first encounter
ー隼人視点ー
「.......」
「.......」
何も変わらない朝 何も変わらない学校。
そう思いながら通学路を歩く。
学校に着き、上履きを履く、階段を上がり、教室へと行く。
朝の会が終わり、授業、給食。
そして昼休み僕はいつものように運動場に出るため靴箱から全力で走っていた。
そのときだった
「うおっ!!!!!!!」
「えっ...」
どんっ!と大きな音と同時に人に当たる音がし壁に頭を強く打ち付けて、そのまま僕は気を失ってしまった。
ーぶつかった人視点ー
朝10時頃
「あっちい〜」
今は炎天下の9月初め、俺はとある小中一貫の学校に勤めている中3の教師、岩本 達成だ。
なぜ俺がこんな暑い中授業もせずにであるいてるかって?
答えは簡単さ、いろいろな小学校へ学校紹介のパンフレットを持っていき、配ってもらい、中学入学の志願者数を増やすのだ。いわばこれも経営戦略だな。
「おっし!
昼の休憩も終わったし、そろそろ次行くかー!」
そう意気込み俺は、出発した。
次が最後だった俺は終わり次第学校に戻り仕事をする予定だった。
しかし、ここで予想外なことが起きた。
前から走ってきた男の子とぶつかってしまったのだ。
しかも、動かない。
「大丈夫ですか!
大丈夫ですか!」
返事がない。
俺は確信した。
うん!やばい!俺は保健室に連れて行かないと!と思ったが、俺は職員室の場所以外わからない。
やばいやばいやばい!!!!
とにかく職員室に連れて行こうと思い。
急いで向かった。
俺は走った。めっちゃ走った。
「はぁ...はぁ...」
普段の運動不足が祟ったようだ。
ガラガラガラガラ
職員室のドアを緊張しながら開けた
「しっ!しつれいしましゅ!」
噛んだ。 おわった。
「あっ!その、えっと!男の子と!その!」
背中にせおっていた男の子を見て察してくれたらしい教頭先生が
「とにかく保健室に!」
と言ってくれた。 頼もしい。
その後無事に保健室へ連れて行ってもらい事情を説明したのち、仕事を終えた後、目が覚めるまで待たせてもらうことにした。
ー隼人視点ー
見慣れない天井だ。
ぼくはどうなっているのだろうか。
「あぁぁぁぁぁ!!!よかったあああ!!!」
中性的な顔立ちだけれども背は高いな180はあるだろうか。
そう思いながら漠然としていると。
「君はこの人と当たってそのまま壁にぶつかって気
を失っていたんだよ。大丈夫だったかい?」
大体状況は掴めた。
その後その男の人は自分の名刺を渡した後
「少し遠いけど駅前にある厚生館中学で先生を
してるんだ!何かあったら連絡してよ!」
と言い残し帰って行った。
厚生館中学か、初めて聞いたな...
そのまま5時間目の授業の終わりから参加し帰りの会になった。
先生からの話の時パンフレットが配られた。
厚生館の文化祭公開...
あの先生がいるところか...
また会えるかもしれないし行ってみようかな。
そうして僕はそのプリントを持ち帰り親に署名をお願いした。
その時だ
「は〜や〜と〜くん」
背中に寒気が走った。兄がこちらを見ている。
「お兄ちゃんとゲームしようよ〜」
嫌だ行きたくない。
「いくらA判定でもこの時期は勉強しなさい!」
と言われ兄は戻って行った。
しかし手は力んだ握り拳が僕の方に見せつけるようにブルブルと威嚇しているように見えた。
その日は部屋に篭った
ー深夜1時ごろー
口元をガムテープで塞がれ手足が拘束されていた。
目の前には兄がいた。
なんで!なんで!なんでここにいるの!
そう思っても声は出ない。
その日はお腹を十発叩かれておわった。
「お前みたいな無能が厚生館だと?
金の無駄だ!公立に行けよ!」
「クズでノロマなおまえはなぁ!
俺のサンドバックになるべきなんだよ!」
ドスッ! ドスッ!
「ンッッ!!!ウグン!!!!」
腹に強い痛みと衝撃が走る。
意識を失いそうになると鼻にワサビのチューブを刺された。
そ、それだけはイヤだ。やめてよ。ねぇ!やめて!と思ったがもう遅かった。
「ングゥッンンンンンン‼︎‼︎‼︎」
なんで... なんで笑ってるの? 何が面白いの?
兄は気持ち悪い笑顔をして手足の拘束を外し、帰って行った。
「おえええええええ」
ワサビを吐いた。
それからも耐えて耐えて耐えた。
そして月日は流れ明日はついに厚生館中学の文化祭だ
。