四月になれば彼女は
5月になった。
サイモンとガーファンクルに「四月になれば彼女は」という作品がある。
この曲を初めて聴いたのは映画「卒業」The Graduateの中でのこと。
当時私は大学入試に落ちて浪人中だった。もう50年以上も前のことだ。
「卒業」が日本で公開されたのはその2年前の1968年。
その映画を見たのは場末の名画座で、2年間あちこちで使いまわされてきたことが粗い画質からも明らかな「卒業」は、もう一本のいかにもさえないアメリカの青春映画との二本立てだったことを覚えている。
2年前のヒット作だがその時にはすでには見ようと思う人も少ないのか、昼下がりの劇場内は閑散としていた。
それでも「サウンド・オブ・サイレンス」と共に映画が始まると私は画面に引き込まれた。
ダスティン・ホフマン演じる主人公のベンは大学を卒業したばかりの裕福な家庭の青年で、大学では新聞部の部長であり、かつ陸上部のスターだった。
私も晴れて大学生になればベンのような華やかな生活が待っているものと夢想した。
サイモンとガーファンクルの曲がふんだんに使われているこの映画の中で私が初めて耳にしたのが「四月になれば彼女は」という小曲だった。
アート・ガーファンクルの心に染み入るような歌声が忘れられない。
April come she will
When streams are ripe and swelled with rain;
May, she will stay,
Resting in my arms again
June, she’ll change her tune,
In restless walks she’ll prowl the night;
July, she will fly
And give no warning to her flight.
August, die she must,
The autumn winds blow chilly and cold;
September I’ll remember.
A love once new has now grown old.
さて、5月になった。
今年の初戦の岡山県マスターズ陸上選手権は5月4日にせまり、10月の全日本マスターズ陸上選手権までの6か月のシーズンが始まった。
投擲過多による毎年おなじみの、これから半年の付き合いとなる筋肉痛もまた始まった。
投擲練習をする河川敷はタンポポの数が減ってきて、今やクローバーの花盛りだ。
先日タンポポの外来種と在来種の見分け方を知ったが、この河川敷のそれは近年復活してきている在来種であると私は見た・
(今日の一句)
タンポポや 風の渡しで 川越える