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エルフの村1

最初は本当ひどい目にあったが、サシャンさんに会って何とか生き残れたからよかった~。

それでこれから近くの村に案内してもらえるということで付いていこうと思ったら、銀髪の双子と思われるエルフたちがサシャンさんと何やら揉めているようだ。


『サーシア様!まさかこの人族を村に連れていくのですか!?』

『ええ、そうよ。彼は異世界人で今来たばかりみたいだし、このままほっておくのは可哀そうでしょ?』

『しかし人族ですよ!?どのような奴か分からないですし、もしかしたら私たちを騙すためのウソで厄介なスキルを持っているかもしれないのですよ!』

『落ち着きなさい、シャル。来たばかりの異世界人はスキルは身につかないのは分かっているでしょ。それにもしスキルを持っていても、少なくとも戦闘系ではなさそうですし、異常系としても精霊の加護を持つ私たちは問題ないでしょう。』

『そうですが、あの者が村で何か良からぬことをする可能性があります。要らぬ危険を作る必要はありません!』

『サーシア様、姉さんの言う通り。村に連れていくのは反対。』

『キャロまで反対?う~ん、困ったわね。見て分かるでしょうけど全然強くないし、精霊も落ち着いているから危険はなさそうだけど。別にずっと居てもらうつもりはないし、せめて村で1泊してもらってからオワーリのサカイ町まで連れていきましょう。ちょうど私もサカイ町に行く予定だからね。ここで見捨てると後味悪いし助けてあげましょう?』

『。。。はあ~~~相変わらずサーシア様は甘いです。分かりました、1泊だけですよ?それにサカイ町まで行ったら、必ずその町の統治者にあの人族を預けてください。約束ですよ?』

『ありがとう、シャル。さすが私の一番の理解者だわ!』

『。。。はあ~、それなら少しは私たちの苦労をもっと理解していただきたいです。』


エルフ3人組は大分長いこと話していたようだが、どうやらそれも終わったようでこちらに向かってきた。

何か揉めていたから、ものすごく気になるけど迷惑をかけるわけだし先に謝罪しておこう。


「すみません、私のせいでサシャンさんたちに迷惑をおかけします。最悪何とか自立できる場所まで案内してもらえるとありがたいです。」

「あら、何か不安にさせちゃった?安心して。とりあえず村で1泊してから、オワーリ国のサカイ町まで案内するわ。そこには異世界人を保護する取り組みをしているから助けてくれるわ。」

「そうなんですか!ぜひそこまで連れて行ってください。今は何も出来ないですが後で何かお礼をしますので。」

「本当は落ち着くまで村にいてもらってもいいのだけど、過去に色々あって人族と私たちエルフは承認を通して最低限の交流しかしていないのよ。まあほとんどはエルフが人族を一方的に嫌っているのよね。私は人族にも良い人も悪い人もいるのは分かっているのだけど、この考え方は少数だわ。だから村に長いこといると君に迷惑をかけると思うから、サカイ町まで案内するわね。」

「いえ、色々と教えてくれてありがとうございます。事情も分かりましたし、案内してくれるだけで助かります。」


さっきから双子のエルフが険悪な目で見ているから歓迎されていないのは肌で感じてますし。

何もしていないのに初対面から嫌われるのが、こんなに辛いとは思わなかったわ。


「ええ、ちゃんと案内するから安心してね。それじゃ待たせてしまったけど、そろそろ村に向かいましょう。」


そうして森の中を歩き始めた。

そういや今気づいたのだが、俺の服装って何かゲームに出てくるような村人の服だぞ?

ヨレヨレのグリーンのシャツに革のズボン、安物の褐色のウールのマントって中世のヨーロッパみたいな服装か?

いつの間にこんな服を着たのか分からないが、それ以外に何も持っていない。

まさか携帯もゲーム機もないなんて、こんな世界でどうしたらいいんだ。

とにかく他に異世界人がいるなら誰か帰れる方法を知っているかもしれないし、

サカイ町に着いたら探そう。

先のことに対して不安を募らせながら、森の中をしばらく進んでいった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


1時間ぐらい経っただろうか、今の状況や先のことを頭の中で整理しながら歩いていたら、木の上にいくつもの家が見えてきた。

木と木の間には吊り橋があって、そこを移動しているエルフの人がちらほら見えてきた。


そして村の入り口ぐらいのところまで来た時に、サシャンさんが声をかけてきた。


「村長のところまで行くから付いて来てね。」


サシャンさんにそう言われて付いていこうとすると、木の上から誰かが取り降りてきた。


「■■■■■■、■■■!■■■■■■■■■■■■!!(そこの人族よ、止まれ!勝手に入ることは許さんぞ!!)」


凄い剣幕で叫んできたエルフは村の衛兵だろうか。

金髪のウルフカットのイケメンエルフだが、日焼けしている感じで少し肌黒く引き締まった鍛えられている感じだ。

なんかエルフってヒョロッした体で、力がない代わりに魔法や弓が得意なイメージしていたけど、この人はかなり重そうな槍をもって飛び降りてきて、こっちに向かってきた。


『ガイン、久しぶりね。相変わらず元気そうで良かったわ。』

『!? これはこれは姫様、お久しぶりでございます!姫様も相変わらず元気で落ち着きなく出歩いているようですね。』

『もう姫様はやめて。サシャンと呼んでって言っているでしょ。それに落ち着きがないとは失礼でしょう。』

『ならば少しはお淑やかにしていただけますかな。小さいころから城を飛び出して無茶なことばかりなされているのですから。御身をもっと大事にしてくだされ。外に出ていると聞くとケガでもしていないか心配でたまりません。』

