第五十話
何故エリーゼに相談しようとしたかというと、理由は簡単!以前この神聖霊の森にある湖の水を召喚した実績があるからだ。あれは早い話・・・この大地の地下深くにある水脈より、水に関する聖霊の力を借りて水を召喚して溜めたからだ。
ついでに言うとその水には浄化の力と聖なる力が加えられて、とても神聖な聖水として召喚して湧き出ているものだ。しかも今現在もその効力を失わず、こんこんと湧き出しているのだ。
ならお湯もその方法で召喚して、湧き水の如くお湯を出せないだろうかと考えたのだ。それでいつもの場所にいるエリーゼを捕まえ話しかけ説明した。
「・・・・それでなエリーゼ!以前やったみたいに、地下にあるかも知れないお湯を、ここに召喚って出来ないかな?ちょうどこの地下深くにあるであろう地脈の、そのまだ地下深くの下辺りとか、そんでお湯なんかもないかなって思ってな」
俺の考えでは・・・あの聖霊の森の地下にはドロドロに溶けた溶岩の池があるぐらいなのだから、似たような高温の溶岩、マグマのような池があるはずだと考えた。それでその近くを通る水脈か何かで水が温められていれば、なお問題が無いと考えていたのである。
それにもしかしたらこのアーストリアの星も、地中深くにはマントルとかプレートなんてモノがあり、中心部には核があり、その側にはもちろん高温のマグマが流れているのでは無いかと思ったのだ。まあ後で知ることになるが、実はアーストリアの星の中心には核はあるが、マグマのような高温の液体は流れて無い事を女神であるフィーナに教えて貰う事になるのだ。
そして、マグマの代わりにエナジーライフといわれる、魔素を多く含む未知の液体が流れている事を教わるのだった。
まあその事を知るまでは、やはりここは地球と違って火山のようなモノが無いので、望みが薄いとは思ったがかなり地中深くなら問題ないのではとその時は考えていたのである。
それに実際湖に注がれている水はエリーゼに確認したら、地中深くの綺麗な水を召喚して今ではその場所からのルートが自然と出来ているらしい。まあ事実、俺なりに確認済みで、確かにかなり地中深くの水脈からの水である事は解っている。
ただ問題はやはりその時は、溶岩のようなモノは確認出来なかったし、殆どが水脈か魔力の通った変な液体の流れがあるだけだった。
それで、最終的なエリーゼの答えは・・・。
「ユウマ様、その方法というより、そもそもそのヨウガンという液体のモノは感じられませんし、恐らくそこまで深くの水を召喚するのは無理だと思われます。第一どこにその高温のお湯があるか解ら無いですし、そのように確定したモノを呼び出すこと事態、少し難しいと思われます。ただ方法がない訳ではありませんが・・・」
俺はエリーゼの話を最後まで聞かずに、他の方法を考えだしたのだ。
「ああ、そうなのか・・・無理なのか?う~ん・・・それなら他の方法を考えないと・・・」
なるほど地下深くにあるモノで確定できないモノは召喚できないのか、ならどうしよう。参ったな他に方法を考えないとな・・・ん!?あれ、そういえばさっきエリーゼは最後に『方法がない訳ではない』って言ってなかったか?
