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第二十一話

 それで【瞬間移動(テレポート)】で向かった先とは、冒険者ギルド会館の前に建てた店舗であり、そこの食堂兼カフェの方でミーアは俺達の到着を待っていた。

 もちろんシロンは王族だとばれない様に、冒険者の格好で外套を纏った状態だ。

 それに念の為にミーアや他の子達にも渡してある物と同じ、特殊な魔導具と装飾品を渡してある。まあこの国の中でならそこまで心配する事はないが、念の為渡しているのだ。


「あっ、お兄ちゃん!それにシロリンもやっと来た!!待ちくたびれちゃったよ、もう・・・」

 ん、シロリン?なんだその呼び方は?まあ、確かにシロンの名を直接呼べば直ぐばれるだろうが・・・。まあ、いっか!


「ごめんなさい。ミーちゃん!それでは行きましょうか・・・」

 ・・・シロンは、こういう場合はミーアの事はミーちゃんと呼ぶのか?なるほどなるほど!それはいいとして・・・。

「2人とも!例の事は頼んだからな。それとあまり遅くなるなよ!」

 俺の言葉を聞き2人は元気良く、貧民街がある方へ駆けて行ったのだ。


 それで俺はというと、まず最初にカノとリリアに話を聞くために、商品を販売している店舗に向かった。


 結果的には・・・・。

「・・・はい、今朝方ユウマさんに聞かれた時にも話したとおり、やはりその様な話は来ておりませんね。その様な依頼書もやはり無いです。ましてや他の者にも確認を取りましたが、誰も知りませんでしたね」

「ええ、ただ国の関係者がウチでは無く、確か貴族街の貴族御用達の販売店に多数の品物の発注をしていた噂を聞きましたよ。運搬業者の方が教えてくれました」

 どうやら俺が見つけた資料に関しては、かなり偽りがありそうだ。リリアの情報では貴族御用達の販売店が貴族街にあり、そこから大量の品物が各学園に納品されているようなのだ。


「うん、解った!ありがとう。これは今回の納品の品と、あと倉庫にも入れとくから暇な時に確認しといてくれ・・・」

 そう答えて次の場所へと向かったのだ。


 俺は向かいにあるギルド会館の前に立ち、ある違和感を感じた。

「あれ?いつもと雰囲気が違うような?」


 いつもこの朝の時間帯なら冒険者が行き来している筈なのだが、今日に限ってその姿が見えない。それどころか先程も気付かなかった食堂と店舗にも、その冒険者の姿がいつも以上に少なかったような感じがした。

 その違和感はギルド会館内に入る事で、ますます感じる事になったのだ。

「・・・・これはいったいどう言う事だ?」


 ギルド会館の中には、冒険者どころかギルド職員が全く見当たらず、受付にも受付嬢どころか案内カウンターにも誰も居ない状態なのだ。しかも商会ギルドと宿舎、それに食堂に行く通路も閉鎖されている状態だった。


「えっと、どう言う事だ誰もいないしな。あっ、なんか案内カウンターに・・・・ふむふむ!これはなんだ?えぇとなになに、御用のある方は呼び出し板に魔力を込めてください。なんじゃこりゃ?」

 案内カウンターには人がおらず変な板が置かれており、説明書きが書かれていた。


 とりあえず書かれているとおりの事をすると、奥から1人の職員らしき人が出て来た。ただその人物は俺も見た事無いし相手も俺の事を知らなかった。

 一応その人と話して、ギルマスであるフィリアさんの居る執務室へと連れて行って貰った。どうやらいつものギルマスの部屋でなく、ギルド会館の一階にある一室に案内されたのだ。

 ますます訳が解らない状態になっている事がこの時点でも判別できるが、まあ、このギルドの最高責任者であるフィリアさんに話を聞かないとなんとも言えない状況だ。


 それで執務室に俺がやって来るなり、ギルマスせあるフィリアさんの愚痴を聞かされた後に、ある事実まで聞かされる事になった。

「・・・っていう事なのよ。それでこの有様よ!これはいよいよもうここ閉めちゃって、あんたが言っていた計画の話にのって、そっちにさっさと行こうかしら?」

 どうやら変な噂が先走り、冒険者の殆どがこの地より去っており、現在このギルドが機能していない状態だそうだ。あれ?なら職員の人達は・・・?まあ、後で聞いてみよう。


 しかしその変な噂なのだが、あながち間違いではないような・・・。まあ今現在シルフィー達の頑張り次第では噂の範疇で良い方向に終る案件なのだが、ここまで噂が広まってるとは考えもしなかったし、このままでは再起不能になるのでは?。


 それで今、俺の目の前ではフィリアさんと、サブマスであるヨーコさん、それにホノカさんが座って各々違う事を行なっている。

 フィリアさんは俺の方を見た後に再び黙り込んで考え事をしだし、ヨーコさんは俺が説明した王都内にある学園や孤児院についての問題と回復薬についての問題を手元の資料で確認している。

