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70代のひとり部活  作者: 種田
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夏のひとり部活

◎6月19日


朝7時40分に河川敷に自転車で到着。

雲一つない青空が上空に広がっている。

広大な河川敷に人影は全くなし。

それを独占する私は王者のような豪勢な気分になる。

川を渡ってくる風は爽やかだが、日差しは真夏のそれのように強烈だ。


砲丸(5K)はここ4年間で一番の10m45が出た。

私の武器である腰の強さを生かしたフォームが、やはり自分のフォームだと改めて思った。

円盤投げは相変わらず投げれば投げるほど迷走が続く。


3時間の練習を終え、日陰になっている橋の下で、石段に座ってしばしの休憩。

長時間太陽にあぶられ続けた首筋がヒリヒリする。

目の前には飛び込みたくなるほど涼しげな川の流れ。

ぎらつく青空。

50年以上前の高校時代の陸上部の夏休みの練習が思い出される。

(暑くて、きつい、水も飲ませてもらえない練習だった)


マスターズ陸上を始めて15年目の私の「夏のひとり部活」が今年も巡ってきた。

暑さこそ変わりはしないが、今は怖い先輩もおらず、スポーツドリンクだって飲めるのはなんという幸せな部活だろう。



◎6月25日


引っ越しのため練習が出来ないのにもかかわらず、食べるのと飲むのは相変わらず。

そのせいで一週間で3キロも体重が増えてしまい、ただ今77キロ。

体が重い。


先日、かかりつけのクリニックに月に一度の定期検診に行ったところ、私の隣に座った男性に看護師さんが

「体重はお変わりありませんか?」

と尋ねた。

「変わりません。104キロです」

そう答えた男性をちらっと見て、私は

(77キロなんぞ、軽いもんだ)

と明るい気持ちになった。


今日は久しぶりにルームサイクルに乗ってたっぷりと汗を流す。

汗出しのため、部屋の窓を閉め切って、ウインドブレーカーを着込み、毛糸の帽子をかぶり、手には軍手をはめて減量中のボクサーのごとき格好で約一時間自転車をこぐ。

体重計に乗ると1,4キロ減っている。

体の中を風が流れていくような爽快さを感じる。

しかし、風呂から上がってビールで減少分の1,4キロを完全に補充する。


もう一週間、砲丸も円盤も投げていない。

妻も私も完全に練習不足だ。

次戦の中国マスターズ陸上選手権まであと三週間。


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