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第三十三話

 事実それに気が付くのは、最後の1匹になる手前になって、ユウマは気が付いたのであった。

 その事を気が付くちょっと前に、ミーアが3本角のランスタイガー(仮)と戦うと言うより、何故か遊んでいる様に見えた。何故ならミーアはいつの間にか獣人化していて、そのうえ戦っているランスタイガー(仮)と同じ様に身体中から電撃みたいなオーラを放ち、そいつを翻弄させているのである。


 ちょうど猫が動く物に対して、遊んでいる様な感じでランスタイガー(仮)をもてあそんでいた。

「あははっ、ほーら、こっちこっち、そら!こっちだよ。ほいほい、今度はこっちね・・・」

『ゴロゴロ・・・ニャー・・・』

 いや、確かにそいつは猫科かも知れんが、その図体で猫みたいな鳴き声って・・・。


 結局ランスタイガー(仮)は、ミーアに弄ばれながら、角の部分をいつの間にか切断されて、最後には止めを刺され死んでいた。


 その間に俺はこちらで『ブギーッ!』と咆哮をあげながら突っ込んで来ていた、ボワキングボムを一撃で倒していた。まあ、こいつに関しては以前ランが倒していたので弱点の情報があったので簡単に倒せたと言うより、魔眼を使用して先程ツインテールスネークを倒した力を使ったら簡単に弱点を両断でき倒せたのであった。


 ちなみにボワキングボムの弱点は、後頭部付近にある角みたいなモノで、それを左右半分に切ると絶命する。ただし気を付けないといけないのは、これを切断してしまうと暴走して大爆発するとかしないとか、アイテムボックスで解析したらそう記載されていた。

 まあ、以前ランが倒した奴も、何故かランは弱点を解っていたのか、その部分をちゃんと両断して倒していたのであった。


 それでちょうど俺がボワキングボムの角を両断して、『ブギャボッ』意味不明な断末魔をあげ倒れたと同時くらいに、ミーアもランスタイガー(仮)を倒し俺に近付いて来て、何故か抱き付いて声を掛けて来た。

「ああ、楽しかったよ、お兄ちゃん。しかし、アホだねこいつ角切られても、まだ、必死にミーアに何かしようとしてたみたいだけど、最後は呆気なく、ポクッと・・・あははっ」

 いや、あの、ミーアさん、それはあんまりなんじゃ。まあ、ミーアに怪我が無いのは、いいのだけど・・・それじゃ、そいつが可哀想?・・・と思ったがそうでも無いか。


 何故ユウマがそう思ったかと言うと、その倒されたランスタイガー(仮)は、とても幸せなそうな顔をして事切れて絶命していたからである。

「何でこいつは、幸せそうな死に顔をしてるんだ・・・?」

「さぁー、よっぽどミーアを捕まえるのに、必死だったんじゃ・・・それに最後にミーアを捕らえられたと思ったんじゃないのかな?止めを刺した時にあの格好になってたから」

 なるほどそれで断末魔も何も聞こえなかったのか・・・。恐らくこいつは楽しい思いをしたまま天にめされたのであろう。南無~・・・。

 ランスタイガー(仮)の死に顔もそうなのだが、格好が結構妙な感じになっていた。ちょうど何かを捕まえたように両手を合掌と仰向けになった状態で、そのまま固まっているのであった。


 それから・・・もう2体いる事をすっかり忘れていて、それを思い出しそちらに視線を向けるとデカイ二枚貝の端からハサミが2本出ている物体が、何故か転がっているのを見つけた。

「えっ、あれってヤドカリみたいな蜘蛛の奴か?何で貝みたい閉じ籠って・・・てっ、やっぱり、そう言う具合になるのか、ただ、何でハサミは外に出てるんだ?それにあの頭の巻貝は結局なんだったんだろう?」

「何あれ?変なの、変なの。何でハサミだけ出してるんだろう?しかも動けないみたいだよ。お兄ちゃん?」

「ん、うーん、こんな奴ばっかりなのか、強い相手って・・・・!?あっ、そう言えばもう1体、熊がいたはずだけど・・・・?どこ行った」


 ちなみにランは、先程の狸バージョンのケルベロスを倒した後に、そのハサミ付き貝と戦っている様に見えたが、今はそいつの相手に飽きたのか、それともただ単に休憩なのかは解らないが、先程の卵があった場所で、何故かお昼寝をしている状態である。

「なぁ、ミーア。ランは、あそこで何やってると思う。それとあの貝に生えたハサミは・・・あと、熊はどこ行ったと思う?」

 俺がミーアに現状の様子を尋ねたら、俺の横に来てウンウン頷いている。


 ん、何をやってるんだミーアは?


 するとミーアは、何か理解したようにして、俺に教えてくれた。

「えっとねお兄ちゃん。ランがね、あそこにいる奴が、なんか私達が残りを倒したら突然卵の方に向かい出したんだって、そんでスキが出来たからそいつの頭にあった巻貝みたいな所に、一撃喰らわしたら今の状態になったんだって」

「ん?残りって、熊はどこに行った?見当たらないけど」

「あっ、なんかランが倒したっぽいよ。ほら、あそこでピクピクしてる塊の奴がそうじゃないかな?」

 確かにミーアが言うように、ハサミ付き二枚貝がいる横に、肉の塊の様なモノがピクピクしているのであった。それに、ミーアはランと念話らしきモノで会話まで行っていたのである。


 まあ、実際その念話に関しては余り驚く必要は無いのだけれど、どちらかと言うとランの強さの方が異常に凄いと思っていたのである。


 何故なら俺達が、気が付かないウチに八本腕がある熊を、あっさり倒していたからであった。

「しかし、なんであいつは卵の方に行こうとしてたんだ?まあ、たぶん食べる目的だろうが、もしかしてあいつらの強くなるアイテムみたいなものだったりしてな、あははっ」

「うーん、でも、お兄ちゃん。あながち間違ってないかもだよ。だってこいつ等の他って普通の姿なのに、あそこに転がってる卵の殻は同じような数だけあるよ。それにあの蛇の魔物も以前とはまったく違ってたし、何となくお兄ちゃんが言ったのが正解なんじゃないかな?」

 何となくそう思っていたが、ミーアが言った言葉で大体確信に近づいたような気がする。


 それはさておき、とりあえずハサミ付き二枚貝が動かないウチに蒸し焼きにするか、また魔眼を使った攻撃をするか、考えて結局はその両方を使い倒す事にした。

第九章:第三十四話につづく

 まずは最初に魔眼を使います。するとミスリル製の剣がすごい事になります。

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