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第六十五話

 それから周囲が光で満たされ、煙の様な蒸気が周囲に上がり、その中から何かが現れたのであった。

 その蒸気の中から現れたのは、禍々しい嫌な感じでは全く無く、脅威であると思える魔神とは月とスッポンで小物が、そう図体のデカイ、ちょっと変わったアホ顔の魔獣(モンスター)が現れた。


 その現れたは魔獣(モンスター)は普段のアホ顔の良く知ってる魔獣(モンスター)とは違っていたのである。いつもは誰が見ても一発でその魔獣(モンスター)の正体は解るのだが、そいつは何故か巨大で立派な角を頭に付けて、なんとも禍々しい派手な外套と服を着ていたのである。


 知らないモノがその姿を近くで見たら、恐らく強い魔獣(モンスター)と勘違いするのに違いない、なにせ普段のその辺にいる筈のその魔獣(モンスター)は常に舌を出して、アホ顔で迫ってくる奴なのだが、その生やした角が立派に見えるのとその服装からは想像できず、そいつの顔をそいつを召喚した魔人族は全く見ていないので、その正体を解っていないのである。

 しかもその正体も詳細に探ろうとせず、判別も出来ていなかったのであった。


 しかし、その召喚した奴の顔を少し離れた位置から見ていた魔獣(モンスター)達は、そいつの姿と顔を確認して、そいつの正体が解り確認できていたのだが、自分達より強く賢い魔人族が跪いているので、何も言えないのであった。


 それでその場で召喚の儀式を行なっていた魔人族は、その角の生やしたアホ顔の魔獣(モンスター)を魔神と勘違いして話し掛けていたのである。

「おお、我らが最強にして最悪のか・み?・・・まっ、魔神様ですよね?いや、流石に・・・余りすごく無いような気が?・・・いやいや、あなたには隠された能力があるはず、しかし、何故でしょう何処かで見たことあるアホに似てるような?いやいや、その立派な角を生やしてる奴はいない。私が失敗するはずないし、魔法陣もちゃんの機能しているので、間違いないはずだ・・・」


 その様な挨拶をしているが、どうにも疑う感じもあったのである。何せその魔獣(モンスター)の出す邪気と気の力は、召喚した魔人族が思うよりも弱くて少ない。そして、何故か自分の力より小さい・・・いや、かなり小さく貧弱すぎる存在である事を薄々感じているけど、魔人族の男は自分が召喚に失敗したとは思いたくなかったようである。


『Gumo?・・・』

 それにその召喚された角を生やした魔獣(モンスター)は、自分が何故この様な場所に召喚さえたのか解らず不思議に思っていたのである。何せその魔獣(モンスター)は先程まで自分の部下達に狩りの指示を出している最中にこの場所に召喚されていたからであった。


 しかもその魔獣(モンスター)は、同じ種族である部下達に自分の凄さと威厳を見せ付ける為に、立派な角のかぶり物を頭に付け、その部下とは違い質素な布の服ではなく、豪華な衣装を着込んでいたのだ。それで召喚されてその姿のまま呼び出され現れると、何故か自分より格上の者達が跪いているので、ますます不思議に思っていたのだが、少し考え気分が良くなって、その角を生やした魔獣(モンスター)は妙な事を考えていたのである。


 それでその妙な事を考えた角を生やした魔獣(モンスター)が、不敵な笑みを浮かべた顔をしていると、自分より格上である魔人族が何を勘違いしたのか突然頭を下げ謝罪してきたのであった。

「もっ、申し訳ありません。我々のような者が、あなた様の力を疑ってしまうとは、お許し下さい・・・・どうか我々に命令を!」

 その角を生やした魔獣(モンスター)も調子に乗っていたようだが、その状態は長く続く事はなかったのである・・・だがそれは後ほど解る事になる。


 それでその魔人族と魔獣(モンスター)達がその角を生やした魔獣(モンスター)に跪く姿とやり取りを、メリウェルの街へ最初にやって来た丘の上で、ユウマ達はその様子を見ていた。


 それを見ていたファルと雪姫は、お腹を抱えながらユウマに話し掛けていたのだ。

『あはははっ、マッ、マスター面白いよ。あっ、あいつら自分より格下のモンスターに跪いて挨拶してるよ。あははは・・・でもなんであいつは、角付けてるの逆に笑える。きゃはははっ』

『ふふふっ、ファルお姉様、そんな笑っては・・・くっくっ』

 いやいや、2人共笑ったら駄目だろう。まあ、おかしすぎるから別にいいけど・・・。


 そうあの魔法陣で召喚されていた魔獣(モンスター)の正体は、毎回何も考えず舌を出して襲って来るアホ顔のトロルキングであったのだ。しかも何故かそいつは頭には、似合わない角が生えているのである。

 しかも今召喚されてる奴の力はそんなに強くなくし、この場所から確認する限りでは賢そうにも見えないアホ顔の馬鹿な格好をした奴なのである。


「まあ、確かに面白いけど・・・あの、魔人族が余りにも残念すぎるぞ・・・・」

 ユウマが魔人族を哀れに思って、その様子を見て哀れんでいるのであった。


 そんな中で月姫だけは、いったいなにが面白いかが解っておらず、不満そうに俺に話し掛けたのである。

『・・・・主様?あのアホな奴らどうするの。倒しちゃう、消しちゃう?それになにが面白のか解んないし、つまんないよ月には・・・』

 月姫に関してはファル達と違い残念そうな顔付きで、あの場で跪いている魔人族の姿がアホらしくて、どうやら期待外れだった様で、さっさと倒そう魔力を溜め攻撃の準備をしてユウマに尋ねて来たが、とりあえず月姫はなだめてアホな魔人族はそのままにしておく事を話したのである。


 しかし、確かにユウマ達のいるこの離れた丘の場所で見ていたら、ファルと雪姫が笑うように面白すぎるのである。何せ格上の存在の魔人族や魔獣(モンスター)達が、かなり格下であるトロルキングを崇めているのであったからである。しかも気が付いているような感じのする魔獣(モンスター)も逆らえず跪いているのであった。


 ユウマ的には最初に角の生やした魔獣(モンスター)が姿を現した一瞬には、魔神のような存在では無いとしても、もしかしたら強力な魔獣(モンスター)を召喚させてしまったかと心配した。

 だが、すぐに鑑定して確認するとそいつの正体は、下級も下級で今魔人族の回りにいる魔獣(モンスター)以下の力の持ち主であり、このメリウェルの街に来ているどの冒険者でも勝てるトロルキングである事が解った。しかも変なモノを装備をしているところまでもで解ったのである。


 それをファル達もすぐに理解して、ファルはその浮いてる空中で笑い転げていて、雪姫は何とか笑いを我慢しようとしていたのであった。

 雪姫に関しては余りにもアホらしくて笑う事よりも、溜息を吐き機嫌を悪くしていた。何故なら不謹慎かもしれないが、雪姫的にはもう少し強い魔獣(モンスター)が出て来て、自分の確約をユウマに見せたかったのだが、そんなのは召喚されず物凄い弱い存在が出て来たので、すぐにその茶番を終らために、その場で消滅させてやろうと考えていたようである。


 はっきり言ってトロルキングを召喚した魔人族達のいる場所は、もう脅威でも何でもなくなっていたのであった。


 なので、今度はリンカ達が必死に攻撃を加え食い止めようとしている。もう1人の魔人族が行なっている召喚儀式の場所を確認する事にしたのだった。

第九章:第六十六話につづく

 そちらの方に視線を向けて見ると・・・?

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