第三十一話
その内の1体が先行して襲ってきた。他の5体はどうやら様子見のようであるので、その1体と戦闘を開始した。
ここからは俺とミーア、それとランでバラバラに動き、相手を倒して行くのも良かったのだが、ここは協力し合って確実に1体ずつ倒していく事にした。相手も幸い最初に動いた1体の他は、現状こちらに向かって動くようではないみたいだ。なのでそのままこちらに向かってきた奴と戦闘を行なう事にした。
「ミーア、ラン以前倒した事ある奴だからって、油断するなよ。それと着実的に1体ずつ倒していくぞ。いいな!それと今は動きを見せない奴らにも気をつけろよ。何時動き出すか解らないからな」
「うん、解った。任せておいて!いくよラン」
『ウッウオォォォォォン!』
先程と同じ様に、ランの咆哮と共に戦闘を開始した。
まず一匹目の襲って来た相手は、以前倒した事のある双頭の蛇改め、2つの頭をみたいな尻尾を持つツインテールスネークの色違い版、この迷宮に入って一番最初に退治した奴と同じような奴である。
ただ今回の相手は以前とは少し違い、目の前で襲ってきている奴の方がどす黒く、尻尾と思っていた頭に口と牙がある。だが目だけは無いようであるみたいだ。
まあ、前回と同じ様に頭と思っていた顔のある尻尾に致命傷を与えると、尻尾と思っていた頭が身代わりになり、脱皮して回復する事を繰り替えす。でも、こいつの弱点は把握済みなので、いつもどおりの処置を行なう。
ただ今回はやはり簡単にいきそうに無い。
それが解ったのはミーアにその部分を攻撃に行かした後に、ビックリしたような声で判明したのである。
「・・・!?おっ、お兄ちゃん!こいつ以前の奴と違うよ。ちょん切れないよ弱点である部分がすごく固くて、大変な事になってるよっ?どうしよう」
「解った、とりあえず戻って来い。何時までもそこに居たら危険だから」
「うん、解った・・えっ!?」
おっと、そう言ってる間に、ミーアが危険な目に・・・!
「ミーアッ!危な・・・!?」
色々と話しをしている間にミーアは、尻尾と思っていた頭が口を限界以上開けてミーアを襲って来たのである。それでその大口を開けた頭は、自分自身の一部と共にミーアに喰らい付いた・・・・。
「おっ、おい、マジか?ミーアーッーーー!?」
「だっ、大丈夫だよっ、お兄ちゃん・・・」
しかし俺の心配をよそに、辛うじて襲われる瞬間にいち早くランが気が付き、ミーアを咥えてその場を離脱していた。
「えへへっ、ありがとねラン。助かったよ」
「よっ、良かったぁ。しかし、ビックリしたな、なんだよあの頭は、自分ごと喰らい付きやがった。あれじゃあ自分も・・・!?なっ、なにぃぃ」
その光景ははっきり言ってビックリなのである、そいつの喰らい付いた自分自身の部位は瞬時に再生して回復した。しかしそれだけで無く、その部分と一緒に食べたであろう地面が丸ごと無くなっているのであった。
あっ、有り得ないだろう・・・あの頭と口じゃ、この地面の大穴は、許容範囲が異常すぎるぞ。しかしホントに良かった、あんなのにミーアが襲われたらたまったもんじゃない。今度は自分でやろう。
しかし流石に今の状況は、ユウマとしても焦った。今までのツインテールスネークならば2つの頭と思っていた尻尾の意識を、他に向け攻撃を与え続けていれば、ある程度は弱点部分には意識が向わなかった。
その奴が直接その自分の弱点部分にいた者に、何の躊躇もなく攻撃を加えてきたうえに、自分自身ごと喰らいつく行為を行なったのだからである。
「ミーア、次は今のところの攻撃は俺が行なうから、ミーアとランで2つの頭がある尻尾の意識を他に向けていてくれ」
「うん、それはいいんだけどね、お兄ちゃん。あいつのその部分は変な感じになってるの、ほら、ここからなら見えるよ」
俺達は先程の場所から少し移動している箇所から、ちょうど追いかけているツインテールスネークの弱点部分が見えた。
