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第五十九話

 それで、ほんの数分でユウマを含む、今回時の迷宮ダンジョンに行っていたメンバーで例の場所に転移する事になった。

 ただしアリアとロンは、今戦場になっている場所であるフィーナ様が今回の防衛で担当しているメリウェルの街にはいけないので、というよりそこには直接の転移門が無いので、強制的にマリエル様の防衛担当の中央都市リフィーラに転移する事にしたのである。


「ユウ兄、これからどうするの?私達が行ってもいいのかな?それに私とロンは・・・」

「ああ、別に問題ないよ、それにアリアとロンはメリウェルには行かなくていいよ。とりあえずリフィーラに、なんかとんでもない奴が現れるらしいから、そいつの相手をしてもらう。まあ、俺はメリウェルの街に魔神が現れたら一旦そっちに行くけどな」

「うん、それならいいけど、そんなんで大丈夫なの?ほら、時間だってないんでしょ。その魔神だっけそいつが出て来るの」

「ああ、まあ、実際には、もうすぐ出るみたいだけど・・・」


 俺とアリアが会話をしている間に、この転移魔法陣のある部屋以外は大騒ぎになっていて、この部屋にも守護天使のレミちゃんが慌てて何かを知らせに来た。

「大変です!魔神が召喚されました。もうすぐ魔神が全体の姿を現します。メルティナ様どうかすみませんが、女神様達の代わりに確認をお願いしますか?」

「うん、解った。ちょっと待ってね。お兄ちゃん達を送ったら、すぐに行くから。それじゃお兄ちゃんお願いね」


「おお、任しとけ。それじゃ行ってくる」


 俺がティナにそう声を掛け転移のタイミングを待っていると、ロンが何かを思い出し声をあげた。

「あっ、兄貴!例の卵を忘れてきましたよ。てか、どこに行ったのでしょうか、あいつ?」

「ん、ああ、今フィーナ様の部屋にいる筈だぞ。まあ、一応心配だから・・・ティナ!もう1つ頼みたい事があった。さっきフィーナ様を部屋に連れて行った時に、いっしょについて来た卵の面倒を頼むじゃあなぁぁ」

《シュッゥゥゥン!?》


「えっ、お兄ちゃん・・・ん、もう、返事も聞かないで行っちゃたよ。まあ、いいけど・・・ん?持って行ったじゃ無くて、ついて来た・・・卵が?何言ってんだろお兄ちゃん」


 ティナの卵をお願いしたと同時に、俺達は無事に転移魔法が発動して今は転移空間内を移動している・・・というより流されているのである。まあ、以前も俺はこの空間に来ているので問題は無いが、他の子達は不思議がっていた。それはそうだろう転移の場合は遠い場所ならある程度この空間にいるが、殆どが一瞬のはずなのだが今回は過去に向かっているからであった。


 実際は距離はあるがただの転移ではなく、20分前の過去への転移である。実は30分前に戻して欲しかったのだが、準備と話しをしている間に時間が進んでしまい結局は20分前となったのでる。


 ホントは30分前に送ってもらう様にしていたが、神界の魔法陣に込める魔力の量と時間が足らないらしい。それにどうも人数が多いのが問題だったようである。


 事実ティナの説明ではこうであった。

「お兄ちゃん!流石にこの人数を過去に送るのは、ちょっと時間と魔力が足んないよ。それにもし何かあった時は対処が出来ないよ。それにもし全員を30分も過去に送ったら次元震が起きるかもしれないんだ。1人なら問題ないんだけどね。だから最低20分これ以上は無理だよ。それでいいかな?」

 そう言われたので、仕方なくその時間でお願いしたのである。


 実際1人なら小さな次元の隙間を探しそこを利用すればいいらしいのだが、今回はそうは行かないようなのである事実3人以上を過去の同じ場所に転移させる場合はその隙間を強制的に開き固定しないといけないみたいで、これを長く保持すると次元震が発生する可能性もあるそうだ。そうなった場合その先の未来無くなるそうだ。


 それで過去に転送できるのは20分が良いところだろうと言うことらしい。まあ、逆に1日以上の長時間なら簡単らしいのだがそれをすると違う俺とティナが考えた最悪の事が起きる可能性があったのである。


 そう言うことで今はその20分前の過去へ転移空間を流されている。その間に1つみんなにお願いしとかないといけない。

「そうそう、忘れるところだった。今から俺がいいって言うまで、気と気配を消しておいてくれ。それとファルと月姫、雪姫はちょっとの間は武器に戻っててくれるか」

「えっ、別にいいけどなんでユウ兄?」

「どう言う事なのお兄ちゃん?」

『えっ、何で何で?主様』

『どう言うこと?マスター』

『主様?』

 みんな何故だろうと不思議がっている。やっぱり説明をしないといけないのか?


 ユウマが簡単に説明しようとしたら、いち早くロンが理解して納得したらしい。

「あっ、なるほど。そう言う事ですね。兄貴」


 ん、どうやらロンは気が付いていくれたよう棚。よし、ならロンにはアリアとミーアの2人に説明してもらおう。


「なら、ロン!アリアとミーアの2人に説明してやってくれ。ランはもう既に理解しているらしくて、もう既に両方とも消してるから、俺はファル達を・・・」

『ほいほい、マスター。戻るのはいいけど、どうして、どうして?』

『ええ、主様何故でしょうか?』

『ああ、ファルファルも雪も解んないの?月はなんとなく解っちゃた!』

 おりょ、たぶん解ってないと思っていた月姫が理解してるのか。


『えっ、月ちゃん解るの?』

『お姉様すごいです』

『そんなの決まってるじゃん。主様は・・・』

『『主様(マスター)は!』』

『私達を使って戦いたいのよ。だって最近ちっとも私達を装備してないからその感覚を・・・』


「いや、違うから、別にそんな事思ってないから、どちらかと言うと今の姿の方が接し易いから、で、今回は出来るだけ俺達の存在をギリギリまで隠していたいんだよ。解ったか」

 どうやら月姫は勘違いをしていたらしい、それでも俺の本音を聞くとがっかりするかと思ったが、何故か機嫌がよくなってるのでよく解らん。武器として使われたいのか、それとも聖霊として人の姿でみんなと対等に扱って欲しいのかがよく解らん。


 まあ、とりあえず3人には武器に戻ってもらった。最初ファルはアリアに預けようかと思ったが、何故かアリアが持つとファルの存在が解るというよりより強大になりアリア共々強い力があふれだす様になってしまう。

 何でかと思ったらどうやら、俺を力と能力を封印しているアイテムにより、精霊である3人の力も封印状態になるようであった。たぶん俺が装備する事でその様な力と能力の封印現象が起こるのだろう。


 ロンの方もアリアとミーアに、俺の考えを教えてくれていた。さすがロンであるちゃんと状況を理解してくれているし、説明が簡単に済んでよかった。


 それで予定どおり神界より転移された時間より、約20分前の中央都市リフィーラの転移門の前にやって来る事に成功したのであった。

第九章:第六十話につづく

 中央都市リフィーラの街に着いて、すぐに周辺の【エリア探知】と【気配察知】のスキルを・・・?

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