第二十六話
だが今回は悪さをしていたアホな貴族達もだが、攻め込んできたドルイド王国の貴族軍達も、ちょうどその災害の中に乗り込んで来たので被害に合い。シルフォードでの食料をあてにしていた様だが、それにも有り付けずにいた。
そのため街にある建物等は不思議と、全く破壊活動等も行なわないままいた。それどころか食料と水を求めて、その全員がいつの間にか、どこかに消えて行たのであった。
正確に言うとシルフォード公国の城を出て然程移動せずに、跡形も無くどこかへ消えてしまっていたのであった。
それで数日後には既にシルフォード公国には、今回の元凶である貴族達が居なくなってしまったのだが、殆どの住民が戻ろうとしない現状だった。まあ実際にシルフォード公国をそのままにする訳には行かないので、この際どうにかしないといけないとは考えている。
ちなみにこの神聖霊街に移り住んできている者達は、ちゃんとこの地に認められた者達ばかりなので、既にこの地に住み着く事を決めているそうだ。その事に関しては現状どうでもいいのだが、流石に誰も居なくなったシルフォード公国をそのままにする訳にもいかないので、どうにか対処する事にしたのだ。
まあ実際には元のシルフォードに居た住民の4分の1の人口が、神聖霊街に移り住んでいるので、その分はどうにもならない。何せ王様であるフィルベルトさんと王妃であるシャロンさんが・・・シルフォードに戻る気が全くないうえに、王位をいつの間にか自身の息子であるシルヴァ義兄さんに譲り渡していたのだ。
実際にその理由がなんとも言えない・・・その理由はこの神聖霊の国の居心地がいいからだそうだ。温泉はあるし自然が豊なうえに騒動などがいっさいない、とどめには面倒事を起す貴族がいないからだそうだ。
まあ王位をシルヴァ義兄さんに譲ったのはいいのだが、それでも他の住民がシルフォードみに戻れるようにしないといけない。実際シルヴァ義兄さんも渋っていたが、自身の嫁であるファティ義姉さんと兄妹達に説得されて仕方なく王位を継ぎ、シルフォードに戻る気ではいるが・・・殆どいやいやな状態のような気がする。
・・・そんなんで大丈夫なんだろうか?と思う今日この頃の俺であった。
実は少し前の事であるが、ホントの内緒話なのだが何度かシルヴァ義兄さんに王位を代わってくれとお願いされた。
だが!しかし!!丁重にお断りしたのである。何故自分から厄介事の多い王位を継がなくてはならないのか、元々その権利も無いのでお断りしますと答えてといた。
大体王様とは名ばかりで、何不自由なく生活は出来るが、その他に関しては奴隷と変わらない。下手をすると奴隷よりタチの悪い役職だからであるからだ。
そんな事を抜きにしても、自由気ままに生きていきたいので何度頼まれても元からヤル気は無い。ついでに言うとこの神聖霊国と密かに言われているが、別に国王がいる訳でも領主が居る訳ではない。現状この地にいる各種族の長を決めて貰い、その人達に政治に関する運用をお願いしているのだ。
俺達の居る中央の島に関しては、その限りでは無い事をちゃんと伝えてるうえに、もちろん学園都市も別モノとしているのだ。
その事より今はシルフォード公国をある程度は復旧させて、元に近い状態に戻そうと俺達は行動に出たのだ。
まあ早い段階で噂を聴き付けて、他の街にに居た常識のある貴族達はある程度してから戻って来ていたが、流石に流通が停止しているのを確認した途端、また避難していた街へと戻って行った。そう、まだ本格的に戻って来ている訳ではないようだ。
ちなみにウチの子達がやっていた店舗に関しては全て回収しており、実はいつでも再開が出来るようにしている。だがこの際だから問題自体が無くなったので、元の場所に戻そうかと考えてる。
実はフィルベルト義父さんと大臣達から、今回問題を起した貴族達の中にあの土地をめぐって問題を起していた者が含まれていたそうで、その重要な資料を見つけ全てが計画的に行なわれていた事が解った。そう最初はドルイド王国の王子に問題の貴族達が取り入ろうとしていたが、その話を持ち掛けた貴族達が肝心な事を話してなく、全てが白紙の状態になっている事が判明した。
