第五話
流石の俺も今回のこの状態には、手の打ちようがない状態あるが・・・どうしようもない事は言うまでもない。
「これは、いよいよを持って最悪な状態では?てっいうよりこのままじゃ、みんなに心配をかけてしまうのでは?まあ、連絡を付けようにも方法が思いつかない。流石にどうしようも出来ないけど、誰か気付いてくれれば・・・」
実際に俺が作業をしていた近くにはアリアとユイカが居たし、それに後からリンカ達が昼飯を持ってくるはずだから、そこまで心配する事は無い筈だ。
「うん、そこで俺がいない事にみんなが気付いてくれれば・・・俺を探し出してくれるとは思うが、不安だけしか感じられない。何故か・・・」
せめてスキルの中でも殆どの場所で連絡が付けられる【魔導次元通話】が使えれば、女神で我が妻であるフィーナや時の女神メルティナである我が妹のティナに連絡を取る事が出来るのだが、今現在はそれすらも困難と言うより、全く持って連絡出来ない状態だ。
それでもあの場所で、現状俺の姿が見えないと気付いてくれる事を願うばかりだ。そうすればある程度は俺も安心できるし時間はかかっても俺の事を見つけてくれるとは思う。
ただ問題なのは、ここがどこで?アーストリアと同じ次元の世界の中かと言う事ぐらいだ。確か以前ティナにある話を聞いたら、アーストリアの時間軸はそもそも地球での時間軸とも違うらしく、大体地球との時間差が5倍くらい違うらしいのである。
早い話地球での1日が、アーストリアで5日間経つ事を教えてくれた。ちなみに他の世界でもその事が確認出来ているらしく真ベレステリア神聖星どもアーストリアの時間帯との誤差が少しばかりあるらしい。
それは約半日程度なのだが長い時間滞在すると、かなりの差がでてくるらしいのである。
そんな事はさておき・・・先程からイヤな予感がするのは気のせいではない様に思えてきた。何故かというと、なんとなくではあるのだが、もしかしたら気付いても何もしてくれないかもと、少しばかり不安になってきたのだ。
何せ以前の時も時間軸の違う空間の世界であったので、実際に俺の素が消えた事は解っていたみたいだが、いつもの様に気まぐれで、どこかに瞬間移動で行動したと思われている様な・・・。
「確かあの時も、俺が戻って話をするまでは、その事に気付いてなかったもんな。しかも1週間ほったらかしで・・・」
前回俺が別の場所に強制転移か召喚で居なくなって、1週間も音沙汰も無いのにみんな平然としていた。俺としても1週間も時間が経っているとは流石に思わなかったが、それでも不審に思ってくれてもいいと思う。
そう場合によっては、俺が今いる世界の時間帯が早いか遅いかで、また違う話になってくると思う。この世界の時間がアーストリアと同じか、もしも早い場合は然程心配ではないが、もし遅い場合は大変な事になりかねないからである。
そう早い場合は俺だけの問題だが、遅い場合はその単位しだいでは俺だけが歳をとらずに、みんなが歳をとり下手をすると女神であるフィーナ達以外は一生会えなくなる恐れが・・・。
まあそんな事は無いと思うが・・・この事に関してはあまり考えない様にしよう。その場合は早く俺を見つけてもらう事を願うばかりだ。
第十三章:第六話につづく