 ホノカさんに関しては、以前俺が話していた冒険者ギルドの件、そう神聖霊の森の居住区に建設する内容の書類の確認をしている。

 これに関しては当初の予定では、あの区域に来れる人間が限られているのと、殆ど人員が居ないのを考えての計画なので出張所みたいな小さなモノを考えていたのだが、いつの間にかフィリアさんからの物言いがあり、ホノカさんがこの計画の責任者みたいな事になっているのだ。それで今はこの場でその資料を確認している状態だ。

 まあ恐らく直ぐにフィリアさんに承認を貰うつもりなんだと思うが・・・。


「えっとですね。ユウマさん!やはりギルドに納品していただいた回復薬関係も、学園の方に納めた記録は無いですね。ただ複数の生徒が購入に来ていた記録があります。まあ殆どが冒険者登録をしている子達ですけどね。基本的に冒険者にしか販売してませんから、それと孤児院の方ですけど・・・」

 ここで驚きの情報をヨーコさんから聞かされた。実は既に孤児院である施設は、かなり前に無くなっており今では元孤児院での雑用をしていた男性と、教会に勤めていたシスター達が個人的に子供達の面倒を見ているそうなのだ。

「・・・てっ、えっ?孤児院ってもうかなり前から無いの?ならなんで今も孤児院への補助金が支払われてる事になってんだ?」

「えっ、そうなのですか?確か孤児院を廃止した理由はですね。・・・えっと、孤児の子が居なくなり自立したからと、魔導騎士学園に入学して寮住まいになった為となってますね・・・」

 ・・・はいぃぃ?何だそりゃ、話がむちゃくちゃな事になって無いか?確かにミーア達が入った学園には孤児の子達が異例で多数入学できたはずだ!だが結局はお金が無い理由で自主退学みたいな事になっている。ただ今ヨーコさんの話を聞く限りでは、孤児院自体はかなり昔に無くなっており、今では孤児院自体既に存在すらないらしいのだ。

 それなのにある貴族は孤児院の補助金を着服し、そのうえ入学した筈の優秀な子達(身寄りの無い子達)の脅して自主退学させ、その子達の教育費と新たに貴族の子達を編入させ、その寄付金をも懐に収めた感じになっているのだ。

 ・・・どこまであくどいのやら、しかしまさかそこまで腐った貴族がいるとは、まあ、どうやらそいつが魔導騎士学園の学長兼理事をしているようだが、既にもう先が無いよなその貴族は・・・。


 それで色々と話を進めていくうえでフィリアさんは、冒険者ギルドのシルフォード支部を無くす事にしたようだ。この時驚いたのがこの王都にある冒険者ギルドが本部なのかと思ったら違っていたと言う事だ。

「えっ、ここってギルド本部じゃなかったんですか?」

「何を言ってるのよ!ここは本部って訳じゃないわよ。実は・・・」

 なんでもギルドの大元締めはどこかは不明なのだそうだ。元からギルドシステムは確立できていたらしく、役員はギルマスであり殆どを各地で行なわれる会議で決めていたらしいのだ。なのでギルマス任命でその支部が確約出来るらしいのだ。

 ちなみにこの王都には、実は冒険者ギルドは3箇所ある事をこの時に俺は知ったのだ。一つは貴族街にあってこことは別の系統であり、もう一つはちょうど反対側に位置する場所にあるらしいのだが、元はこの場所のギルドが大きすぎるので他の二つは目だって無いらしいのであった。


 それで結果的には現在この場所にあるギルドは解体してもう一つのギルドと一緒にする為に、進言書を城に提出していて、貴族達が運営しているギルドと完全に切り離すそうだ。元々から貴族達の管理するギルドは、完全に別モノらしいなのだが、最近その貴族達が運営するギルドがおかしな動きをしているようで、今回の件で一つに統合する事にしたそうだ。

 それでこのシルフォードにいる冒険者を接収する事になるそうだ。実はかなり前からそうする様に、決めていたそうなのだ。


 そこのギルマスも毎回ギルマス会議には出席しているのだが、何分ギルド全体の勢力が弱いので殆ど目立たない存在だったが、そこにフィリアさんは全てを任せる事にしたようなのだ。

 それでとりあえずはそこが、このシルフォードでの冒険者ギルドになるので、職員も現状居ない状態になっていたという訳だった。聞きそびれていたけどそう言う事らしい。

 それに他の冒険者達も全てが噂でこの場にいないのではなくて、基本そっちに行っているのが殆どなのだそうだったのである。


 結果的に元よりフィリアさん一同が、俺が開拓した場所である神聖霊の森の居住区へ移り住みギルドも新たにその場所に移転をする事にしていたのであった。

第十二章:第二十二話につづく

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