第二十二話
実際は深刻そうに話していたが、フィリアさんは噂が本当か嘘かとかは関係なく、俺が以前相談した時点でこの場所での冒険者ギルドの営業を別の場所に委託して、この場所は解体するつもりだったようだ。
それに後からヨーコさんとホノカさんから聞いた話によると、結局は一番俺が話た内容に乗り気だったのはフィリアさんで、その話を俺が持ちかけた時点ですぐさま手続きやら色々と行い、新しいギルドに連れて行く人選を選んでいたそうなのだった。
なんやかんや俺が来る事を待っていたそうなのだった。結局は後日新しいギルド会館の図面を、ホノカさんに届けてもらう事にしたのだ。何せ1からご要望どおりの建物を建設するので、若干時間がかかる予定なのだ。
それから俺は一旦ミーア達の様子が気になり、どこにいるのか捜す事にしたのである。
「それでっと!ミーア達はどこにいるのかな?」
ぶらぶらしながら、近くにいた人に道を訪ねつつ貧民街の方にやってきたのだが、貧民街と言われる割には、かなり街並みも綺麗だし、どちらかというと農場関係の土地が多いような・・・畑もいっぱいあるし何故にここが貧民街?どちらかと言うと農家と言った方が良く無いか?それにここって丈夫な防壁から離れてるな、まあ一応は壁みたいなの遠くにあるが・・・。
周囲を眺めつつ今居る場所の状況を確認して、奥へと教えられた道順で進んで言った。ただやはり街というより・・・。
まあ、それはおいといてだ!ミーア達はっと・・・。結局のところミーア達を見つけたのは夕方近くだったのだ、しかも2人とも、汗だくの泥だらけだったが清々しい笑顔だったのだ。
何故2人を直ぐに発見出来なかったかというと、この貧民街と言われる農場のある場所は、トンでもない場所だ何せ色々な食材が手にはいるうえに、働いている人達はみんないい人だしかなり安く譲ってくれるので夢中で買い物をしていて、それで2人に見つけ会ったのが夕方という風になったのだ。
早い話俺はこの場所の魅力に気付き、入浸っていたのだ何せ新鮮な野菜や果物、それに加工した獣の肉や魚等色々と物色して購入していた。
まあ元からミーア達とは約束していた訳でなく、俺が暇になったので捜しに来ただけではあるが、それでも俺は時間をかけすぎた。
しかしミーア達はそんな事は無く、何でも捜していた子達は直ぐに見つける事は出来たらしいのだ。それからどうやら一緒に畑で仕事をしていたそうだ。
それで今回確認して貰った事と俺がギルドで聞いた内容にも、実は少し違う内容がある事が判明した。実際は孤児院は間違いなく無くなっていて、そこに住んでいた子達は畑を作り自立して生活をしていたようなのだ。
しかも子供達だけで、それにあの資料に出ていた青年らしき者とシスターは、実際には存在しておらず全て子供達のでっちあげた内容・・・いや、ちょっと違うな自分達で決めて、最年長の娘が音頭を取って生活していたようなのだ。
・・・かなりというか相当優秀な子達だと言う事が判明した。ついでに言うと最年長でミナ達と同じ歳だと言う事も判明した。
それらをミーアとシロンが詳しく教えてくれたのだ。ついでに俺が頼んでいた自主退学を行なった子達の事情に関してはちゃんと聞いてくれていた。
「うん、その事なんだけどね。お兄ちゃんどうやら全部話が違うみたい、自分達で退学する話はしてないんだって、ついでに言えば物凄い金額の請求をされたから自分達の育てた作物を収穫してるんだって・・・」
「はい、なので2人で手伝っていましたの。それとこの事はお父様に報告しようと思いますの。この場所が噂どおりの貧民街等とは違い、とんでも無い程に新鮮なお野菜等が豊富にあるのですよ。それをどうやらある商人と貴族が格安で買取横流ししてる様ですの」
結局のところ・・・今回の調査の件が全てにおいておかしな状態になっている事が判明した。
それで結局シロンも連れて、一旦は俺達の自宅である神聖霊の森の神殿に戻ると、そこには既に帰宅していたシルフィー達と何故か王様達と大臣の一部の人達がこの場に訪れていたのである。
「これはいったいどう言う事だ?何故に皆さんがここにいるので?」
俺は不思議に思いシルフィーに視線を向けて、その事について確認すると・・・・。
「実はユウマ様!今回の件でどうやら先手を取られてしまいました。それで他の者を傷つける訳にも行かなくて、申し訳ありませんがここに逃げてまいりました。申し訳御座いません・・・」
シルフィーは今回の計画が上手く行かずに、シュンとして落ち込んだ表情を見せた。まあこの件に関しては既に計画を立てられていたので、恐らく今回の騒動を待っていたのだろうと思う・・・なのでしょうが無い。
それにしても行動が早く無いかと思うが、ギルドでしいれた情報を聞いた限りでは、そうでもないかもしれない。事前に準備をしていて今回のタイミングってところかな?
それで一応他の人に詳しく話を聞くと、どうやら俺達が暴きだした貴族達の企みの内容の書類を提出する事により、それに関わった貴族達を追求する事になり、その場での会議自体は早急に終ったらしい。
その後直ぐに関わっていた貴族達を召集を掛けて新たな会議を開始して追及したのだが、結局貴族達はその企みを嘘八百を並べ否定して続けたが、最終的にシルフィーが隠し持っていた名簿を提出する事で貴族達の嘘がばれたのだ。だが、その内容に関しての考えは変わらず、こちらを批判しだし、最後には自分達の私兵に城を攻め込めさせて来たそうなのだ。それで結果的にその貴族達を交えた会議中に暴動が起きて・・・というより故意に起された感じになり、王様を含む大臣達は早急に逃げ出し、城に滞在していた騎士達も何がどうなったのか解らず王様達と共にこちらに逃げて来たそうなのだ。
それと、まあ事前にキュリカさんが王族関係者をこちらに避難させた事により、犠牲者を出す事なく王城を脱出する事が出来たらしいんだ。
「まあ、いいんじゃ無いか!そこはもうほったらかしで・・・。それに実は色々とやりたい事が出来たからそちらを優先で・・・」
まあ俺が考えていた事といえば、貧民街と言われる農場の場所の住人に移住の相談をする事だ。実はあの後色々と周囲を確認するとあの辺り一帯を全てを転移させても問題無い事まで調べている。ただしそれにはみんなの同意が必要なのだ。
それは今後進める計画の一部として考える事にし、今回はとりあえず今関わってる案件に集中する事にしよう。
それで後日またシルフィー達がもう1度今回の件に関わる事の全てを、神聖霊の森の中央の島にある城で調べると、おかしな事実が判明したのだ。どうもいつの間にか運営が国主体ではなく、全てが貴族が中心的に政治が行なわれているの事が判明した。そのうえ貴族達は公国自体を乗っ取る気でいる事まで判明していて既に3分の1は掌握されている事までわかったのだ。
ちなみにこれらの書物全て一式は、俺が密かにそれえた物とシルフィーと王様に頼まれシルフォード城の書庫に侵入して持ってきたものだ。それと既に城の中は、殆どがアホな貴族に乗っ取られた感じではあったが王様達がいなくなった事を必死で探し回ってる状態だった。
それで引き続き調査していると、どうやら1年後ぐらいにドルイド王国が攻め入り、王族を根絶やしにする計画まで立てている事まで判明したのだ。
この情報は城に残っていた騎士やメイド、それに一部の大臣達であり、実はその人達は牢屋に閉じ込められていたのであった。
第十二章:第二十三話につづく




