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第四十六話

 そして、この一件はとりあえず終わり、この場で一旦解散する事になった。

 ちなみに今回魔人族が関与したと思われる一連の厄災の件については、女神様達による救済処置が行なわれた事になり、あの村と周囲の町の人々には伝えられた。

 まあ、確かに俺達の名を出されたら困るし、実際に大変なことになりそうな予感がする。


 今回の被害があった場所の復旧及び救済は、女神であるマリエル様達はいっさい手を出す気はなく、その地域の者達で独自にする様に言い渡しているようだ。

 ただアイスヘンジに関しては確かに多少崩れていたが、機能的には問題なく最小限の補修でいいみたいなので、これはマリエル様の使徒にまかせ補修する予定になっている。

 しかしその肝心の使徒がいないので今のところ補修はしないそうだ。現状機能的には問題ないのでいずれ補修するみたいな事を言っていた。

 だが、その話をしている時、マリエル様がチラチラと俺の方を見ながら説明していたので、そのうちこっちに話しを持ってきそうな気がする。まあ、フィーナ様がOKをだしてくれたら考えてもいいけどな。


 それでユウマ達が帰還したあと、徐々にあのアイスヘンジ周辺の気候が戻って来ている事も判明し、このあとその周辺にも問題がなくなってと、言うより周辺にいた魔獣(モンスター)はもちろん危険な獣もいなくなっていたので、これ以上は女神マリエル様はもちろん守護天使達が関与する必要が無いと解り、女神様達みんなでこちらに来たそうだ。


 ただし今回の一件で、神界にあるシステム事態に、色々と不具合が発覚した事により、マリエル様の管轄していた大陸での問題を見直し、他の案件の問題も見直すことになった。

 それでフィーナ様とシルク様の管轄している大陸を、管理する部屋のシステムも見直す事になり、中央にある予見やすべてを管理するシステムも見直す事になっているらしい。


 それでその間は出来るだけ下界のフィーナ様の部屋に滞在する事にも、なっている事もこの後話してくれた。

「それで、さっきは言い出せなかったんだけど、この4人の寝泊りできる部屋を神殿に造って欲しいかなぁって。あとぉ、それと・・・・」

 フィーナ様は部屋の件に関してはすぐに言葉に出したが、その他の話を言いよどんでいた。


「えっ、でも神殿内にはあのあと5つほど別の部屋を造っておきましたよ。ほら、以前フィーナ様とミアちゃんが同じ部屋じゃ、何かと困るから別の部屋を作ってくれって頼んでましたから、それに使用人の娘達にもドデカイクローゼットと作業部屋を造ってとも頼まれましたから」


 以前フィーナ様はもちろんの事、ミアちゃんや使用人の娘達にも頼まれていたので神殿をある程度拡張して、最近その入口を神殿に繋げたのであった。


 それで実際この屋敷にある神殿は森の中に隠しているので、大きさを視認できないがハッキリ言って途方も無い大きさになっているはずだ。


 まず入ってすぐに祭壇と広間があり、その入口の反対側の奥の方に転移門の間がある。

 その祭壇を中心に片側のすぐの場所にフィーナ様の部屋があり、今回別にミアちゃんの部屋を作っている。その反対側には以前は1つしか扉がなかった。その扉の先にはユウマの秘密の工房があった。


 しかし今はそちら側には扉が三つに増えており、1つは巨大なクローゼットと使用人の娘達に頼まれた工房になっている。そして、もう1つの扉には部屋を3つ程造って、フィーナ様の部屋がある方の神殿の入口付近に2つ部屋を作っていたのである。


「うん、うん、さすが私のユウマさん。仕事が速いわね。私は感激だよ」

 フィーナ様は何気に俺の事を自分のものみたいに胸を張り喜んでいたが、それを無視するようにシルク様とマリエル様が話し掛けてきた。


「でも、良いのですかユウマさん。私達がそのこの部屋を使っても」

「うちは嬉しいけどなぁ。でも、迷惑じゃないの?こんなにうちらが押しかけて?」

 いやいや、そう思うなら始めからここに、団体で来ないで下さいよ。とか思ってるけど言える訳無いでしょう。


 まあ、使うのは別にいいのだけど、問題は何時まで居座られるかだけだが、まあその点は大丈夫だと思うが・・・若干心配だぁ、なにせフィーナ様は既にもう居座っているからな。


