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第十五話

 まさか、出てきたばかりの城に、また戻るのは流石に嫌だったので、もう1回女神フィーナ様に相談しようと思っていた。そして今夜にでも、また連絡しようと考えていたのであった。

 そろそろ先程の採取依頼の査定も終わっているだろうし、夕方までには屋敷に戻りたいから冒険者ギルドに向かう事にした。


 何故夕方までに戻らないといけないかと言うと、現在メグミ達《銀翼の翼》で購入中の屋敷、その残りの代金を支払う為に、今日に夕方ごろにカノちゃんとリリアちゃんのお父さん達を呼んである。それに今回はその為にみんなで行くはずの、討伐依頼をわざわざユウマは断ったのだからであった。


 そして、冒険者ギルドの受付カウンターで、先程渡した採取品査定の結果を確認をするとギルマスの部屋へ行くように言われたので、仕方なくフィリアのもとに向かう事にした。


「まぁた、やってくれたわね、ユウマ。ギルド職員達は、もうあなたの事で持ちきりよ」

 入室と同時に呆れ顔でそう言葉をフィリアがかけてきた。


「でも、今回のは不可抗力ですよ。まさかランクAの案件がランクCになってるなんて、普通は解りませんよ」

 そう答えながらいつもの様にソファーに腰掛けた。


「ええ、それはいいのだけど。問題は、時間よ、()()()。あんたあの案件は最低でも5日はかかるよ。それをたった5ヒュリテて、それこそ普通じゃ考えられないのよ。まあ、私は出来るけど」

 何気に自分の事を自慢してる。まあ、知ってたけどね。それでも異常な時間らしい。


 ランクを間違えいたのはいいのかよと思いながら。やっぱりこの短時間はまずかったのかと、思いつつ声をだした。

「うっ、それは・・・まあ、いいじゃないですか。汚点が残らなかったし被害も無かった事ですし・・・それに知ってるでしょ」

 とりあえず時間に関する話題から、気をそらそうと別の話に切り替えた。


「はぁっ、まあ、その点は感謝してるわ。ありがとうユウマ。普通だったら新人職員であるメイプルなんか首よ、しかも責任問題であの子に教育した子とかもクビよね。私もどうなる事だったか・・・。ただあの子に全てを押し付けた原因の子は謹慎処分か最悪クビだけどね。それにあんたじゃなかったら、こちらの不手際でその依頼を受けた冒険者と依頼元の人と業者に賠償ものだったわ」


「いや、せめてそこは・・・・・、まっいいや。そういえば、そのメイプルちゃんはどうしました」

 文句を言おうとしたが、また先程の話を巻きかえされたらたまらないと思い。そこは我慢して新人のメイプルちゃんがどうなったか尋ねた。


「ええ、あの子は自分の失敗を悔やんでいたから、今は必死にお勉強中よ。しかも今度教えているのはヨーコだけどね。今後しだいでは化けるかもしれないわよ、あの子。ヨーコは厳しいけど今まで色んな職員を育ててきたから。実際あの子が育てた職員はみんな優秀なのよ」

 そんな話をギルマスであるフィリアさんと話してから、報酬である代金を受け取った。


 ちなみに報酬は、睡蓮草華(すいれんそうか)の採取依頼は金貨2枚と水結晶塊鉱石(アクアルアコウセキ)の採取依頼は金貨5枚で、ポポタの薬草採取が実は破格の報酬で、しかも3本あったので金貨10枚と特別ボーナスで金貨3枚だった。この全ての採取依頼の報酬合計は金貨20枚だった。

 しかも先程食堂で例の怪魚である肉食魚ガルガの話をすると、是非分けて欲しいとお願いされたので、自分の分を数十匹残して後は全て渡したら、後でその分の報酬とこの食堂で食事をする際は何かをサービスしてくれると言われた、早速今日の食事代もサービスしてくれたのであった。ちなみに報酬は金貨2枚だった。


