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三題噺もどき

実家

作者: 狐彪

三題噺もどき―はちじゅうさん。

 お題:川・田舎・パソコン




 太陽が照らす、小さな田舎町。

 人の喧騒など聞こえない。

 聞こえるのは、鳥や虫たちの声と、風が揺らす草花の音。

 たまに聞こえる子供たちの声。

「……」

 そこを少し離れた所にある小さな川に私は来ていた。

 さらさらと静かに流れる川は、暑さを忘れさせてくれた。

「……」

 数週間ほど前。

 私は、実家に帰ってきた。

 この田舎に。

 それから、特に何をするでも無く、自由気ままに暮らしている。

 まぁ、都会の暮らしに疲れたというか、なんというか。

 少しだけ、休みたいと思ってしまったのだ。

 勢いで仕事を辞めて、そのままの流れで、田舎の実家へと帰った、という訳だ。

 田舎とはいえ、ここにいても電子機器は使えるには使える。

 しかし、まぁ、パソコンなどはインターネットが繋がりにくいことこの上ない。

 現代っ子では、こんな環境耐えきれないのではないかと思えるぐらいに。

(まぁ、別に良いんだけど。と言うか、そっちのほうがありがたい。)

 世間体というのが、気にならなくなるし。

 気にしなくていい事を、気にしないままでいられる。

「……」

 そして、今。

 今日は、少し暑かったので、涼をとろうと、近くの川にいた。

 水の流れる音が耳に響く。

 キラキラと太陽の光に反射して、少しまぶしかった。

「……」

(昔は私もこんなふうに輝いていたのかな)

 ふと、そんなことを思った。

 希望を持って都会に飛び込んだはずではあったが、決心が足りなかったのだろうか。

 挫折し、立ち上がることもままならなくなった。

 そのまま、何もできないままに居た。

(それでも―)

 それでも、私は、もう1度頑張らなくてはいけない。

(あー明日ぐらいに帰るかな)

 大切なものを思い出させてくれた、田舎にずっと住みたいのは山々だけど。

 私には、まだ、やるべき事がたくさん、あるのだから。


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