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 ジュディは立ち上がって、クローゼットの中をごそごそと探った。速やかに中から、大きめの辞書くらいのサイズのケースを取り出した。ケースには不気味な夜の屋敷がデザインされている。ケースを空けると中には、折りたたまれたプレイマットとチェスのそれよりワンサイズ大きいくらいの簡素な駒が入っている。駒は全体が白く上部に2つの黒い点がついている。点は目であり、駒は幽霊を模しているのだ。その幽霊にはさらに2種類あって、背中に赤い丸がついているもの青い丸がついているもの、それぞれ8つ合計16つある。


 ここまで説明すれば、分かる人には分かるだろう。


 彼女が取り出したるゲームとは、「ガイスター」である。学園までの移動中に宿泊したホテルの売店で売られていたもので、ちょくちょくと言いながらお互いそれなりに熱中していたものである。



 よぉし、ジュディは言った。「カーペットの上に広げてやりましょう」


 そうね、と言って、私は立ち上がる。椅子はきちんともとの通りに仕舞う。そうしている間にジュディはプレイマットを広げている。プレイマットのマスは、6×6の36に別れている。4隅を除いた32マスには万華鏡のような模様がデザインされて、4隅マスにはくわえて外向きの矢印が描かれている。


 私はプレイマットを挟んで、ジュディの反対側に座る。「じゃあ、自分の分の駒を並べちゃうわね」


 うん、お願い、ジュディは応えた。私は所定の位置、こちらから見た手前縦に2マス左から横に2から5マス、そこに赤い幽霊青い幽霊4体ずつを適当に並べていく。色のついている部分をジュディに見せないように。



「準備完了かな」


 少し遅れて同じ操作を完了させたジュディが言った。


「ええ。それじゃあ、さっそくはじめましょう」


 私は開始を宣言した。

次話は明日の21時台に投稿予定です。

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