第四話
「あのー?そろそろ続き話しても良いですか?」
俺たちの近くまで降りてきて女神フィーナがそう聞いてきた。
おっと、女神フィーナ様、俺たちのやり取りを律儀に待っていてくれたのか?
「「「「「すみません、続きをお願いします」」」」」
この場にいる全員に頭を下げ謝罪してから続きの説明をお願いした。
「コホン、それでは続きを話させて貰いますね。まず、早めに皆様の混乱を避けるために不運にも巻き込まれ方をて召喚された人をお伝えいたしますね。それは! あなたです。ユウマさん!」
ふわっと!近づきユウマの両頬をフィーナが両手で覆いながら。
はぁ?と短い間の抜けた声を出しユウマは、目を瞬かせ呆けた顔をユウマガしていたら。
「だ・か・ら!鳳 ユウマさん、あなたが召喚に巻き込まれた人なのですよ!」
再度、巻き込まれたのがユウマであると丁寧に説明をして、いったんユウマから離れて、みんなの頭上にふわふわと浮遊してから、説明の続きを女神フィーナがしゃべりだした。
「そして、千草 未菜さん、結愛さん、結城 唯香さん、そして春風 鈴香さん、あなたたち四人は予見では事故に巻き込まれ死亡するはずでしたが、ユウマさんが唯香さんを助け、愛美さんの乗る車の軌道が奇跡的に変わった事により、大事故そのものが何故か無くなりました。そして不思議と事故での死傷者がゼロという奇跡みたい現実が起こりました。その時、既に発動していた召喚をおこなう為の儀式が完成していたので、止める事も出来ず皆様を召喚してしまったと言う事なのですね。また・・」
女神フィーナが長々と腕を組んでウンウンと首を縦にふって説明をおこなった。
ユウマは巻き込まれたのは自分などと、聞かされて考え込んでるうちに次々と詳細を女神フィーナが説明していたが、この時ユウマの頭にはすべての説明が入ってこなかった。
ユウマが、呆けた顔で色々と考え込んでいたら、鈴香が突然女神フィーナに尋ねた。
「すみません。死傷者ゼロてっ!あのおバカ1号の鎧塚と、おバカ2号の飯田くんは、死んだって言ってませんでしたか?」
鈴香が何気にひどい言い方で少年2人の死亡を指摘していたが?どうやら高校の同級生である問題児とその取り巻きの後輩だったようだ。
なるほど知り合いのだったのか?と、呆けていたユウマが鈴香の言葉に反応して思っていると。
「はい、航くんと隆くんは自業自得のうえに半分以上自殺に近いですから。 あっ!そろそろ死者の二人は、転生させないと魂が弱ってきていますので、そろそろ転生させないと存在そのものが消えてしまいますね」
その言葉を聴いて鎧塚少年と、飯田少年は、はっ!としてから急いで喋りだした。
「おっ!おい、早くチートスキルくれよ、俺はなっ・・・」
鎧塚少年がスキルを要請しているのを女神フィーナがさえぎって。
「ああ、あなたたち御二人方には、転生の儀を行いますからスキルは差し上げられません。 いわゆる転生そのものがユニークスキルの変わりになりますので、特殊なスキルはあげられません。 あ・し・か・ら・ず、良い二度目の人生を送ってくださいね。それでは、※▼◇□○・・・魂転生!」
女神フィーナがニコニコと笑顔で少年たちに手をかざしてから呪文を唱えた。
「おっ、おいそりゃ無いだろ・・ちょっと、まてって・・・」
「そんなーなんでなん・・・」
二人の少年が最後の言葉を言い終えないうちに、体が薄くなっていき足元から消えていっている。
あと頭の部分をのこしてすべてが消える、その直前になって思い出したように。
「あっ、ちゃんと前世の記憶と知識は残るようにしてますので、赤ちゃんから頑張って強くなってくださいね!」
女神フィーナが最後に駄目だしの残念な言葉をウインクをしながら語り、その言葉を聴きながら少年二人は、驚いたような顔でなにかを言いかけ消えていった。
そして、また女神フィーナは、ユウマたち全員の方を向いてから、ユウマにむかって。
「それでは、ユウマさんはどちらを選ばれますか? 異世界に転移するか地球に戻るのか? または転生でも良いですよ♪」
可愛い笑顔を向けてウインクしてからユウマに聞いてきた。
まあ俺は、この娘たち四人を見捨てて地球に帰るなんて事はしたくないと思って、女神フィーナに声をかけようとしたとたんに、鈴香が何故かユウマの後ろに回り後ろから首をホールドしてきた。 『なっ!』とユウマが思っていると、今度は両腕を双子の未菜、結愛に抱きつかれ、前から何故か唯香にしがみ付かれた状態になった。
「先輩っ!私たちを見捨てないよねっ一緒に行こうよっ」
「「ユウ兄っ!一緒に行って、異世界で楽しく暮らそうよ、そして一生面倒みてよっ」」
「ユウ兄さまっ!一緒にいてくださいまし、おねがいです」
「「「「一緒にいてくれるよねっ、残ってくれるよねっ・・・」」」」
ギューとっ、力を入れられ『いやっ』首っ!完全に決まってるから答えられないし、腕の固定されてるから振り払うことすらもできない。 しかも前にしがみ付かれ倒れることもできない、完全に身体を固定され動くことも出来ずにいる。
意識が薄らいで行き、このままじゃ違う意味で逝ってしまうと、ユウマが意識を失いかけていると。
「あのー、あなたたちそのままだったらユウマさん、ほんとに死んじゃいますよ」
女神フィーナが娘たちに、ユウマを死なせますよと指摘したら。
全員がはっ!として、いっせいに手を離しユウマを解放した。
「ごほ、ごほっ、はっ、はぁ、はっ、はぁーっ、死っ、死ぬかと思った・・」
ユウマが、むせながら新鮮な空気を取り込みながら声をだした。
「それではユウマさんの、希望も分かりましたので」
女神フィーナのこの答えに、ユウマを押さえていたみんながユウマに謝っていると、みんな一斉に えっ!と、驚いた顔をして、女神フィーナとユウマを交互に見ていた。
「はい!ユウマさんは、最初からあなたたちと異世界に渡る考えだったみたいですね。 私の再確認で、言葉に出しても変える気は毛頭なかったみたいですね」
ニコッと微笑みみんなに返答を返してきた。
「それでは残ったあなたたち六人に、特別なスキルと私からの加護をお渡しして。そして特殊なアイテムを差し上げます。それから色々説明をさせていただきますね」
第五話につづく
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「まずはとっ!慈愛と神界の神にした・・・・!」