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第四十三話

 それらは既に屋敷とか言える代物でなく、殆ど城と言っても過言では無いモノが出来ている。まあ、その城の基本設計と内装の建設、それと家具や装飾品関係の製作や購入等を行なったのは、殆どが女性陣達である。


 何故その様な事になっているかと言うと、以前メグミさんと使用人の娘達がやって来た時に、今度の住む場所は盛大にデカクして、その上充実的な空間が欲しいとかで話がトントン拍子ですすんでいたらしく、最終的には城を建てる感じでどんどん建設されていった。それで現在はとんでもなく立派な城ができてしまっていた。


 しかも、その城を建てる話をして、今日までの約3週間しか経ってないのに、もう大半が出来ていたのである。その城を遠目で見て言葉を漏らした。

「いったい誰が住むんだ?あの城には・・・。大体いらんだろうにあんな巨大な城は・・・」


 なんでこの場所に城が必要何かは俺には理解出来ないが、みんなの話によるとこの森のシンボルにしたいだの、幻想的な世界()を造りたいだの、なんとも言えない理由で造っているらしいし、この場の主らしくやはり大きな家、というより城に住みたいそうで、できる事なら大きな自分の部屋に寝泊りしたいらしい。


 大体前の屋敷にあった各自の部屋は十分広かったと思うが・・・。それに俺としては神殿にある俺専用の工房で十分だし、以前の屋敷もある。

 それに屋敷に部屋はあったが、そこで殆ど寝た例がない。大体今あるログハウスにも俺の部屋は別にあるが、基本その部屋では殆ど寝た覚えがない、殆どがリビングのソファーで一夜を明かすのが当たり前のようになっていたからだ。

 ・・・ていうより部屋で寝ようとすると必ず誰かしら部屋に来るから、もうリビングが俺の部屋でいいのではと思うくらいだ。まあそういう訳には行かないので、俺の部屋に関しては以前と同じ様な轍を踏まない様に、自分で設計して造る事にしている。


 それで城の内装飾りつけ家具設置しているユア達の元に顔を出し、俺の考えている事を伝えた。

「あっ、俺の部屋は造らないでいいぞ!適当に自分で好きな場所に造るから・・・そうしないとまた変な仕掛けを設置されたら、たまらないからな」

「そっ、それはだめだよユウ兄!ユウ兄の為に立派な部屋を造る予定なんだから、それにユウ兄がいないと城を建てる意味がないんだからね。それに私がちゃんとした部屋をの造るからお願い」

 ユアが必死にお願いしてくるが、一番信用が出来ない。しかも一緒に作業をしているのがユイカとメイリーだ、ユアの暴走を止めれる人がこの中にいない。シャナがいるが事情を知らないので、肝心のストッパーには絶対ならないと思う。


「いや意味が解らないし、またどうせくだらない事を考えてんだろう。特にユア辺りが・・・」

「そっ、そんな事しないよ!ちょっと秘密の通路を・・・あっ!?」

 やっぱり考えていやがった!どうしようも無いなこれは、やはりこの城には、何か変な仕掛けがありそうだ。


「やっぱりお前には任せておけん!城内に俺の部屋は無しという事で・・・」

 俺がはっきりそう言うと何人が少し困った顔をしていたので、もし城に部屋を造るとしても、俺自身が自分で部屋を造ると言い聞かせ納得させた。だが若干1名がごねたので、そこは以前の事があったので有無を言わさず黙らせた。


 するとユアがシュンとしていたが、そんな事しないでも普通に入ってくればいいのに、そんな事を考えるから信用が出来ないと何故解らないのかが不思議だ。片割れであるミナはその辺はちゃんとしているのに、双子でどうしてあそこまで違いが出るのか解らないが、あんまりその事を考えても拉致があかないので考えない様にした。


 結局俺は、城のある場所に自分の部屋を造る事にしたが、あくまでその場所はフェイクだ。見た目は豪華な部屋ではあるが、寝室ではないのである。

 寝室的には小部屋を造り室内からは1つの扉からしか入室出来ない様にして、魔法などで転移しても入ってこれないような結界を施した。まあ外からはどうにかすれば入ってこれる様にはしているが、もちろん生半可な行為では侵入出来ない様にしているのである。


 それでそこからは驚異的な速さで城はついに完成し、各地で作業を行っていた者達はその場の作業を終らせて戻って来て今では城の方の手入れや屋敷の清掃作業を行なっている状態だ。ただフィーナとリンカとシルフィーの3人と赤ん坊達は、未だに大神界から戻って来ていない。

 当初はリンカとシルフィーは1ヶ月ぐらいで戻ってくる予定であったが、フィーナと共に赤ん坊を連れて帰ると言い出し、まだこの場所には帰ってきていない。何でも後2~3ヵ月程は検査や赤ん坊達の様子を見るとかで帰っていない。


「ところで、検査とか色々ある訳じゃなかったのか?赤ん坊以外はみんなピンピンしているようだが?」

 まあ、このように聞いたが、赤ん坊も別に具合が悪いとかそんな訳ではない。いたって健康である。


「あっ、それなんだけどユウ君、どうも子供を育てるのは大変だよ。特に赤ちゃんは夜鳴きはするし、魔力暴走はするとかで・・・それにフィーナちゃんの検査は、まだ終った訳じゃないんだよ」

「そうそう大変ですよ。ユウマ様!私も初めてですけど、赤ちゃん達の魔力が安定してないらしくて、この場所にある部屋で魔力を抑えているらしいのですよ。それ以外は別になんともないらしいのですが・・・」

 なるほどリンカとシルフィーの話では、いたって普通らしいが・・・えっ?魔力の暴走って、それが一番やばいような気がするが、まあ2人の言い方的にはそんなに驚くべき事ではないらしいし。


「はぁっ、私は大変だよ!身体は元気なんだけど、神の力がまだ使えないんだよ。もう1ヶ月も経ってるのに神の力が完全に回復しないから使えなくて、困ってるのよ・・・」

 どうやらフィーナは身体的には現状問題ないらしいのだが、神の力である神聖力が満タン状態になってないらしいのである。

 神としては重大な問題であるのらしいが、普段ならその神聖力が著しく無くなっても、少しでもその神聖力が残っていれば、回復途中でも神の力を使えるらしい。ただ問題は一旦神核内の神の力(神聖力)をゼロの状態にしてしまうと、神核内の器の中を神の力で完全に満たさないと使えない状態だそうだ。


「それでも、回復してるんだよな?まさか回復もしてないとかじゃないよな?」

「うん、それは無いと思うよ。ただ昔に一度だけカラッポ状態になったけど、1、2週間で完全に回復して力は使える様になったもの、でも今回はもう1ヵ月経ってるのに、使えないんだよなんでなんだろう?」

 フィーナは不思議がっているみたいだが、まあそのウチに回復するだろう。


 まあ俺は大神界の病院みたいな屋敷に何度か顔を見に行っているが、別に問題等はなくみんな元気であった。まあリンカとシルフィー、それにフィーナも別に病人のようにベッドで寝ている訳でなく、フェルト様の手伝いをしている感じであった。


 それにフィーナの神核の器が途方もなく強力なモノになっていたとは、この時点では創造神の爺様と検査を行なっていたフェルト(義母)様以外は知らないのであった。


 そんなこんなで俺は数度、大神界に可愛い我が子と母親である彼女達3人の顔を見に行き、また数日が経過した。

第十一章:第四十四話につづく

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