第十四話
すると一人の男性が愚痴を言いながら入ってきた。
「おいおい、ゼルド!客が来ているなら後でも・・・?」
男が扉を開け中を覗き込みながらゼルドに話しかけようとしてユウマと目が合い。
「うん?ユウマ殿、何故ここに!ここで何をしてるのですかな?」
覗き込んでからユウマと目が合った男性は、シルフィーの護衛騎士のレオン隊長であった。
「ありゃ!レオンさん、ちょっとぶりです」
レオンに片手をシュタッと、立てて挨拶をして。
ここにいる経緯と、現在の状況を説明して話した。
その後に、ゼルドも2人に対して説明をした。
「やはり知り合いだったか!少し前になレンドとグローリが戻ってきて報告を聞きいてな。その報告にあった青年と特徴が似ていて、もしやと思って話をしながらお前を待っとたんだ」
そう語った後に「がっははは!」と豪快に笑った。
それから、レオンを含めた6人で色々な事を語りあって。
そろそろ帰ろうと椅子より腰を上げた時に、また扉をノックする音がして。
「今日は、来客が多いいのお」
ゼルドが愚痴を言って。
「どうした?今度は誰が来たんだ?」
ゼルドのその言葉を聞いて、先程の女性が中に入ってからゼルドに近づいて小声で説明した。
「はい今度は、商会ギルドのマルクス様がお見えになっていますが。いかがいたしますか?」
「はあっ、わかったちょっと待って貰ってくれ」
ゼルドが溜息を吐き答えてから、こちらに振り向き。
「レオン!すまんが一緒に来てくれんか?」
何故かレオンに一緒に来てくれと、頼んだのできた。
「うん!どうした?」
答えたあとゼルドが小声で何かを説明してから了承して。
「ユウマ殿、すまん!ちょっと用事が出来たのでここで失礼する。後で冒険者ギルドで落ち合いましょう」
「あっ、はい!解りました。それじゃ俺たちはこれで失礼します。ゼルドさんもお仕事頑張ってください。それじゃ失礼します」
失礼しますと言って、少年たちと一緒にユウマも部屋を出た。
守衛所の建物から出たと同時くらいに、アリアとリンクが突然ユウマに向けて尋ねてきた。
「兄ちゃん!」
「お兄さん!」
「「これから何処に行くんですか?」」
2人が同時に何処行くのか尋ねてきて。
ユウマが、えっ!と思っていると今度は。
「お兄さん、出来ればいっしょに・・・!」
メイリがユウマのコートの裾を引っ張って。
上目使いでお願いしようとして、最後の方が聞き辛くなっていたが。
「うん!そう言えば君達は何処かに行きたい所があるんじゃないのかい?」
そこでユウマがメイリ達に逆に質問した。
「はい!僕達は冒険者ギルドに行こうとしてたのですが。行く途中であのガラの悪い大人たちに絡まれている所を、お兄さんに助けてもらったんです」
ロンが、事の次第を説明してくれてた。
また、先程の様に悪い大人にまた出くわすかも知れないと言う不安があるみたいだ。
何故、冒険者ギルドにと聞いたら。
全員の年齢が13歳になったので、幼馴染の四人でギルドに登録して身分証をつくり、ギルドで依頼をこなしつつ、色んな所を旅して回る予定だったそうだ。
ユウマは何故と思いながら。
そう言えばこの子達、特に女に子は名前の後に家名を名乗っていた事を思い出し。
もしかして良い所のお嬢様なのではと思ったのと、神の使徒と聴いた事を思い出して尋ねた。
「ねえ、君達もしかして貴族か何処か良いとこの子なのでは?あと神の使徒って?」
この質問にアリアが驚いた顔をして。
「えっ!何で解ったの?そんな事話してないのに」
「何で解ったのって?名乗った時、家名を言ってたよ?特にアリアとメイリ。それに神の使徒に関しては、ガラの悪い男たちが言ってたから!」
するとアリアが「あっちゃー!」と、手を頭に置いてから言った。
「お兄さん!今は見逃して、そして黙ってて!お願い」
アリアが手を合わしてウインクしてお願いしてきた。
まあ、言いたくないなら、べつにいいけど。
ここ守衛所の前で話すような事でも無いので、取り合えず冒険者ギルドに行こうと促した。
すると何故かアリアたち全員が顔を見渡して。
にこやかに笑顔を向けて「ありがとう!」と言ってロン以外3人が飛付いてきた。
第二章:第十五話につづく
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『どうやら、俺は子供に好かれる体質なのか?』
この時そう思っていた。




