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70代のひとり部活  作者: 種田
26/55

太陽はやる気いっぱい

7月25日   


学校が夏休みに入ったので、普段は全くと言っていいほど人影のないこの河川敷にも、今朝は小学生や中学生の男の子が、一人で、あるいは数人のグループで、三々五々キャッチボールやスケボーにやってくる。

ただ、彼らは暑さを避けて橋の下の日陰で遊んでおり、カンカン照りの下で遊んでいるのは私一人だ。

「太陽がいっぱい」で海辺のアラン・ドロンに降り注いだ太陽は、今朝もやる気いっぱいで、原っぱにひとり立つ私を目いっぱい照らしてくれる。

あの映画のラストシーンのアラン・ドロンのセリフをまねてつぶやけば、

「最高だ!」


円盤投げ(1K)は34mが三本でた。

左腕をぐっと引くことで円盤のリリースにスピードが出たのだ。

先日、私がデジカメで撮った動画を見て

「左手が使えていない」

と、妻はこしゃくな感想を漏らし、私は

「言うは易し、行うは難し」

と、スルーしたが、ふとその言葉を思い出して試してみたらボナンザだった。


砲丸投げ(5k)は10m超えが二本。

こちらも左腕の引きが効果的だった。

人の意見は、たとえそれが素人の妻のそれであっても無下に退けず、耳を傾けてみるものだという認識を得た。


冷蔵庫でカチカチに凍らしてきたペットボトルも3時間の投擲練習を終えるころにはすっかり飲み終えてしまう暑さ。

頭上にはぎらつく青空。

高校時代の夏休みの陸上部のきつい練習が、夏の私の「ひとり部活」ではいつも思い出される。

あの当時は、炎天下の練習でも水を飲むことは厳禁だった。

怖い先輩がいたものなあ。

しかし、今になって思えば、私が夏の炎天下での活動を、若い頃のみならず今もなお平気なのは、高校時代のあの不条理な経験が、暑さに対する耐性を養ってくれたのかもしれない。


ちなみに今日、私の頭に浮かんだアフォリズム。

「夏休みには男の子がよく似合う」



(山頭火の一句)

岩かげまさしく水が湧いてゐる


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― 新着の感想 ―
[一言] 実は私も投擲競技は興味ありましたが 身長が伸びなくなる危惧があり諦めました 特に砲丸投げは、かなり走る筋肉とは トレーニングが背反しそうです 円盤投げはガードが無く、またかなりコツが要りそう…
[一言] 坊主頭に麦わら帽子は チクチク痛い 母親はやたら帽子を被れと言ってましたが 坊主頭になった事が無いだろうから 無茶苦茶な事やらしてましたね 手ぬぐいやタオルなどを挟めば良かったのに しかも…
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