早い話、俺達が住んでいた場所の土地を購入すれば、ドルイド王国から多大な謝礼を貰える事を期待していたようだが・・・どうやらそれは叶わず自分達で多大な資金を作らなくてはいけない状態になっていたらしい。それで今回の件を思いつき、ドルイドに居る貴族達にも協力を煽っている間にドルイド王国は貴族制度を無くす制度を確立していて、ドルイド王国の貴族達は身を置く場所が無くなった為にシルフォードに攻め入って来たという訳だった様なのだ。
なので今回の件に関しては、無かった事にして欲しいとの相談を受けたので、それらを全て了承した。
・・・大体こんな事になるんだったら、屋敷とか神殿を移設せずに、新しい建築物を建てればよかったと思ったが、ホントに今更なのでどうこういう事は無い。なので店舗をあの場に移しす事にしたのだ。
実際にあの場所の冒険者ギルドが無くなったので、その事を思いついたのが本音である。
ついでに言うと元々納得してシルフォードに残っていた者達は、一旦は他の場所に避難していた状態だったが、あくどい事を考えていた貴族達が、何所かに消えてしまったと言う噂が広まり徐々にではあるが、その人達も戻ってきている状態だ。何故あくどい考えをしていた貴族達が消えた噂が流れたかは、実の事を言うと俺が流したのである。
元々みんなが避難した理由も、実を言うとあくどい考えを持った貴族達が、王族は疎か大臣や良識のある人々を監禁して、私利私欲な事をやろうとしており、それだけでは飽き足らずドルイド王国の落ちぶれた貴族達を招き入れようとしている。何て言う情報を流していたのだ。
それを聞いた者達は早急に他の街に避難していたということである。その時にある事無い事、物凄い速さで噂が流れ関係ない貴族達の面目も丸潰れ状態だったのであった。
あと魔導騎士学園に関しては、現時点で復旧の見込みは無い状態だ。元々は優秀な子供達に学ばせる事が目的だったのが、いつのまにか何の能力も無い貴族のボンボン達が学ぶ学園となっていて国の方針とは別モノになっていたのが現状であった。
まあ中には優秀な生徒はいたのだが、現状どう言う扱いになっていたかは解らない。だが今回新たに神聖霊国に開業させる学園都市の各学園に入学させる為に、募集ついでに優秀な教育者も募る事にしているのだ。
まあ、実際試験は無いが転移門がある場所で、入学を願えば学園都市に設置している転移門ゲートに転移できる様にしてのだ。ただし、その学園都市に来れたら入学可能であり合格という簡単なシステムにしたのだ。
そして、その設備にある受付で、どの教育学科に進むか決め学んでもらうシステムにしたのである。
当然あくどい考えを持つ物や常識がない者はこの場に来る事すら出来ないのであった。もちろんそれは生徒達だけでなく、教える教官や教員に関しても同じ事である。
それに今迄にも他の場所に居るであろう優秀な子供達を、無条件で招き居れるので今後優秀な人材が育つ事を願うばかりだ。
あと冒険者ギルドに関しては、予定どおり中央付近にギルド会館を建設しており、そこではギルド職員が多数とフィリアさん達が既には運用を開始しており、その人材はもちろんこの場所に来る事自体は問題なかったのだが、一緒について来ようとした商人や冒険者達がある人物以外が、殆どこの場所に来れず無理な状態だった。早い話神聖霊の森であるこの場所に嫌われてしまったと言う事なのだろうと思う事にした。
神聖霊国での学園都市の運用や冒険者ギルドでの活動が、安定し出して数ヵ月後には一応ではあるが、シルヴァ新国王が頂点に立つ様になり、新体制の新シルフォード公国は以前以上に発展していたのである。実際そこには以前は多数の貴族や無法者が沢山いたが、現状その者達は神聖霊国と同じ様に厳しくなり、入国自体が許されない状態になっていたのである。
まあ殆どがそのシステムである結界を張る作業をさせられたのは俺なのだが、ただし神聖霊国の様な強力な結界ではなく、ある程度は緩和させたモノではあるがそれでも犯罪者は殆ど入れない状態になっていたのであった。
第十三章:第一話につづく




