第二十一話
お互い改めて挨拶をしてから、「それじゃはじめるか」と言ってきて戦闘開始した。
ユウマとグラントがお互い構えた状態で相手の初手を窺って動かないで、いや動けないでいる。
すると少女が1人、目を覚ました。
「うーん、私!どうなったの?」
最初に目を覚ましたのは、アリアであった。
状況が把握できずに周りを見て、闘技場の方に目をやった。
「あっ!ユウ兄が戦ってるの?・・・あれ!でも動いてない?」
闘技場にいるユウマと、先程自分達と戦っていたグラント見て。今度はユウマが戦っていると思ったが、動いてないので何故と考えていると、後ろから声をかけられた。
「ええ、かれこれ15メリテ(15分)ほど動いていないわ!」
アリアの独り言の言葉に、後ろにいた狐人の少女がそう答えた。
アリアは知らない声が後ろから聞こえたので、驚いて振り返るとそこには先程ギルマスの部屋にいた少女、狐人の少女がいるのに気が付いた。
そして自分の周りに気絶したリンク達が近くで、寝かされているのにもそこで気が付いた。
アリアがみんなを見てから、何故ここに自分たちがと思って頭をかかげて考えていると、狐人の少女がアリアに向けてこう言ってきた。
「全員が目を覚ましたら色々と説明してあげるわ。それまで彼たちの戦いを見ていなさい」
そして、その動かない2人は、お互いに話をしていた。
「おいおい、あんちゃん何故かかって来ない?そろそろかかって来たらどうだ!」
「攻撃したいなら、そちらからどうぞ」
何気ない話をしているが、お互い何もしていないのに汗をかいて相手の動きを窺っている。
で、この均衡が崩れる瞬間が訪れた。何故かと言うとお互い動かず汗を掻いていたがユウマの方は運悪く汗が目に入り一瞬、目を閉じてしまった。その瞬間を見逃さずグラントが懐に入って来たのだった。
ユウマはとっさに後方に飛び退き、グラントの肩からの突進を寸前にかわした。だが、風圧いや衝撃波は大きく、かなり遠くまで飛ばされてしまった。
このユウマが飛ばされる寸前に、リンクとロンが目を覚まし闘技場の方を見た。その時に丁度グラントの攻撃が当たったように見えていた。だが実際はユウマが自分から後方に跳んだのだが、勢い良く飛ばされたので攻撃を喰らった様に見えていたみたいだ。
その光景を見ていた3人は、ユウマがやられたっと思いそれぞれ声を出していた。
「「ああ!兄貴っ!」」
「ユウ兄っ!?」
リンクとロンがユウマが攻撃を食らって吹き飛ばされたと思い声をそろえて叫び、アリアも何でと思い声をだして目を反らしていた。
丁度その時に、メイリが目を覚ましてアリア達の方を見てから、どうしたの?と首をかかげて闘技場の方へ目をやった。するとメイリ達のいる観客席のすぐ近くにいるユウマに、気が付き声をかけた。
「ユウ兄様!」
ユウマは、メイリの声に気が付き、そちらの方を見てから語りかけた。
「よっ!みんな目が覚めたか?」
「はい!で、ユウ兄様はなにを?」
「うん!只今戦闘中。まあ、おとなしく観戦してろ!」
メイリは、実はユウマが闘技場の端まで飛ばされたとは知らずに声をかけたのだった。そのユウマも、何事も無かったようにメイリと会話していたので、なんら不思議に思っていなかった。
また、ユウマもグラントとの戦闘のため、そちらの方を向きメイリに手を挙げて。
「じゃ行ってくるよ!」
メイリにそう言葉を掛けて、全力でそちらに駆けて行った。
常人には、一瞬消えた様なスピードで、今までそこにいたユウマが、突風とともにグラントの方へ向かって行く光景を見たメイリは、何が起こったか解らず目を《パチクリ》とさせて、みんなの方に向いて。
「ねーねー!アリアちゃんユウ兄様。すっごく速いですね!」
メイリがアリアに声を掛けた。
「へっ!えっユウ兄やられたんじゃ?」
「あうー!兄貴!あれ?吹き飛ばされてやられたんじゃねえのか?」
「へっ!ユウ兄貴?どうゆうこと?」
そう、このときアリアに続いてリンクとロンは、ユウマがグラントの攻撃を受けて吹き飛ばされ、そしてやられたと勘違いしていた。
しかしメイリは、ユウマがグラントに攻撃をされた時の事は、全く見ておらず目が覚めて闘技場の方に目をやった時には、平然と立っているユウマしか見てないので、何でみんなが《オロオロ》していたのかがまったく解らなかった。
グラントは、自分の前までやって向かって来たユウマを見てから。
「ほう!あの攻撃を一瞬の判断で、後方に飛び退くとはたいしたもんだ」
「いやいや、てかっ!何ですか?あの衝撃波は!?ちょっと後ろに避けるはずが闘技場の端まで飛ばすなんて?」
「ふん!俺としては、あんちゃんを壁に叩き付けたかったんだがな!」
ニヤッと、いやらしい笑みを浮かべ、グラントがユウマに言いはなち、ユウマもグラントにあんたの攻撃どんだけの威力なんだとお互い話していた。
「なら!あんちゃん今からは、お互い探り合い無しの戦いをしようじゃないか、どうだい?」
「いやー!痛いのは嫌なんですけど、しょうがないですね」
「よっし!なら第二ラウンド開始といこうや」
グラントが第二ラウンドを始めようと声にだしてから気を練り上げるように気合を入れだした。
第二章:第二十二話につづく
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