第四十二話
ついでに言えば出来るだけシルフォードを離れる訳にはいかないのであった。何故なら俺以外の子達でシルフォードでの細々した仕事があり、ついでにギルドから定期的に頼まれている依頼もこなしたいのであった。
それに王城での仕事が有る人物が俺の側に3名程いるのである。まあ、シルフィーは既に王家から退いているので、それ程たいした仕事は無いので、そんなにしょっちゅう戻らないでいいのだが、どうやらレーネさんとキュリカさんに関してはそうでも行かないようなのである。
特に最近は2人とも殆どが城での仕事や何故か騎士団の訓練を手伝わされている。それによく書類整理をさせられているそうなのである。大体2人とも騎士団を退団したんじゃなかったのかと思い聞いてみると・・・。
「実は以前・・・ちょっと訓練中の騎士団に注意したら、私達を知らない子達が突っかかってきまして、それを・・・」
「あのう、私は一応止めたんですよ!レーネは元乙女騎士団の団長をしていたので、敵う筈無いって・・・でも、ですね今回入った新人の子達が、その・・・」
まあ、キュリカさんの話を詳しく聞いたら、どうやら新人の子達に悪口を言われたらしいのだが、そこまでは許される範囲だったようだが、そこでキュリカさんとシルフィーの悪口を言い、最後に俺の悪口を言い出したらしく、その後にレーネさんが怒りが限界を超えて、新人の騎士団員をボコボコの瀕死状態にしたそうである。
普通なら恐れられる筈だが、恐らく元団員やその時は不在だった総大将であるレオンさんとレーネさんを良く知っている人達に詳しく話しを聞いたのであろうか、恐れるどころか憧れられ逆に、敬意を払うようになったそうだ。
実はその新人の団員達の子は、今迄のシルフォード公国で考えられない程、かなり強い騎士が揃っていたらしいのだが、そいつら全員をレーネが1人で、しかも一撃も食らわず簡単に全滅させ倒してしまっていた。まあ、以前のレーネさんでは2、3人だけだったら余裕だっただろうが、今回の50人を一瞬ではやり過ぎだろう・・・。しかもその怒り狂ったレーネを騎士団員の誰も止められない状況だったのを、今度はキュリカが羽交い絞めで簡単に止めた事により、それから騎士団員は疎か新人騎士団員の子達が、何故か2人を尊敬して教育と訓練を進んで申し出てくるようになり、それで今では手が開いている時はその訓練と教育をしているそうだ。
まあ、実際ユウマ達と行動をする様になり、レーネとキュリカも人間離れした強さとなっていたのであった。
それでレーネとキュリカは、定期的に城での仕事と騎士団の教育と訓練の仕事をしないといけないらしいのである。
それでまあシルフィー関しては実際やらないならそれでもいいそうだが、2人は今後のシルフォードの事を考えたら・・・もう少し、城に貢献したいらしいのである。レーネさんとキュリカさんの事情は良く解った。
今度は他の娘達で、リリアちゃんとカノちゃん達と一部の使用人達の娘がシルフォードから出るのを拒んだのである。
「そんなの困りますよ!せっかくお店も人気が出てきて、色々と楽しくなったんですから・・・」
「そうですよ!リンカお姉様の件は許しますけど、こればっかりは許されませんよ旦那様!」
その様な言葉を漏らしたのは・・・もちろんリリアとカノである。実際他の使用人の娘達も同じみたいであった。
実際販売店舗に関しては、殆どリリアとカノに殆ど任せてるし、2人ともリンカにぞっこんだったから、リンカのお腹を大きくした姿を見たときに、俺は2人に何かしらの事を言われると思ったが、意外に呆気らかんと受け入れてくれたのである。だが今回の件に関しては、どうやら引き下がれないそうなのであった。
まあ、確かにその殆どが最近作った商品、特にアクセサリーと衣装関連を販売している店舗は、今だ人気があり、実はまがい物まで出回っている状態であるらしいのである。
そして、次にカフェ兼食堂を取り締まっている使用人達の娘もリリアやカノ達と同様らしいのである。
食堂・・・いや、元々カフェではあるが、今では人気に拍車が掛かり、どうやら夜間は酒場として営業して、そちらも有名になりつつあるらしい。しかもちゃんとしたレシピはギルドから一般に販売提供しているのに関わらず、その店舗はレシピを購入しないでウチの店舗が関係店みたいな事を宣伝文句にして、まがい物を販売をしているらしいのである。
ただ、そんな事をしてもすぐにばれて、誰も寄り付かなくなるし、逆にマイ達の店舗が人気になり、今では朝から深夜まで営業を行なっているのである。それで俺が今回の事を説明したら反対されたのである。
「嫌ですよ。今は料理が楽しいですし、それに私達がいなくなったら困る人がいるんですよ!お願いですよユウマ様!」
何がいったい困るのかが、いまいちよく解らないがマイの言い分は、お客の誰かが困るのだろう。それならここに残ってもいいと説明したら・・・。
「それは、もっと嫌です!お側に使わせて貰い、もっと私達に色々と教えて下さい!」
「いや、それだったら、店舗を諦めたら・・・!?」
俺がその事を話しをしようとした途中でマイは目に涙を溜め、アイが俺の前に来て話し掛けてきた。
