幕間 その十二
これは、主人公が別の場所に飛ばされた時の、少女達サイドの話です。
この話は主人公のユウマが一人だけ、別の場所に飛ばされ旅をしている時に、あった少女達サイドのお話その10です。
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そして先程の女性がその少女に声を掛けた。
「フィリア様、ギルマス会議に出かけたのでは?」
「えっと、ちょっと忘れ物しちゃって取りに戻ったのよ。ところでホノカどうしたの。この事態は?」
先程の女性はホノカと呼ばれ、少女はフィリアと呼ばれていた。
そして周りからはギルマスのフィリア様だと、何故まだここにおられるのだ等と、言われていた。
「あの、ですね。この者達があそこおります二人の少女、今日ここギルド会館に職業説明と登録にするはずの少女達を誘拐しようとしていたと、先程あの男性達がギルドに助けを求め乗り込んで来まして・・・」
そして、そう言葉を出して先程の男達の方を見ていた。
その男性達は、良い服を着た執事みたいな1人はオロオロして何故か怪しく、二人の少女を庇っている様に見える男は少女二人を抱えて後ずさりしだしている。
もう1人、メグミ達に近づこうとした男も同じ様に出口側に後ずさりしているが、その男の前に数人の冒険者が立ちふさがっている。
周りにいる冒険者とギルド職員達も、最初はリンカとメグミ達の周りを囲み見ていたが、女性職員のホノカが1人の男を制した時に、全員がやはり何かおかしいなと思い。
そして奥に庇われたはずの2人に少女の方を見たら、少女達がいつの間にか気絶させられていた。だからより一層男たちが怪しく見えていたようだ。
「そぉ、なら断罪の瞳をここに持ってこさせなさい。ちょっと急ぐから早くして頂戴」
そうギルマスのフィリアが言うと、直ぐに断罪の瞳と言われる水晶球の付いた台座を数人の職員が持ってきた。
そして、フィリアがその水晶球に向けて何か呪文を唱えた。
するとその呪文を唱えたと、同時に部屋の中央、リンカを中心に光の幕が包み込んだ。
だが一番叫んでいた男と少女2人を抱えている男、それと先程メグミ達に近づこうとしていて男が光から離れようと、していたのをフィリアが、目撃して。
「あんた達が、一番怪しいのよ!中に入りなさい。罪を暴いてあげるから」
そう言って違う場所にいた3人の男を、瞬時にしかも3人同時に光の中に蹴りいれた。
実際3人同時ではなかったが常人には同時に見えていた。
それだけスピード速かったと言う事だ。
しかしこの時、数名の上級冒険者だけはその行動が見えていた様だ。
そして、断罪の瞳で確認を実行したら、やはり先程の3名以外は、犯罪履歴等なのも無く、無実である事がわかった。
それから先程の男性3人は嘘を言っている事が判明した。
そして誘拐及び強姦の疑いが出ていた事が解り、それが決めてとなり、3人の男性はここにいた衛兵の騎士に連行されていった。
流石に捕まる前に、抵抗しようとしたが周りを見て直ぐに諦めた。なにせその周りは屈強の戦士ばかりで、しかも最強クラスのギルマスまでいたからであった。
それでリンカ達は晴れて無罪放免となり。
しかもギルド職員とそこにいた冒険者、それから衛兵の人達に謝罪された。
この後、何故かギルドの待遇がすごく良くなっていた。
そして、この騒動が解決してすぐにフィリアは慌てて。
「それじゃホノカ、後の事はよろしくね。何かあったら通信水晶を使っていいから」
冒険者ギルドの入り口を勢い良く開けて、ものすごいスピードで出て行った。
この時ギルマスであるフィリアは、トライアで明日開催される予定のギルドマスター恒例会議に向けて再度出発したのであった。
実は3日前に出発していたのだが、もう直ぐトライアに到着という時に、今回の会議で報告する為の資料を忘れた事に気が付き急いで戻って来ていた。
その方法は、フィリアの持つ自身のユニークスキル、【短距離転移】を使用して移動をして帰還していた。なので普通なら3日から4日かかるところを2ヒュリテ(2時間)で戻ってきていた。
なら最初からこの【短距離転移】を使用して、トライアにいけばよかったのではと思うかもしれないが。
これの使用回数は5回程度で、使用した後は半月はこのスキルが使えなくなってしまう。
なので使用を控えていたようだ。
今回も必要な書類を忘れて取りに戻って来るのに一回、そしてまたトライアに向かっている馬車に戻るまでの合計二回を使用する事になる。
それに何日か前に一回、緊急時に使用してしまったので、後2回しかつかえない。
これは本当に緊急事態の時にしか使わない様にしていた。
そして、急いで出て行くギルマスのフィリアをみんなで見送って。
ホノカと呼ばれていたギルド職員は、謝罪したあとリンカ達に向けて。
「とうギルドに今日はどの様なご用件でしょうか」
そう尋ねて来たので、少女達を代表してメグミが。
「私達の冒険者登録をお願いします」と、そう答えた。
そして、少女達全員は特別待遇で、通常なら冒険者登録の部屋に連れて行かれるのだが、そこにはつれて行かれず、特別な部屋に連れて行かれた。
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