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第二十四話

ユウマ達がそれに気が付き【瞬間移動】を使用する少し前に、そこでは異常な戦闘を行なっていたのであった。

 それが起こったのは、ちょうどユウマがアイスヘンジに着いたころであった。


 フィリア達はそのころ例の領主の館に着いたぐらいだった。


 そこで、寒冷地特有の魔獣(モンスター)が領主の館から沢山出来たのである。


 まず最初に相手をした魔獣(モンスター)は、比較的に弱いが集団行動で襲ってくる、氷塊の番犬といわれるアイスヘルの集団であった。その数は100匹前後の大量集団であった。


 このアイスヘルに関しては、ハッキリ言ってフィリア達の敵では無かったがやはり数が多かった。


 魔獣(モンスター)アイスヘルと対峙すると即効で、シルフィーとメグミさんの火炎魔法で前方にいた20匹以上を消し炭に変えた。そこにすかさずヨーコさんが爆裂魔法を後方にいた半分以上のアイスヘルを吹飛ばした。


 この時点ではフィリアさんは現在の戦闘には参加をしていない。というより参加する必要も無かった。

「あのさ、あんた達さ。ちょっとは手加減したら。ほらこの領主の館の入口門が跡形も無いじゃない」

「えっ、でもお姉ちゃんだって、さっきの建物を跡形も残らない様に吹き飛ばしたじゃない。虫がいやとか言って」


「うっ、それを言われると、どうしようも無いけど。でも、虫だよ、虫。あの茶色い奴だよ。いやじゃん見るのも、対峙するのも。なんであんなのがいるの?もっとましな魔獣(モンスター)いるでしょ。よりによって虫よ」

 そうここにやって来る前、この領地にあった集会場か何かの建物で、かなり巨大な建物があった。


 しかし、そこにいたのは虫系の魔獣(モンスター)で、それが建物内に大群がいたらしい。ただその建物から出てくる事は無かったが、その建物の窓からフィリアが一番嫌いな虫、茶色い奴が一瞬見えてしまっていたのだ。


 それでフィリアはその場所、いや建物を有無を言わさず究極爆裂収束魔法である【重力衝撃破グラビティーインパクト】を放ち、その場所を空間ごと消滅させていた。


 そのとき何故、魔獣(モンスター)が大量にいた事が解ったかは、気配察知の魔法を使用していたからである。ただし何がいるか解らないし別にその場所から出てくる気配が無かったので無視していた。

 だがたまたま視線をその建物の窓付近に向けたときに、フィリアの嫌いな虫、特に一番嫌な虫を目にしたのであった。


「でも、流石に(わたくし)も、あれとは戦いたくなかったので、あれでよかったのでは?」

「まあ、確かにあの手は虫は倒すより消してしまった方が無難ですよね」

 シルフィーとメグミも基本的に虫系の魔獣(モンスター)はあまり好きではなかったので、直接戦うことはしたくなかったのでフィリアのフォローをした。


「そうそう、あんな奴ら消して当たり前よ。あんなのが世間に出回ったらと考えたら・・・ゾッとしないわ」

「でも、お姉ちゃん、もし人がいたりしたら・・・。まあ、こんなとこにはいないだろうけど。あの魔法を打つ前に教えてよね」

「うっ、それはごめん。でも、奴よ、奴。あれは見るのもいやなの。あんな奴のいたところも見たくないの」

 最後らへんでは目に涙を溜めてフィリアが訴えていた。それを聞いていたヨーコも最終的には何も言わなかった。というより自分もあの茶色い虫、ゴックローチだけは相手にしたく無いし見るのも嫌だったからである。

 それに、その虫の魔獣(モンスター)が落とした魔石も拾う気もしなかったのである。まあ、実際その魔石も残らず消滅していたのだった。


 それからこの領地というより雪山全体には、もう人や獣人等はおらず、その代わり寒冷地に強い虫やら魔獣(モンスター)、獣が多い。


 それでそのほとんどの奴らは、ここの寒さと天敵がいないこの場所をいい事に、多くの種類と大群で押し寄せている様なのである。


 何故なら今回のように極寒の場所で冒険者などの天敵が、一切近付く事がほとんど無い。なのでこの場所は多くの虫やら魔獣(モンスター)や獣達にとっては、まさに天国であり、脅威なものが安全に繁殖できる。

 それに最終的には、すごい数になり世に出回ってしまうのである。


 本来ならそれを防ぐために、そういう場所にはだいたい強力な結界や遺跡が存在するのだが、今回はそれがまったく役に立っていない様なのである。おそらくアイスヘンジが、その役割をしていたのだと思う。


 それに、今回のこの事象を未然に防がなかったら、間違い無く大厄災の一歩手前であったはずだ。

第八章:第二十五話につづく

 しかし、ここに来ている者達は一切そんな事が起きるとは思ってもいなかったし

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