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第二十六話

 すると、レーネが顔を上げこちらを見て、若干顔色が悪かったが声を振り絞り話し出した。

「シルフィー様、ありがとうございます。だいぶ落ち着きました」

 シルフィーに介抱され落ち着きを取り戻し、なぜこのような状態になったかを教えてくれた。

「かなり昔のことですが、薬剤店に上級ポーションを買い求めにいきました。その時は余りにも値段が高いので公儀していたのですが、どうも話している間に身体の様子がおかしくなり、そこで倒れたのです。この時知らないうちに、媚薬と睡眠薬を嗅がされ、意識がふわふわとしていたのですが、私の身体を触られていたのに気が付き、慌てて悲鳴を上げました。たまたま、巡回中の当時の戦乙女(ヴァルキリー)騎士団の団長が、私の悲鳴を聞き助けてくれました。後で団長さんに聞いたら、私の他に騙されて酷い目にあった女性が、他にいたそうです」


 この薬剤師に関わる件は、詳しく説明すると、こう言う事だ。

 むかしの薬剤師は良い人ばかりだったそうだが、何処かの馬鹿が薬剤店を出してから利益しか求めなくなり、己の欲望のままに販売をしだした。

 そのままの状態が長く続き、何時ごろからか欲望を持った者が薬剤師になり、店舗を拡大そのうち悪い話しか聞かなくなっていたそうだ。


 だが薬品は必要であり、また人の良い薬剤師が多くいたので、そこまで大事にはなっていたが、何時しか人の良い薬剤師が何故かいなくなっていった。


 そして、唯一領民の為に行っていた、人の良い薬剤師がすべていなくなっていた。

 これはおかしいと思い、各ギルドで薬剤ギルドの調査を行っていたが、巧妙な手口で言い逃れをして、とても各ギルド(薬剤ギルド以外)の手に負えない状態だったので、国に依頼して政府内部にて調査をお願いした。


 すると調べれば調べるほど、おかしな事が判明、その上不思議な事件が起こっている事が解り、終には軍が動き出したが、何故か薬剤店に情報が流れて、悪い手口を見せない状態が続いた。

 そしてついに、当時の薬剤ギルド専門の薬剤店に不穏な動きが見られたので、隠密に捜査が開始された。

 だがやはり悪い事をしている手口は見せないので、今回は諦め引き上げようとした、その時、調査中の薬剤店の中から悲鳴が聞こえ急遽軍が突入を開始し、ついに悪巧みをしていた尻尾を掴んだと言う事だそうだ。


 その渦中にいたのが、当時に冒険者をしていて仲間の傷を治す為に、薬剤店に来ていたレーネだったとの事だ。

 そしてそれをかわきりに、出るは、出るは悪巧みに徒党を組んだ人達が、ついには政府内部の人間も数名加担していた事実も解り、最後は悪巧みをしていた者、全員を奴隷落ちの刑にしたそうだ。


 その後何故かレーネは、当時の戦乙女(ヴァルキリー)騎士団の団長に憧れ軍に入り、今の姫専属護衛の任務についているそうだ。


 レーネは、過去に自分が体験した嫌な思い出をこんこんと語ってくれ、続きを話し出した。

「それから、何です薬剤師に関する事を、聞いてしまうと疑心暗鬼になり、拒絶反応がでてしまうのです」

 涙を流しながらレーネは、薬剤師に対して、われを忘れて拒絶反応が出ると語った。


『うーん、どうもレーネさんの過去に薬剤店で、とても嫌な思い出があったみたいだ』

 ユウマがそんな過去があったからあんな態度を取ったのかと、考えていると。


「先ほどは、失礼な態度を取って申し訳ありません。ユウマ様が、そんな奴等と違うのは解りますが、薬剤師と言う言葉には嫌悪感(けんおかん)を感じ過去に会った事を、どうしても思い出してあんな態度を取ってしまいました」

 レーネは本当に申し訳ないと、ユウマに頭を下げて謝罪した。


「いえいえ、気にしないでください。そんな辛い過去があったのですからしょうが無いですよ。でもよかったです俺が何か気に触る事を言ったのか?と思いましたよ」

 ユウマは笑顔で答えて、レーネに変なことを行って嫌われたのかと思ったが、どうも違ったので安心して謝罪を受け入れた。


「それで、先ほどの話しですけど。あっ!まず俺は、薬剤師と言うわけではありませんから信じてください。たまたまスキルを習得して持ってしまったのですから」

「えっ、習得して持ってしまったとは?」

「そう言えばユウマ様、先ほどもいつの間にか習得して持っていたと、おっしゃいましたよね?」

「はい、ええ言いましたけどなにか変ですか?」

 ユウマは薬剤師スキルは、たまたまスキルが習得して発生して自分の能力内に表記していた事を話した。

 その後レーネとシルフィーに、ユウマは質問に対して、質問で返していた。


「えっ!変ですよ。スキルはそんなに簡単に習得や取得できないはずですよ」

「はい、普通は経験を積んでから冒険者ギルドで確認が必要のはずですが」

「えーと、そうなんですか? なら何で俺のスキルは・・・? もしかしてですけど、女神様の加護とか関係してますか?」

「えっ!ユウマ様は、女神様の加護持ちですか?」

「なるほどユウマ様は、女神様の加護をお持ちですかなら可能性はありますが、ユウマ様余りスキルもそうですが加護持ちである事は、表に出して話さない方が良いと思います」


 ユウマは、レーネとシルフィーにスキルについての話しをした。

 そのあと、最後にレーネより余り人前でスキルと加護の話しをしないようにと注意された。

「はい、以後人前で話さないように気をつけます」

 ユウマは、素直に気をつけますといって心の中でレーネに感謝をした。


 そんなユウマをレーネは、先ほどは何故こんなお人よしで、やさしい方を薬剤師と言う言葉で、拒絶してしまったのを少し反省して、これからはユウマの事を信じようと思っていた。


第二十七話につづく

この一件はここでほぼ解決してから・・・?

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