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70代のひとり部活  作者: 種田
55/55

彼の復活  2025年の5

6月19日(木)


朝7時、久しぶりにホームグランドの河川敷にやって来た。

広大な河川敷いっぱいに繁茂していた雑草が、業者が入ったのだろう、短く刈り取られていて清々しい。


今日から9月5,6日に島根県出雲で開催される中国マスターズ陸上選手権に向けて再スタートだ。

砲丸は5kを使用する。

試合で投げるのは4kなので、10日前の広島マスターズまでは4kの砲丸で投擲練習を続けてきた。

しかしその結果、腕が4k仕様のパワーになってしまい、「これではまずい」と感じたので、試合よりも重い5kの砲丸で練習することに考えを改めた。

久しぶりに投げる5kの砲丸の重い事。

腕がその重さに完全に負けている。

9m40が今日のベスト。

我ながら筋力の低下していることにあきれる。


円盤(1K)は35m80が今日のベスト。

下半身と上半身の遠心力のタイミングがはまるようになってきて、2回に一回は35mが投げられるようになってきた。

願わくは40mを投げたい。


5月の岡山マスターズ選手権で久しぶりにF選手と会う。

3歳年下の彼は今年から私と同じクラスのM70(70~74歳)部門になる。

円盤投げにおいて50代から60代にかけて彼は国内に敵なしの圧倒的な選手だった。その彼が競技会から急に姿を消してしまい、随分と寂しい思いをしたものだ。

岡山マスターズでは1mの差で私が勝ったが、本来のF選手はあんなものではない。

今年の10月の全日本マスターズ選手権では彼と久しぶりに競えるのが今から楽しみだ。


夏を思わせる日差しの下で3時間の練習を終えて、日陰になっている橋の下の川岸に座って、しばらく過ごす。

汗だくになった体に川風がいい気持ちだ。

そうしていると60年近く前の高校時代の陸上部の夏の練習が決まってよみがえってくる。

人っ子一人いない河川敷。

炎天下での練習の後の、この川のほとりでのひと時が、毎年の私の夏のこたえられない至福の瞬間だ。





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― 新着の感想 ―
相変わらず凄い努力に感心します 無理せず身体を壊さないように m(__)m
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