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プロローグ

この世界には『スキル』というものが存在する。


例えば、魔法を撃てるスキルだったり、それに反して魔法を消せるスキル、跳ね返せるスキル。

剣術に関するスキル、槍、弓、盾。


他には、料理にバフをつけるスキルだったり、部屋にバフをつけるスキル。装備にバフをつけたりするものもある。


攻撃系の、最初に述べたスキルは男性。

補助系のそのあと述べたスキルは女性。


とスキル相場は決まっている。

神は多様性というものを知らないようだ。この差別主義者め。


まぁ、俺は神なんて信じてないけどな。


なぜなら。俺は男なのに、そもそも戦闘スキルはおろか、使い道すらわからないスキルしかついていないからである。



「お前、本当にたまついてんのか? 攻撃スキルを持ってない男なんてありえないだろ!」

「攻撃スキル使えないとか……ダサッ」


罵詈雑言(ばりぞうごん)

俺にとっては当たり前だ。日常の一コマに過ぎない。

俺だって知っている。攻撃スキルのない男なんていない。


俺を除いて。


俺は使い方も碌に知らない『課金』なんていうスキルしか持たない。

それも、『鑑定』ですら能力がわからず、一五年生きてきてもー度も発動したことのないスキルだ。


俺はいま中学三年生に当たるのだが、あと一年でもう大人だ。

お酒だって飲める。タバコだって吸える。


高校に入るか、ギルドに入るか。

人生の一大決心も待っている。


基本的にはスキルテストでA判定を受けたものはギルドに。

B以下の者は高校に行き死なないための知恵などを身につける。


ちなみにそのテスト。

E、D、C、B、Aと、左から右につれて良い判定となっていくのだが、俺はFだ。すごいだろう?


世界でたった一人の人間なのさ。


言ってて悲しくなってきたが。


なにせ、スキルが使えないんだからな。

俺はすでに、男として生きることを諦めていた。

女になるわけでもないが。魔物に合わないような場所でゆっくり仕事をして少しでもお金をかせぎ、年老いても暮らせるようにしたい、それが今の俺の夢なのだ。



♢♢♢



時はすぎ、今日で俺は一六歳になった。

十六になると、もう大人として数えられる。

結婚もできるし、お酒なんかも飲めるのだ。

相手がいないから結婚もしないし、お酒は体に悪そうだから飲まないが。


ただ俺には大人になった今、楽しみなことがある。

それはフレームカードという通貨を管理できるカードを持てるようになることだ。

実は俺はバイトをして貯金を貯めており、家に五十オペほどお金があるのだ。


銀行についた俺は弾む足でカウンターに向かった。


「すみません、一六歳になったのでフレームカードを作りたいのですが……」


と言うと、


「フレームカードの発行ですね、かしこまりました。性別とお名前、生年月日を打ち込んでください」


と反応が返ってきた。

カウンターには人がおらず、おそらくAIであろう。タブレットが置いてあった。

そこに性別と名前、生年月日を打ち込んだ。


「認証されました。二番カウンターにお進みください」


言われた通り二番と書かれたカウンターに進むと、ウィーンと、カードが出てきたのでそれを受け取る。

俺のフレームカードだ。

そう思った刹那。


《フレームカードの所持を確認。スキル“課金”の画面に切り替えますか?》


頭に、無機質な女性の声が流れ込んだ。

こんな経験初めての上に、俺のスキル、“課金”のワードも出てきた。

気になった俺は心の中で『Yes』と答える。


すると周りがみるみる白に覆われていく。

俺以外の何もない。とてつもなく広い空間だった。

背景が全て白に変わると、目の前にさまざまなイラストが並び映った。


左から、盾のマーク。剣のマーク。弓のマークに、槍のマーク。

反対側には、フライパンのマーク。家のマーク。そして服のマークだ。


初めて見る光景に子供のように興味津々になっている俺に、今一度無機質な声が響いた。


《フレームカードに貯金されていますオペを使って、スキルを購入することができます。派生スキルなどもレベルを上げることでアンロックできます》


そして、スキルを購入とは……どういうことだ?

派生スキルのアンロック、とは。


疑問が頭に浮かぶ俺はとりあえず状況を整理しだした。


まずフレームカードとは今俺が手に持っているこのカードのことだ。

通貨であるオペを紙幣ではなくこのカードに入れることができる。

そうすることで荷物を少なくできる便利なカードだ。

そして今の状況からして、これはきっと俺のスキルの効果なのだろう。


スキルを購入。や派生スキルのアンロック。に関してはやはりよくわからいがとりあえず剣のマークの方に近づいてみた。

すると、わかったことがある。


剣のマークの隣に、十オペ。

と。そう書かれていたのだ。


プロローグ、お読みいただきありがとうございます。

Idéal(いである)です。

軽く世界観説明だけ。


オペ=この世界の通貨

→1オペ大体1000円。

フレームカード=クレジットカード

大人は十六歳から。

対応用端末、タブレット的なものはあるが、スマホは流通していない。

ゲームはないため、課金、という単語の意味を知らない。


連載を続けていきますので、もし気になった方はブックマーク登録をお願いします。

感想も受け付けております。疑問点などもお願いします。修正解説いたします。

それでは次回。

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