とりあえず確認をする為に、もう1度エリーゼに声をかけた。
「なあ、エリーゼ!他に方法がホントにあるのか?」
もしかしたら聞き間違いかもしれないので、念の為聞き返してみた。
「はい、まあ多分大丈夫だと思いますが、それには恐らく火属性の聖霊と地属性の聖霊か妖精の力を借りてみないと解りませんが、その二属性の聖霊に力を借りれれば、もしかしたら可能だと思います。それでまあ土属性のの妖精とのコンタクトはシャナが出来ますけど、火の妖精の方はちょっと無理ですね。最近その属性の妖精は見た事がありませんし、知り合いにもいませんので・・・。まあ誰か契約している方がいれば問題ないかと、それにやはりこの近くには・・・」
そうエリーゼの回答が返ってきた。それはあきらかに諦めるか、その属性の妖精と契約している者を探すようにしないといけなくなったのだ。
なるほど確かに水の召喚は、水属性の妖精と契約しているエリーゼだから簡単らしいが、俺が考えてるような温泉のお湯は土属性と火属性の妖精か聖霊の力が必要みたいだ。ただエリーゼの説明では肝心の火属性の妖精か聖霊の契約者が知り合いにいないと言う事らしい。
もしいたら複数の聖霊の力を借りて、俺が説明した様な環境を故意に創り出した方が早いし簡単なのらしい。まあ早い話、単純に考えたら火と水の力でお湯と普通に考えるが、それではただお湯か高温の蒸気や、下手をすると消滅の力が働く状態になるようだ。
それは魔力を繊細にコントロールすれば、ちょうどいいお湯の湯加減にならない事もないが、それにはかなりの量の魔力を消費しないといけないようだ。
それで俺が溶岩、まあドロドロに溶けた物質の事、マグマについて詳しいく説明すると、エリーゼがこう答えたのだ。
『ならば火属性の力と土属性の力を借りる事でその様なモノが出来ると思われますよ。それに妖精か精霊の力を借りれれば、その力が安定するのでは無いのでしょうか?』
『まあ確かに高熱と高圧で鉱物等の物質を溶かせば、溶岩、まあマグマにはなるだろうけど、そう簡単に上手くいくのかな?とりあえずは・・・』という考えに行き着き、結局そうする事に考えを修正した。
すなわちシャナに頼み、土属性の妖精に地中深くに空間を創って貰い、火属性の妖精か聖霊の契約者にその空間を極限まで加熱して貰う。するとその周囲の物質が溶け出し溶岩、まあマグマとなりの真っ赤な溶岩の池が完了する予定だ。
ただしこれはかなりの地中深くで、作業を行なわないといけないのである。それは下手に浅い場所で行なうとその空洞内の圧力に負けで大爆発を起す可能性があるからであった。
それでその加熱された灼熱の溶岩の池のある側に、エリーゼの水属性の妖精に大量の水を召喚して水脈を通して貰う。するとその近くを通る水は、温度が上がっていきお湯へと変貌する・・・予定である。
そこで地中深くのその水脈を何度かその加熱された空間、溶岩の池がある近くを繰り返して通過させる事を行なっているウチに、加圧された加熱蒸気へと変わり、最終的に圧力がかかり恐らく地中では冷めにくいお湯へと変貌して、そのお湯と水を決めた空間で徐々に排出する事で・・・温泉のような源泉が出来上がる予定だ。まあ、効能に関しては、聖霊の森と似たような環境というより薬草畑の近くから温泉の源泉が取れるようにしたいと考えている。
そこまでを考えて、肝心の火属性の妖精の契約者の事を考えたのだ。
「そうか、後は火属性の聖霊か妖精の契約者か!確かにそれは・・・ん?」
俺はある事を忘れている様な気がして、そちらの方に視線を向けてエリーゼに確認を取ってみた。
「なあ、エリーゼ!火属性の聖霊と契約している者なんだけど、心辺りはあるがその娘は、今のところ無理だけど・・・その聖霊本人に直接頼むってのはだめなのか?例えばほらあそこにいる娘達とか・・・」
俺はある事を思い出しエリーゼに確認の為に、その火属性を所持している聖霊2人がいる方向に視線を向けた。
「えっ、聖霊様に直接ですか?まあ、それは問題ないですが、火属性の聖霊の契約者の方を連れてくる方が早いと思われますが、妖精は珍しくあまり人前には姿をみせませんし、もちろんですが聖霊様は特にここ数百年はは姿を見た事がありませんから・・・」
「いや、だから・・・火属性の聖霊である本人が近くにいるし、その属性を持つ聖霊もいるからどうかなって・・・。ああ、面倒くさい!フレイっ、ファル!ちょっとこっち来てくれ」
どうも俺の言っている事がエリーゼに通じてないみたいなので、フレイ達にこちら呼んだ。実はこの時点でファルは俺の契約聖霊である事を忘れていた。
ついでに言うとフレイも間接的にではあるが、俺と契約した聖霊である事をすっかり忘れていたのだった。
第十一章:第五十一話につづく