『もう久しぶりに会ったのに心配性ね。シャルルとキャロルがいるから大丈夫よ。』

『ガイン師匠、お久しぶりです。そしてもっと言ってください。私たちが言ってもすぐ外に出てしまわれるので。』

『ガインのおじさん、久しぶり。姫様にはいつも姉さんと一緒に振り回されている。楽しいからいいけど。』

『シャルルにキャロルも元気そうだな。少しは背が伸びたか?前までは自分の身を守るのも大変なヒヨッコだったのに、今は良く魔力も練られていて大分強くなっているな!』

『何もできなかった私たちをガイン師匠が鍛えてくれたおかげです。あの時は本当に感謝しています。』

『ガインおじさんのおかげ。ありがとう。』

『お前らは俺にとって娘みたいなもんだから気にするな!元気でいてくれたらそれでいいってことよ。ところで姫様、そこにいる人族は姫様が連れてきたのですか?』

『ええ、そうよ。森の中でデモンエルフに襲われているところを助けたのよ。それにどうやら異世界人のようで、このまま放っておいたら死にそうだったから村に連れてきたのよ。』

『そうでしたか。ただ姫様も分かっているかと思いますが、村の中にその者を入れるのは長老が黙っていないですよ。』

『それは分かっているから、1日だけ泊まってそれからサカイ町まで彼を連れていき、そこに預けるつもりよ。オーガンには私から話をするから、このまま村に入れてくれないかしら。』

『はあ、分かりました。とりあえずこのまま話しても仕方がないので長老のところまで案内します。』


話が終わったのか衛兵さん?が歩き出してサシャンさんもそれについていった。

俺もサシャンさんの後ろについて少し歩いたら、彼女から衛兵さんのことを紹介された。


「そういえば、彼のことを話していなかったわね。私の昔の先生だったガインよ。他のエルフとはちょっと変わっているけど、根はとても優しいからもし私がいない時に何か困ったことがあったら彼を頼ってみて?」

「はい、ありがとうございます。えっと、ガインさん初めまして。私は上杉啓市といいます。」

「。。。人族よ。言っておくがエルフの多くは人族を忌み嫌っておる。私はそれほどではないが他のエルフはお主を傷づけることがあることを忘れるな。」

「えっと、はい、わかりました。気を付けます。。。」

「ガインも、彼は異世界人だと言ったでしょ。ここの人族とは関係ないわ。ごめんね、これでも忠告してあげているのよ。ちょっとエルフと人族は仲が悪くてね。」

「そのことですが、なぜ仲が悪いのですか?」

「そうね、話せば長くなるからまた落ち着いたら話してあげるわ。先にこの村の長老と話をしないといけないからその後でね。」


そこでサシャンさんと話終わった後に、目の前を向いてみると村の真ん中あたりにとても大きな木があった。

樹齢何千年か分からないが、めちゃくちゃ大きくスカイツリーより大きいんじゃないかというぐらいデカかった。

木の周りには木の枝が階段のようになったものがあり、そこからサシャンさんたちが登って行ったので俺もそれに付いていく。

そして一番上まで登ると、木に大きな木造の扉があって、サシャンさんたちはその中に入っていった。

俺も続いて入ると、扉の先はとても大きな空間になっていて何やら小さな淡い光がいたるところに浮いていた。いくつかの光は空中を自由に動いており、よく見ると羽の生えた小さな妖精と思われる子が楽しそうに飛んでいた。

そして妖精たちの飛んでいる軌跡が何かキラキラしており、あまりにも幻想的で感動しすぎてその場で立ち止まっていた。


『■■■■■■■■■■■■■■■、■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■?(これはこれは久しぶりでございます、姫様。そこに人族がいなければ歓待しているところですがね?)』


ぼーっとしていて気づかなかったが、この空間の奥に緑のローブを着て長い髭を蓄えた如何にもエルフの長老っぽい人が俺のことを睨みながら、体をサシャンさんに向けて話をしだした。


『久しぶりです、オーガン。彼は異世界人で、森の中でデモンウルフに襲われているところを助けました。この世界に来たばかりなので、1日だけ村で保護をしてからサカイ町まで案内をしようと思います。』

『姫様、あまり人族とかかわろうとなさるな。精霊も見えず声も聞き取れない。そして盟約も忘れ裏切り続ける愚か者ですぞ!シャルルにキャロルも何をしている。姫様を諫めるのも近衛の役目じゃぞ。』

『姫様には姫様の考えがあります。オーガンさんがいちいち口を挟む必要はありません。』

『一応注意はしている。だけど姫様が良いというなら最後までついていくのが私たちの役目。』

『確かに人族は盟約を忘れ私たちを裏切り続けています。しかしその恨みを人族全てに向けてはなりません。特に異世界から来た彼には全然関係のないことです。』

『はあ。。。異世界人とはいえ人族は人族ですぞ。連れてきてしまったのなら仕方ありませんが、その者が村の中を出歩かないようにしっかり管理するようお願いしますぞ。そうでなければその者の身の安全は保障しかねますからな。』

『分かりました。村には迷惑をかけないよう彼にはきちんと伝えておきます。明日早朝にはサカイ町に向けて出発しますので、それまで休める場所を案内してもらえますか。』

『分かりました。ガインよ、姫様たちを部屋に案内してあげなさい。』

『へいへい、分かりましたよ、長老。』


どうやら話が終わったのかガインさんが俺に「付いてこい」と言ってきたので、サシャンさんと一緒に彼に付いていった。

しかし、長老もそうだが周りのエルフのほとんどが睨んでくるので、正直めちゃくちゃ居心地が悪い。

本当色々分からないことが多いので、落ち着いたらサシャンさんに色々と聞こうと思い足早と部屋から出た。


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