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果てのない世界で選んだ選択肢  作者: よしたろう
旅立ち
32/52

出発

コンコンコンという音が聞こえてくる。

伸びをして、身体を起こす。部屋を見回して音の元を探す。

しかし、この部屋の外から聞こえてくる。音が聞こえてくる方向は玄関からだ。

おぼろげな記憶を辿る。そうだ。今日から調査に行く予定だったな。

ベッドで寝ているゆづきの肩をトントンと軽く叩き、彼女が目覚める様子を確かめて玄関へ向かう。


玄関の扉を押して開ける。

想像していた通りの人物がいた。

しかし、昨日までの様子とは全然違っていて、覇気が感じられない。


「よぉ、まだおねんね中か?」


眼鏡をかけた屈強な男がおどけた口調で声に出した。

全くと言っていいほど敵意は感じられず、肩の力が少し抜ける。

呼びに来るとは言っていたが、まだ早朝だ。外もまだ薄暗い。

時間を聞き間違えたかと思い、尋ねる。


「朝に出発するとは言っていたがもう時間か?」


「いや、出発はお前らの準備が整い次第だ。まぁ、起こしに来てやったってわけだ。」


「少し待ってくれ、すぐに準備を済ます。」


それを聞いた源内は近くにあった木箱の上にドスンと音を立てて座った。

それを見届けて扉を閉める。

準備と言っても、ほとんど空になったバッグを背負うだけだが。

先ほどまで寝ていた部屋に向かう。

部屋の扉を開けるとあたふたして荷物をつめている最中のゆづきがこちらを振り向く。


「もしかして、寝坊しちゃった!?今準備してるから待って!」


「ああ、いや、大丈夫だ、そこまで慌てなくてもいい。」


ほっとした様子が見て取れる。慌てながらもちゃんと荷物は準備できたようだ。

俺は自分のほとんどない荷物をバッグに詰めて背負った。

水分補給などを済ませて、家から出る。

木箱の上に座っていた人物が俺たちが家から出てくる様子を見て立ち上がる。


「さて、準備万端って様子だな。」


源内が歩き出して、その背中を追いかけると俺の後ろをゆづきがついてくる。

早朝でまだちらほらとしか人の姿を確認できない。

屋台が並ぶ場所を眺める。

屋台が並ぶ中、ポカンと空いている部分に視線が移る。昨日の屋台のおっさんがいた場所は片付けられていた。


「ここじゃよく見る光景だ。ここに残るなら慣れた方がいい。」


前に歩く源内が顔を少しだけこちらに向けてそう言った。

昨日のおっさんも必死だったんだろう。

そんな事を考えていると、マーケットの出入り口についた。


警備隊の近衛が椅子に座っているのが見えた。

源内が視界に入ると近衛がすぐに立ち上がって挨拶をした。

それに応じて源内が軽く話をしている。

離れたところでゆづきと待つ。


「源内さん。気を付けてくださいね。何があるか分かりませんし、背後にも気を付けてください。」


「おう、近衛も警備頑張れよ。」


近衛が皮肉を言っているのが聞こえて癪に障ったが、気にしないようにした。

マーケットからようやく出られた。

源内が戻ってくる。


「待たせたな。さて行くか。」


その声に了承し、前に進む源内に続いた。

同じ文が連なってましたすみません。

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