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第三十九話

 そしてそのままみんなの元に行き、事情を説明して気絶している新種の魔獣モンスターを連れて神界に帰って行った。

 神界に戻って俺だけは、すぐに自分の屋敷に戻る事にした。


 何故そうしたかと言うと神界に戻ってきたら、何故か神界にいたフィーナ様を含む女神様達と守護天使達のみんなが忙しそうで、あっちウロウロ、こっちウロウロと何かの作業を必死に行っていた。


 それでちょうどミアちゃんが戻ってきた俺達に気が付き、神界にあるフィーナ様の部屋で待つよう連れて来てくれたが、俺だけは先に下界の屋敷に戻ることを伝えた。

「あっ、俺もう屋敷に戻っとくね。下拵えをしなくちゃいけないんで」

 俺はウキウキしながらさっさと神界を後にした。

「えっ、ユウマさん。でも、えっ、えっ?」

 ミアちゃんが引き止める前にさっさと、自分の能力で転移をしてしまっていた。


「あらら、ユウ君さっさと帰って行ちゃいましたね」

「はい、ユウマ様は(わたくし)達には、ゆっくりして帰ってくるようにとも言ってましたし、ユウマ様は自分お1人だけだったらすぐにでも転移出来るみたいですから」

 メグミはさっさと帰って行ったユウマの方に視線向けていると、シルフィーがユウマに言われていた事を話した。

 するとファルとフレイ、それと雪姫と月姫もシルフィーの言葉に頷いていた。


「ええ、それにさっき、あの子が私に後をよろしくって言ってたわよ。肝心の説明は全くしないでね。まあ、それは後でもいいけどね。でも、たかだか滞在が伸びたからって、そんなに慌てる事無いじゃないの。ねえ、ヨーコ」

「うーん、でも流石に5日近くも音沙汰無しだと、みんな心配すると思うからどうにかしないと」

「あっ、それなら大丈夫ですよ。フィーナ様の神託でフィリアさん達の事は連絡してますから、まあユウマ様達の方は私が直接伝えていますので」

 ヨーコの心配ごとに対して、ミアちゃんが既に連絡している事を教えてくれた。


 まあこの神界から下界に転移するため、フィーナ様か他の女神の力がないと、実際下界への転移は難しいらしく、ましてや特定の場所に複数の人員を転移する事には、特に女神様の力が必要であるらしい。

 それにこの場所から直接的にユウマが作った神殿の転移装置へ戻るには、フィーナ様の力がないとその神殿の転移装置には接続することが出来ないのである。そのため実際にフィーナ様を待つしかない状態であった。


 その頃、一足早く屋敷の神殿に転移していたユウマは、神殿から屋敷に向かって歩いていた。


 しかしこのときユウマは、ここに戻て来た時点では3~5日間程たっていると思っていた。

 何故なら神界とイルミナ大陸に約その日数は滞在していたからであった。それは神界では約2日間準備と対策を行い、その後には約2日間ほどイルミナ大陸の今回行った場所で戦闘や調査をしていたからだ。


 だが、ユウマがここに戻って来たらどうやら実時間では、2時間から3時間しかたっていなかったようのである。


 何故そうのような事に気が付いたかというと、戻ってすぐに神殿から屋敷に向かう途中で、たまたま会ったリンクとロン、それと使用人の娘達が何事もなかった様にユウマに話しかけ、そして話していたからである。


 まず最初に違和感を感じたのは、リンクとロンがちょうどどこかに行くようで、ユウマに気が付き話しかけてきたからである。

「あっ、兄貴!あのさ、たまにはさあ俺達に稽古付けてくれよ」

「そうですよ。兄貴、最近はまったく、僕らの相手をしてくれてませんよね。たまには僕達と一緒に迷宮(ダンジョン)に行きましょうよ」

「あっ、おい、ロンそろそろ時間じゃねえか?」

「アッ、ホントだ。それじゃ兄貴。僕達は今日から2、3日、近くの村に魔獣(モンスター)退治で騎士団の人達について行きますんで、帰ったらよろしくお願いしますね」


 そう言葉を掛けてた2人を見て不思議に思った。


 あれ、俺は確か3~5日連絡もしないで、よそに行ってたのに・・・。何故だ?この反応は?


 そんな事を考えているとユータが言葉を掛けてきた。

「あっ、そうだ忘れてた。兄貴、みんなに伝えてなかったから、兄貴から伝えておいて、頼んだよ。じゃ、行ってくるからね」

「兄貴、お願いしますね」

 そうしてリンクとロンは、俺に伝言をしてさっさとどこかにいってしまった。


「あれま、あいつら俺の話も聞かないで、どっかに行ってしまったぞ。しかしどうなってんだ? 俺達は間違いなく3、4日は居なかったはずだが・・・?あの反応はなんかおかしいよな」

 そんな事を考えていると、今度は使用人の娘達数名が神殿に向かって来たので、ちょうどいいと思い話しかけた。

「ねぇ、ねぇ君たち・・・」

「あっ、ユウマ様。先程はご馳走様でした。バーベキューは、とても楽しくて美味しかったです。また、よろしくお願いしますね」

「はい?えっ、それは・・・?」

「今日はホントに楽しかったです。また、お願いしますね。ユウマ様」

「そうそう、私、ホントにここに来てよかったわ。もうここ以外の場所では働けないわ。それじゃユウマ様。また」

 使用人の娘達は、自分達の言いたい事を言って、キャピキャピと話しながら神殿の方に向かって行った。


 すると使用人の娘の1人が、何かを思い出した様で俺のそばに来てある事を教えてくれた。

「あっ、そうでしたユウマ様。先程お客様がお帰りになりまして、そのかれえでしたか?それが出来たらまた呼んでほしいと、言っておられましたので、ご報告をしておきますね。それじゃ私達は作業がありますので」

「あっ、うん、えっ?どういうこと?」

 この話しを聞いて俺達が神界に言ってそんなに時間が経ってないと知ったのである。

 実際に自分で確認したら、俺達が留守にしてから3時間も経っていない事が解ったのであった。


 しかしこの時点でユウマは、おそらくフィーナ様達、3人の女神様がどうかして時間が経過した分だけを戻したんだろうと簡単に考えていたのだ。

 それで時間に関しては、だいたい把握できたが、肝心のなんで時間を戻したのか状況の方が殆ど訳が解らずにいたが、まあ気にする事でも無いので、その時はそのまま屋敷に行く事にした。

「どうなってんだ?まあ、後でフィーナ様に何で時間を戻したか聞けばいいか。それよりも早く調理室に行ってカレーの下拵えをしよう」


 そう言葉を漏らし屋敷の調理室に向かって走っていった。

第八章:第四十話につづく

 実の事を言うと・・・このとき過去に時間をさかのぼって戻って来ていたのはユウマだけであり、しかも神界にいる他の者は誰もしらないな状態だったのである。

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