 そんな事を考えていると、フィーナ様が近付いて来てお願いを相談してきた。

「ねぇ、ねぇ、ユウマさんさっきのお菓子って、まだあるのかな?」

「えっ、それはまだありますけど・・・・いや、駄目ですよ夕飯が食べれなくなりますよ」

「ええぇぇぇ、そんな、あれ、美味しかったから欲しいんだけど、ねぇ、もうちょっとだけお願い」

 フィーナ様のそこ言葉に、この場所にいる女神様2人と守護天使の3人娘達が無言で頷いていた。


 いや、流石にあんだけ食っておいて、まだ食うなんてどんだけなんだよと思っていると、聞いた事の無い娘の声が聞こえて来た。

『ああっ、私もそれを食べたいの?お兄ちゃん私にも、それを食べさせてよぉぉぉ』

 あれ?確かに聞いた事が無いはずなのに、何故か懐かしいような声が聞こえて来た。


 すると転移門が淡く輝き出し、そして1人の少女が現れこちらに飛んできたのだ。


 現れた少女はそのまま宙を飛び近付いてきて、ユウマに抱きついて声をあげた。

「お兄ちゃん!やっと会えたよ。なかなかこの時代にこれないし会える方法が無かったけど、やっと会いにこれたよ。・・・おりょ?なんで力がほとんど封印されてるの、なんで?」

 突然抱きついてきた娘は、フィーナ様達と同じ様な羽の翼を羽ばたかせユウマに飛び付き、そしてユウマの事をお兄ちゃんと呼んできた。姿的にはフィーナ様達と変わらないが、幼い顔立ちでヘアスタイルは銀髪のツインテール風であるが、瞳の色は右目が金色で左目は銀色のオッドアイである。しかしその容姿は見たことのある少女に思えたのである。


 するとその姿を見たフィーナ様が驚き最初に声をあげた。

「えっ、メッ、メルちゃん?・・・」

「なっ、なんであんたがここに現れるのよ?」

「あやや、メルちゃんやん?なんでここに?」

 どうやら女神様達3人は、この少女の事を知っているようだ。


 あれ?でもこの感じ以前もあった様な、無かった様な・・・ん?んんん。

 ユウマは、抱きついて来ている少女の顔を良く見て、髪の色と瞳の色が違うがある少女の事を思い出し声を漏らした。それも自分が知っていて懐かしい名前を声に出した。

「お前・・・・ティナか?」

「うん♪ティナだよ。お兄ちゃん」

 そうだこんな抱き付き方をするのは、実妹のティナかミナ達双子ぐらいしかいない。それにこの娘は・・・?あれ、3年前ぐらいて言うより、何時からか解らんがこいつの記憶が無い。

 どういう事だと考えているとフィーナ様達が不思議そうに声を掛けてきた。


「えっ、えっ、どういうことです?ユウマさん、メルちゃんと知り合いなの?」

「なっ、なんでここに時の女神であるメルティナ様が?」

 フィーナ様がティナと俺が知り合いだった事に驚いてって・・・メルってだれ?しかもミアちゃんに関しては、時の女神とか、メルティナ様とか言ってるしどういう事だ?


 そんな事を考えていると、今だお兄ちゃんと連呼して抱き付いて、頬ずりしてくるティナをよそに、今度はシルク様とマリエル様が話し掛けてきた。

「まさか、ユウマさんがメルの知り合いだったとわね。でも何となく納得できたわ」

「そうねんなぁ。でも、まさかユウマさんがメルちゃんのお兄さんだったなんてね。よく見て考えたらよう似とるわ」

 いや、確かのティナは妹ではあるが、女神様達の話の内容ではこの娘は時の女神様という存在らしい。しかも髪と瞳の色が違うし背中に羽まで生えてるが・・・どういう事だ?


 そんな事を考えていると、神殿にユアが走って向かってきて、神殿の入口の扉を開けるなり声を掛けてきた。

第八章:第四十七話につづく

「ユウ兄、ユウ兄!この匂いってあれだよね、カレーだよね。カレー出来てるの」

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