みの思い出は、また別の機会で話すことができたらと思う。



 「あー、もうこんな時間じゃない」


 私は時計に顔を向けたまま言った。


 私は1つ溜息をついてから、ジュディの方に振り返った。「ほら残りはちゃっちゃとやるわよ」


 先ほどの言葉通りに満足していたジュディは、はーい、と素直な返事をした。


 ひとまず、私は手前にある包装のままの新品の歯ブラシを手にした。「このあたり洗面所に持っていってしまうわね」


「うん、ありがとー」とジュディは応えた。


 私はくわえて歯磨き粉に、石鹸・シャンプー・タオル等を持って洗面所に入った。造りは私の方の部屋と完全に同じなので、私がしているのと同じようにそれらを置いていった。細かい部分は、後でジュディ自身が調整するだろう。


 洗面所から出ると、ジュディも憑き物がおちたみたいにせっせと整理整頓に勤しみはじめていた。私はまた別の日用品をとって、これはどこかしら? と質問すると、どこどこよと速やかに返事が返ってきた。私たちはそれを繰り返し、午後5時前には荷解きを完遂することができた。


 私とジュディは床に座ってお互い同じタイミングでふぅと一息をついた。示し合わしもなく呼吸がシンクロしたことに、私たちはついおかしくなって笑い合った。幼馴染らしい同調である。


 一頻り笑って、私はまた一息を入れる。そしてふとジュディの、いや、ジュディとシンディの部屋の雰囲気を観察してみた。

次話は明日の20時台に投稿予定です。

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