楽しむ人
7月28日
今朝も河川敷の上空は真っ青な快晴。
草むらの上を赤とんぼが群れをなして飛び交っている。
赤とんぼが飛び始めると
(秋が来た)
と感じるものだが、今日も秋の気配などみじんも感じられないカンカン照り。
ただし川面を渡ってくる風はカラッと乾いてさわやかだ。
何日も雨が降っていないので川の水は川底が見えるほど澄んでおり、鯉やボラ(あるいはシーバス?)が泳いでいるのがよく見える。
アメンボも川面を滑っている。
今日、じっくりと観察した結果、アメンボは泳いでいるのではなく、四本の細い脚で表面張力を利用して水面に浮かび、かすかにジャンプしながら前に進んでいるという知見を得た。
驚くことに私は70歳を過ぎた今日までアメンボのことをミズスマシと呼んでいたことに気づいた。
とうに亡くなった父よ、あなたの知識の過ちを今日、息子は正しましたぞ。
円盤投げ(1K)は右肩をぐっと入れてのリリースで34mが一本。
砲丸投げ(5k)はステップバックで左腕を大きく振り戻していいリズムが取れることに気づいた。
10m超えが三本。
円盤、砲丸共にこのフォームで投げれば34m、10mまでは飛ぶということが最近になってようやくつかめてきた。
練習の量が質に変わりつつある。
日陰になっている橋の下では中学生と見える少年が、3時間近くも一人でスケボーを練習している。
「知る」よりも「好む」、「好む」よりも「楽しむ」が上位にあるときいたが、この少年はその最上位の境地にあるようだ。
私の孫とさほど変わらぬ若さのこの少年に、離れたところからひそかにエールを送る。
私も3時間の投擲練習を終えて帰ろうとする頃、10代半ばの少年が二人、釣竿を背にやって来て、河岸の石段に腰を下ろし、川面を見ながら語り合っている。
「太陽の季節」は彼ら若者の季節だ。
ふいに昔見たフランスの青春映画「さらば夏の日」が思い出される。
主演は青春スターのルノー・ベルレー、音楽はフランシス・レイ。
哀愁を帯びたこのテーマ曲は、映画ともども日本でも随分とヒットしたものだ。
フランシス・レイ、ミシェル・ルグラン、バート・バカラック、マーヴィン・ハムリッシュ、私の好きだった映画音楽の作曲家たちだ。