「なっ、なんじゃあの部分は?」
何故ならいつも攻撃して切断していた弱点の箇所が、今迄以上に太くなっているうえに、鋼の鱗の様な物が無数に生えて鎧のようにガッチリとなっていた。しかも何か目のような赤い玉が八つほどあったのである。
どうやら以前の奴より更に進化した奴の様である。なのでここはやはり、戦術を変えてミーアとランに2本の頭の付いた尻尾を相手して貰い。以前と同じ様に俺が如何にかしてチョン切る事にした。
ようは簡単、最近使用していなかった魔眼を解放して斬撃を強化してからあの場所に行き、さっさと切断しようと考え思ったのだ。
まあ余りにも自分が規格外になったので、最近は殆ど使う事が無くなっていた。なのでもしかしたら使えなくなっているかもと、思ったがそうでもなかった。
あっさり使用できたのである。スキルが殆ど使えないからどうかと思ったが、どうやら【超級解析】と同じ様に使えるみたいだ。
ただ使用してみて違ったのが、以前は剣に炎の様なオーラが纏っていただけだったが、あきらかに以前と様子が違うのであった。
「あれ?以前は炎の様な感じのオーラだったのに・・・なんだこれ?なんか・・ただのミスリル剣が光の剣見たくなってるし、なんかバチバチ放電していってるんだけど・・・どうなってんの、これ?」
そう以前と違い剣自身の周りに光を纏い、剣自体が光輝いているのである。しかも雪姫と月姫が今だ返事が無いで眠った状態になっているので、2人は今は拠点に置いてきている。いつもは腰に帯刀しているのだが、今回は申し訳ないがファル達と共にお留守番である。
それで、ここのところずっと自家製のミスリル剣を戦闘では使っている。ただしこの剣はミスリルではあるが、ただのミスリル製の剣ではない、なにせアリアに渡した魔法剣アイン・ドライブブラストとを製作する時に出来た副産物で性能は若干劣るが、それでもそんじょそこらの剣とは比べ物にならない代物の剣ではある。
だが・・・こんな性能と機能は、付けた覚えはない。
それでその光輝き電撃を放電させバチバチ言わせてる剣で、こいつ等の弱点である箇所、先程ミーアが硬いと言っていた箇所を切り付けると、これまた綺麗にバターでも切るようにスパッと切断できて、ツインテールスネークの強化版は、そのまま息絶え地に沈んだ。
その地に沈んだ固体を見ながらミーアが話し掛けてきた。
「おっ、お兄ちゃん!なにをやったの?私と変わって、その場所に行ったら・・・直ぐにこいつ死んじゃったけど?・・・」
「あっ、ああ、久々にアリアと同じ能力を使用したら・・・いつもと違う感じでなっ、とりあえずその剣で切ったら何の抵抗も無く切れた・・・しかも一発でだ」
「へっ、へぇぇ・・・あれぇ?お兄ちゃん気の感じが・・・?なんだろういつもと違う様な?同じ様な・・・なんだろう不思議な感じがする。なんか今はホワホワしてて優しい感じなんだけど、それでもさっきは鋭い刃物のような・・・あっ、そうだ!今は何となくだけどフィーナ様達の気に似てるような感じがするよ。うん」
はぁ、そんな事ないだろ。でも、自分の気は解らんしな・・・そんな気の感じが出てたら、また、神化してる事になるぞ。せっかく封印して貰い、その道の方は行かないようにしてるのに・・・ついでに自分でも封印アイテムを装備して、力をこれ以上身に付かない様にと色々工夫してるのに・・・・あっ、まさか気のコントロールとかしてたからか?封印が効かなくなってるのか?
そう思いステータスを確認使用と思ったが、他にいた5体が一斉に襲ってきた。
第九章:第三十二話につづく
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いや、先程のツインテールスネークの強化版クラスの奴を、5体同時・・・?