「そうですよ。今じゃ朝とお昼だけじゃないのですよ。ユウマ様!夜もみんな来てくれんるんですから、それに冒険者や昼間これない人が喜んでいますから・・・ここがなくなったらみんな悲しみます」
「そうそう、それに酔ったとしても、悪さはする事無いし、逆に礼儀は正しいモンね。他の場所じゃこうも行かないって、それに一般の方も女性も多いのですよ」
アイとミイは酒場の営業に関しての事を口に出して説明してきた。
まあ、確かに悪人はここに近付く事すら出来ないし、悪意に関しては周囲に張り巡らされている結界の影響で全て緩和されてしまうからである。実際その事は誰も知らないし、教えてもいない。
「ボクは、どうでもいいかな!師匠に付いて行ければ・・・まあ、みんなと仕事するのは楽しいけどね」
「そうですね!私もご主人様と一緒なら、どこにでも付いていきますよ。まあ、ユウとは同じ考えでですけどね」
ユウとメイはいつもの様に平常運転で、俺とならどこでも一緒に付いて来るそうだ。
そんな事でリリアちゃん達だけでなく、俺の料理の弟子であるアイとマイ、それとミイの3人が泣き付いてきたのである。ユウとメイに関しては、俺が行くところには必ず付いて行くらしいので、別に反対ではないらしいが、出来るのなら、今の仕事は続けたいそうだ。
それと後は、屋敷で寝泊りしていない、何名かの使用人の娘達も困るようなのだ。何せ今現在俺のいる屋敷での給金は異常であり、それで自分の家族を養っているそうなのであった。
それで街のどこかに店舗を確保して、その使用人達が困らないようにする事を、この後考える事にしたのであった。
まあ実際・・・商売を行なう為の店舗に関しては、すぐに解決したのである。実はギルドの近くに最近商売に失敗して取り壊しになった店舗が数件あるらしいのだ。まあ、詳しく聞いたらウチと同じ様な事をしたらしいのだが、全て不評だったらしいのである。
それでそれらの土地を俺が心配するより前に、リリアちゃんとカノちゃんが探し当てていたらしいのである。
何故その事を俺が相談した時に言わなかったのと、それについて知ったかと言うと、まず俺が相談した時は少し混乱していたのと、やはりリンカの事が気がかりだったらしい、それで俺がその店舗の事を知った事に関しては、ギルドに相談に言った時である。
まあ、実際その時はギルマスであるフィリアさんに相談するつもりであったが、実はまだ帰還して来ていなかったのであった。
まあ確かに俺の考えがおかしかったのである。実際あれから、そう俺がユアとユイカの話をして別れた日から3日しか経ってないからである。
確かにあの場所からの帰還であれば馬車で移動しても、最低でも7日以上はかかる筈なのである。俺が先にここにいること事態がおかしいのであるが、それは今さらであった。
それでギルマスであるフィリアさんは、まだこのシルフォードには戻ってきていなかったが、今回の件をサブマスであるヨーコさんとホノカさんに話すと、ヨーコさん経由でフィリアさんに話が行き、戻ってきたら詳しく聞くと言って戻って来た時に詳しく話す事にしたのであった。
まあ、最初にヨーコさんが、慌てふためいて、机の上にある水晶でフィリアさんに連絡し出したのである。
「・・・お姉ちゃん!お姉ちゃんっ、お姉ちゃん!大変、大変!!大変なのよ!」
いや、そこまで・・・仰々しくならないでも・・・。
それでいたってその様子を冷静に確認しているフィリアさん。まあ、恐らく表情が見えないからそんなモンだろう・・・。
「もう、どうしたのよヨーコ!そんなに慌てて・・・」
「ユウマさんがこの公国を出るって・・・」
「・・・!?すぐに戻るわ!ちょっと待ちなさい!!」
間違ってはいないけど、慌てて内容を説明せず直球で話すから、フィリアさん驚いてすぐに戻って来ようとしたようだったが、まだ急いで行動する訳もないし、そもそもミナ達にも相談してないからと横から割り込んで説明したら、フィリアさんは安心して戻ったら詳しく聞くと言っていたのだ。
とりあえずフィリアさんの方はその時詳しく話すとして、サブマスであるヨーコさんとホノカさんにも話した時点で、2人から俺達が拠点をどこか違う土地の場所に移すと説明したら・・・2人から直接『『それは困ります!』』と言われしまったのであった。
何でも俺はそれ程貢献した覚えは無いのだが、困った時に頼れる者がいないのは非常に困るとの事であるのと、それに俺も知らなかったのだが、俺もだが他の子達がギルドにかなり貢献しており、今では俺達のファミリーが、どこのファミリーやパーティよりも成功率が高いのと、依頼に対しても迅速なうえに丁寧にこなしているとの事を説明してくれたのだ。
色々とその事に関して、2人からもお願いされてとりあえずその事に関しては検討する事にして、もう一つの問題である商品を販売している店舗と食堂に関する相談をした。
第十章:第四十三話につづく
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それでその話をしている時に、ホノカさんが何かを思い出したようなのである。




