第九話
そして、炎を纏わしてさらに強化を行なったはずの、自分の剣を難なく折られてしまったからだ
その光景を直ぐ間近で見ていた、執事のセバリオの方も、何が起こったか解らず。
リステーの折れた剣とユウマの手元を見て驚いていたが。
次の起こしたユウマの行動を見てさらに驚き驚愕した。
そのユウマはと言うと、『さて?ここからどうしよう』と考えて。
攻撃のチャンスなのに、その行為は行なわず。
一旦剣を折り向き合っていた体勢をとき。
後ろに振り替えりながら、リステーから離れていった。
この時、どう言う風に決着を付ければ音沙汰無く済ませるのかと、顎を触りながら目をつぶって考えて。 一定の距離をとり静かに歩いている。
すると、先程まで呆気に取られて驚き、いったい何が起こったのかが解らず思考停止していたリステーが。
何故か後ろを向いて離れて行くユウマに気が付き、これはチャンスと思った。
そしてその場から後方に勢い良く飛んで、着地すると同時に自分のもっとも得意とする魔法を、詠唱しだして、攻撃を仕掛け放とうとして声をあげた。
「はははっ!油断したな。馬鹿な庶民め!まぐれで僕の大切な剣を折りやがって。死んで詫びろ」
そう悪役みたいな台詞を吐き、詠唱完了して魔力を溜め込んだ魔法を放ってきた。
『そんな大声で言ったら不意打ちにもならないでしょう』と、思ったユウマだった。
このとき、リステーの放ってきた魔法は、火属性の火炎魔法【超火炎矢弾幕】と言う魔法で。
はっきり言ってぱっと見は、避けられないと思うほど視界全体に炎の矢が広がり。
そしてもの凄い量の炎の矢の数で、まさに弾幕と言って良い程である。
「なんですかぁ、その数の炎の矢は?」
「はっはははぁ、今さら後悔しても遅いのだ。死ねっ」
「いやはや、すっごい魔法だな!」
などと、関心していたがやはり、これは凄過ぎるなと思っていた。
しかもその魔法の放つ熱気が、ものすごい。
それで【超火炎矢弾幕】の魔法を見ていた観客席の全員が、リステーの言っていた魔導騎士学校の上位で卒業は伊達では無かったのかと思いなおしていた。
「皆のもの、このままでは怪我人どころではすまない。急ぎ何か有った時の為に準備を」
このままではユウマと執事のセバリオが危ないと、領主ロベルトの指示に従い、急に皆が慌しく緊急事態を考え動き出した。
みんながユウマたちの心配して、もしもの時に備えて動き回っているのをよそに。
観戦していたシルフィーたち3人といつも間にか、姿を現した紅の妖精のフレイがシルフィーの頭の上にちょこんと座って観戦していた。
その3人の慌てていない姿を見た領主ロベルトは、何故こんなに落ち着いているのかを、シルフィーに聞いてみた。
「シルフィー!何故そんなに平然と、この状況を見ている?あの魔法は罷り成りにも、中級の上位魔法だ!ただではすまない筈だ。このままではユウマ君はもちろん、近くにいるセバリオが危険なのだぞ、最悪の事態を考えないと!」
領主であるロベルトが慌てて声をシルフィーたちにかけたが。
「いえ、心配ないかと思いますよ。叔父さま!」
「ええ!ロベルト様、彼なら大丈夫でしょう」
「そうでしょうね!彼なら大丈夫でしょうね」
『だよねー!なんてったてユウマだもんねー♪』
などとフレイを加えた4人が領主ロベルトに答えた。
領主ロベルトは、紅の妖精のフレイの存在が魔眼なしで、しかも魔力が少ないでも見える唯一の人物だった。
『フレイよ、そんなに彼はすごいのか?』
『うん、だってシルフィーと同じ魔眼の持ち主だよ。ただ契約妖精や精霊はいないけど?』
ロベルトは、このフレイの言葉を聴き驚いて、シルフィーたちの方を見たらみんなが頷き肯定してきた。
そして、慌てて動き回っている使用人と騎士達を落ち着かせ、ロベルト自身も腰を座席に下ろして。
今から始まるだろうユウマの行動を見ることにした。
この一連の騒動が起きている事はユウマたちは知らず。
すごい魔法を放ってきたなとユウマは思いながら、落ち着いて【真理眼】のスキルを使用して【超火炎矢弾幕】の情報を見ていた。
すると薄い青色のスクリーンに、火属性の中級火炎魔法の上位と説明があり。
その下には広範囲にわたる攻撃魔法で防ぐには、同等以上の魔法か防御魔法が必要と表記していた。
とりあえず、広範囲の攻撃魔法なら執事のセバリオも危ないなと思い。
第三章:第十話につづく
・
・
急いでセバリオの前に向かい、目の前に立って手の平を前に出して・・・?




