第五話
そして、騎士達の戦闘が終って他に異常が無い事を確認してから・・・・みんなの方を向き、今から牛魔王を討伐する為に、部屋の扉を開けようと・・・??? へっ、なにしてるんだ? あの娘は・・・。
何故かリンカちゃんが、ひとりでかなり大きな扉を片手で軽く開けている。
「それじゃぁ、行って来るねぇ」
そして、その言葉を残しスキップで牛魔王のいる部屋の中に入っていった。
《ギギギィィッ、ギッギッガチャン》
他の娘が中に入る事もなく、リンカちゃんに手を振って見送ってる。
・・・・・?
へっ、俺が余所見してる間に何があった?
「はっ、なんで、リンカちゃんだけが入ったんだ? ねぇ、なにしてるの。リンカちゃんひとりで?」
「あっ、ユウ兄。あのね・・・・」
ああ、どうやら俺が余所見して考え事をしてる間に、とんでもない事をやらかしていたよ娘の子達は。
そんな事をしようとしているかは・・・それは、ここの大将である牛魔王を、ひとりでどこまで対抗できるかをジャンケンで決めたそうだ。 まあ、言いだしっぺは誰かは・・・だいたい想像は付くが、それでも未知なる相手をひとりで相手するなんて無謀すぎる。
だか、おれの心配をよそに他の子達は言いたい事を、それぞれ言い出した。
「ああっあ、これで俺達の出番は絶対にないよね。だってリンカ姉ちゃんだから」
「いいなぁ、私も戦いたかったよぅ」
「ええ、アリアの言うようにリンカさんが一番手では、もう後には絶対・・・回ってこないでしょうね」
ユータはリンカちゃんが一番手になった事で諦め、アリアも残念がっていた。それを追い討ちをかけるようにレーネさんが付け加えていた。
「はぁぁあ、流石に5分持つのかな?」
「あれ?ゴフンってなんです?」
ユアちゃんがリンカちゃんの心配かと思ったらどうも相手の心配をしていて、のんきに5分と言う言葉を不思議に思ったメイリーがミナに尋ねていた。
「ふぇっ、ああ、えっと5分は、確かここで5メリテだったかな?・・確か」
「ああ、5メリテですか・・・? それなら・・・・持たないでしょうね」
「うん、絶対に、無理だと思いますよ。だってリンカ姉様だから相手が可哀想ですね」
メイリーの言葉に同意するようにユイカちゃんも答えていた。
「「「うん、そうだと思う。相手は可哀想だよ」」」
最終的にみんな納得して首を縦に振っていた。
その様な言葉を聞きながら、ユウマはある事を思い出して声をあげた。
「あっ!今回は討伐目的じゃなかった。肉目的だった事忘れてた。早くリンカちゃんを止めないと、粉みじんにされかねない」
そう言って急いで扉の前まで行ったところで。
《ドゴーン、ガン、ドドドッドーン》
「ぐぅはぁぁぁ、きゃゃぁぁぁぁ・・・・・・」
《チュドォォォォォン・・・ドン・・・》・・・・シーーーン。
「えっ?・・・・!?」
だが、どうやら既に遅かったようで部屋の中からすごい音と悲鳴が聞こえてきた。そのあと、とてつもない爆発音とともに部屋の中が静かになった。
第八章:第六話につづく
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もちろん、叫び声はリンカちゃんではなく、おそらくここの大将の声・・・いや、悲鳴だろう。




