第十一話
それに緑色の肌色の人種には会った事が無いし、女神であるフィーナ達に聞いただけなので、ホントかどうかは解らない。ついでに言うとアーストリアに昔いた魔族は、気の性質も極悪な感じだったとかで、その事も教えて貰ったのを今頃思い出した。
「・・・確かマリエル様の加護してる大陸に生き残りの魔族が居るとか言ってたけど、実は実際に俺自身見た事ないしな。それにフィーナの話じゃ、俺が会った事がある灰色の肌の人種が、今の世の魔族との混血の人種だとか言っていたような?」
まあ正確には魔族の事を説明してくれたのは、殆どはマリエル様であり、俺自身が実物の純粋な魔族を見た訳ではないし、フィーナとシルク様の話ではアーストリアの世界に住む魔族は、殆どが多種多様な混血の人種らしく、肌色も赤や紫がかった色の亜人種や普通の感じの肌色の人種、それに唯一俺の知っている灰色の肌色の人種で自分達で魔族と言っている人達だけだった。
それで現状俺が少し離れた位置から覗き見ている感じでは、その場所には緑色の肌の人種が20人程確認出来るのだが・・・・?様子が変と言うより、騒がしい感じである。ただ先程も言ったとおり何を喋っているのかが、さっぱり解らん何故なら『ガガ』とか『ギギ』とか、まさしく緑小鬼とかが使う言葉を話していたからであったのだ。
「・・・おい、ホントにゴブリンとかと同じじゃないのかな?言葉が全く解らない。ただ、やっぱりあいつらから感じる気に関しては・・・モンスターか魔人族に近いんだよな?」
一応その集落みたいな場所から少し離れた森の中に隠れ、念の為に気配を消して集落の中の様子を確認している。意識を集中する事で、今迄は微かしか気の感じが解らなかったが、現状はっきりと解る状態だ。
どう考えても、緑色の肌色の人種はゴブリンや魔人族と似たような邪悪な気の性質であり、魔獣等と同じ種だと言われても信じれる感じの気質だったのだ。
「それに良く見たら、緑色の奴らだけじゃなくて・・・色黒の奴も・・・ん?」
先程20人の中に何人かマトモな気の持ち主がいると思っていたら、全く別の種族がいる事が解った。しかも肌色が小麦色に焼けた奴や茶色っぽい奴がいる事が解ったのだ。
それに先程感じていた4人程の神聖な気の持つ主が、何者かなのかも・・・この場からでもはっきり確認出来たのだ。
まあ恐らくではあるのだが・・・アーストリアに住むエルフ達、特にエリーゼ達に似た感じの風貌の人物達が、縛られ檻の様なモノに入れられている事が確認出来たのだ。ただ違うのは放たれている気質が全く違う感じの気であり、俺の良く知っている娘達に似ているのであった。
「・・・どうなってんだあれは、捕まってるのか?それにあの人達のあの耳と綺麗な顔立ちは、エルフに似てるな?でもなんでだ・・・それにエルフだとしても、エリーゼ達と違う感じなんだけど?それにこれって・・・」
そう俺の知っているエルフであるエリーゼ達は、確かに耳はとんがった感じで、種族全員が綺麗な顔立ちをしていたし、年長者でもそこまで老けている人もいない種族だった。それに近い感じの姿なのだが、気の感じがまるで違う。
そうエリーゼ達エルフは自然と同じ感じの気質で、どちらかと言うと聖霊に近い聖なる気の持ち主ばかりだった。
対してこの場で俺が確認出来る4人の檻にいれられているエルフみたいな者達は、神界に住むミアちゃん達守護天使達と同じ様な気質の持ち主だった。
「どうなってんだ。この気の感じは?俺の知ってるエルフと違う・・・それになんで捕まってるのかが不思議だ。気の感じでは、あの4人の方が強いのに・・・」
実はここに来るまでの間に、神聖な気の持ち主である4人の気も感じてはいた。どう考えても神聖な気の持ち主であるエルフのような4人方が周りにいる緑色や褐色の肌色の人種達より上だった。
ただ納得が行かなかったのが4人の内の2人の殺気が、俺が感じていたマトモな気の持ち主である褐色の肌の者達に向けているのだ。
しかもよく見ると褐色の肌色の人種も、同じ感じのエルフみたいな種族である事も確認出来た。
第十三章:第十二話につづく




