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プロローグ
沙羅市の繁華街
暗い路地裏の奥の方に
その店はあった
特に目的があったわけではなく
ただ、なんとなくその路地裏へと足を踏み入れ
たまたま見つけた
建物の看板には『皮骨堂』と書かれており
入り口の扉のガラスにはopenの札が掛けられている
中に入ると、骨董屋なのかと思ったが、
新しい物から古い物、何に使われるのか不思議な物が立ち並び
壁側には本や雑誌が積まれている
私が入って少しすると
カウンターの奥から、店員が顔を出し、声をかけてくる
中性的な顔立ちで赤い眼鏡が印象的だった
「いらっしゃいませ、ようこそ皮骨堂へ、
何か気になった物品はありますか?
この皮骨堂は、いわくつきの物品を取り扱う店でございます
それぞれの物品に付随する、様々な物語をお聞かせ致しましょう
お客様は何に興味を持たれましたか?」
そして、私はそれを手に取った