湯田温泉と種田山頭火
7月6日
マスターズ陸上シーズンも4か月目を迎え、このところ毎週末には全国各地で試合が開催されている。
試合結果は各県のマスターズ陸上連盟のホームページに掲載されるが、それを閲覧して各地の試合で知り合った選手や知人の活躍ぶりを見るのが起床後の私の大きな楽しみだ。
とりわけ私の競技クラスM70部門(70~74歳)で私のライバルである数名の動向には関心を持って見ているが、今までのところ皆さん、まだ調子が上がっていない様子だ。
コロナの影響で三年連続中止になった全日本マスターズ陸上選手権が今年は四年ぶりに開催される。
10月の全日本陸上選手権には私も妻も当然参加すべく、早くもエントリーを済ませた。
私は円盤投げと砲丸投げ、妻は3000m競歩だ
今年、全日本マスターズ陸上選手権が開催されるのは隣の山口県。
会場は勝手知ったる維新百年記念公園陸上競技場だ。
美しい噴水池を持った緑豊かな運動公園の中にある、私にはまことに相性のいい陸上競技場だ。
山口は単に広島の隣県というだけでなく、私が中学高校時代を過ごした(下関市長府)ところだ。
さらに俳人、種田山頭火が庵(其中庵)を結んだのは現在の新山口駅がある小郡だ。
その庵(其中庵)から、温泉好きな山頭火がしばしば湯につかりに足を延ばし、大酒を飲んだ挙句、しばしば狂乱の限りを尽くしたのが湯田温泉だ。
例えば彼の日記にはこうある。
「飲んだ、むちやくちやに飲んだ、T屋で、O旅館で、Mで、K屋で。…とうとう留置場にぶちこまれた、ああ!」(昭和12年11月5日)
その湯田温泉には10日後、中国マスターズ選手権に出場するため私も一泊する。
初日の円盤投げが終わって宿で汗を流した後、近くの居酒屋で試合を振り返りながら、かつ山頭火をしのびつつ、しかし飲み方は彼を反面教師として、一人静かにビールを飲むつもり。
ついでに言えば私の姓も山頭火と同じ種田である。
(山頭火の一句)
雨ふるふるさとははだしであるく