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【完結】リンガーベル!~転生したら何でも食べて混ぜ合わせちゃう魔獣でした。トラブル?強敵?がぶがぶペロっと平らげてやんよ!~  作者: 北乃ゆうひ


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45/45

45.ニューデイズ! 挨拶とこれからと


 とりあえず、腹六分目くらいまで食べたので、フィズちゃんの家にGO!


 フィズちゃんと手を繋いでお家に向かうと、緑の髪に赤い目をした男性が待っていた。


「おかえり、フィズ」

「お父さん! ただいまー!」


 ずっと寝ていたフィズちゃんのお父さんでるジンさんだ。


「そのタベルンがベルなのか?」

「うん!」

「がぶがぶが」


 こんにちわ――と頭を下げる。


「これはこれはご丁寧に」


 どうやら挨拶が通じたらしく、ジンさんも頭を下げてきた。


「コリンやフィズ。護衛をしてくれていたマリーさんか話を聞いている。

 私の呪いを解くた為に奮闘してくれたと。お礼を言わせてほしい」

「がぶぶがぶがぶ~」


 お気になさらず~と手を振るけれど、伝わったかな?


「気にするなってコトでいいのかな?」

「がぶがぶ」


 いえす――とうなずくと、ジンさんは困った顔をした。


「謙虚というか欲がないと聞いていたけど、本当みたいだね」

「でもベルは食いしん坊さんなんだよ!」

「ああ、それも聞いているよ」


 嬉しそうにジンさんを見上げるフィズちゃん。

 そんなフィズちゃんを見下ろしながら、ジンさんはその頭を撫でる。


 ジンさんに頭を撫でられてふにゃふにゃした顔をするフィズちゃんは可愛いねぇ……。


「とはいえ、すぐにできるお礼がなくてね」

「がぶが、がぶががぶぶ」


 だから、気にしないで。

 そう言うと、ジンさんは「今のは分かったよ」と笑い、それでも――と少し真面目な顔で告げる。


「商人として貰ってばかりでは気が引けてね」


 うーむ。

 職業的なプライドと言われてしまうと、拒否ばかりするのも申し訳なくなっちゃうなぁ……。


 どうしたものか――なーんて、私が考えていると、フィズちゃんが何かを思いついたように両手を合わせて音を立てた。


「お家の壊れたところを直す時に、ベル用の入り口を作るんじゃダメかな?」

「それがベルへのお礼になるのかい?」

「んー……お礼になるかは分からないんだけど、一応ほら……ベルって、わたしがテイムしている扱いだから」

「そうか。いつまでもギルドの(うまや)というワケにもいかない、か」


 ジンさんはフィズちゃんの言葉を吟味して、うなずいた。


「よし。それなら、家を直すついでにベル用の出入り口だけでなく、ベル用の部屋も作ろうか。

 我が家で歓迎する。それをお礼にさせてもらえないかな?」


 それはつまり、フィズちゃんと一緒に暮らせるということですか。

 めっちゃ嬉しいしありがたい申し出ではあるんだけど……。


「がっぶがぶがぶが。がぶが」


 めっちゃ食べるよ。私。


「えーっと、フィズ。なんて言ったか分かる?」

「たぶん、いっぱい食べて迷惑かけちゃうかもって」

「それに関しては心配しなくていい」

「がぶ?」


 おっと、何か対策があるのかな?


「現状、町のみんなはベルにすごい感謝しているみたいだしね。

 今もギルドで呪いの解呪をしているだろう? だからまぁ、足りない分は町の人たちがごちそうしてくれるんじゃないかな、と」

「がぶががぶが。がぶががぶがぁ……」


 さすが商人。したたかだなぁ……。


 ともあれ、私は納得。

 是非よろしくお願いしたい。


 ――ってなワケ、大きくうなずいて、片手を差し伸べる。


「よかった。提案を受け入れてくれるんだね」

「がっぶ」

「ああ。こちらこそよろしく頼むよ」


 そんなワケで、私は正式にフィズちゃんの隷獣()になったのです! やったね。




 さて、ジンさんへの挨拶も終わり、私はギルドへと戻ってきた。

 フィズちゃんはお家の片づけのお手伝いらしい。


 私も手伝おうと想ったんだけど、フィズちゃんから「ベルはみんなの大切なモノを直す大事なお仕事があるでしょ」とやんわり断られた。


 実際、みんなの大切なモノを直す仕事を請け負ってるワケだから、何も言えないわぁ……。



 そんなワケで、これからしばらくは、ギルドの厩で喰っちゃ寝な生活かしら?

 まぁ怠けているようで、ちゃんとしたお仕事だから、どこからも文句はでないと想うんだけど……。


 そればっかりっていうのもなぁ……。

 あ! ずっと先延ばしになってたルーマのアレコレを誰かから教わるチャンスかも!


 クロンダイクとギルマス……あとスーズさんも後処理で大変そうだけど……。

 マリーさんならイケるかな?

 サブンが倒れた今なら、護衛の仕事も終わってるだろうし。


 何だったら、神速たる猫(ラピーデ・カッツェ)の子たちから教わってもいい!


 なんだか楽しくなってきた!


 さーって、異世界魔獣生活。もっともっと楽しんで行きましょう!


 ひゃっふー!!

 私の戦いもとい異世界生活はこれからだー!!



【Ring a bell !

   ~ that will change the world ~ - closed.】

中途半端になっておりましたが、今日の更新分のキリが良かったので、ここで一度〆させて頂きます。


まだまだ書き足りない反面で、ベルの一人称というハイテンションな書き口は、自分のテンションを高めに維持してないと難しく、一度失速したらちょっと持ち直せませんでした。

また機会があれば、続きを書くかもしれませんが、まずは一度、幕を下ろしたいと思います。


そんなワケで、ここまでお読み頂きましてありがとうございます。

読んで下さった方々が、少しでも楽しんで頂けたのでしたら幸いです٩( 'ω' )و


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短いですがアッサリ読めて楽しかったです! またいつか続きを期待!!
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