 そしてポポタに関しては、ただのポポタでなく最上級の物で上位種のポポタボだったらしく、あそこまで大きいものは非常に珍しい物だそうだ。

 それはそうだろう普通のサイズの10倍って言ってたし、それにそれを3本持ってきたからであった。

 このポポタいやポポタボは、例の薬品類を薄めたり加工する為の、薬液を作る材料でここまで成長していると中ですでに熟成された液を採取できるそうで、そのままでも薬液としても十分使えるし、手を加えて上級品の薬液を大量に精製、採取できるそうだ。


 そんなこんなで冒険者ギルドでの用事も終ったので、直ぐにでも屋敷に戻る事にしたのあった。


 そして屋敷に戻ってきて、もう一度広大な敷地を端から端まで見て周り。それからとりあえず、作業の準備だけでも今のうちに取り掛かる事にした。


 準備と言っても、まず増築する部分と土台にする場所の確認を行い。錬金術で使う土壌のや敷地の状態を確認して採取してきた木材の一部を出して加工などをして時間をつぶしていた。

 加工を行なう為の材料と道具類は、商会ギルドでほとんど購入しているので問題ない。それに必要な道具や材料は最悪自分で作ると言う事も可能だからであった。


「ユウマさまぁ、どこですかぁ・・・。あっ、いたいた、ユウマさま。お嬢様達のお父様がおみえになりましたよぉ・・・」

「うん、ありがとう。直ぐに行くから・・・・」

 色々確認と準備している間に、カノちゃんとリリアちゃんのお父さん達がやって来た事を、他の使用人と違うメイド服を着た娘、マイちゃんが知らせてくれたので急いで屋敷の中に戻っていった。

 ちなみにこの他の使用人と違うメイド服を着たマイちゃんは、この屋敷にいる中でカノちゃんとリリラちゃんの次に若い娘で、実はその2人の専属メイドだそうだ。それにそのメイドはマイちゃんを含め、あと4人専属のメイドの娘達がいる。

 で、その娘が何故俺を呼びに来たかと言うと、その娘達は、良く俺にリンクやロンの事を聞きに来るのでそれで何故か仲良くなっていたと言う事である。


 そのままカノちゃんとリリアちゃんのお父さん達が待つ応接室まで向かった。

 一応挨拶等を一通り済ませて直ぐに本題に入っていった。

「それでは、ユウマ殿。娘達に残りの代金を支払うとお聞きしましたが、まことですかな?」

「あっ、はい、こちらが代金になります。後、すいませんがこの屋敷関係も増築とか改築をしたいので、正確な敷地の図面等と資材関係の手配をしてもらえませんか。一応資材関係はこちらにメモして置きましたから。それでその分代金も上乗せで入れてます。足りなければ言ってください」

 そう説明して白金貨が10枚入っている袋を渡した。


 その袋の中身を確認して、カノちゃんとリリアちゃんの父親達は驚いた顔をして語りかけてきた。

「えっ、ユウマ殿。これは流石に多すぎますよ。この資材を用意したとしてもこれでは多すぎます」

「あっ、それは先程言った物の準備と、今後色々とお願いする事になると思いますので、その前金とでも思ってください」

「それでも、流石にこの金額は・・・・」

「確かに、この金額では、多少出所が気になりますし・・・・・」

 どうやら2人の父親は、この大金の出所を不審に思っているようだったが、

「お父様、このお金はユウマ様のまっとうなお金だそうです。それにここには・・・『ゴニョゴニョ』・・・」

「ええ、お父様。それにリンカお姉様達の信頼している方ですよ。なにより・・・・・『ごにょごにょ』・・」

「「なっ、それはホントかい?」」

「ええ、でもこれは他言無用でお願いしますねお父様」


「・・・・解りました。それならこれは喜んでお受け取りいたします。今後とも娘達共々よろしくお願いします」

 2人の父親は最初は、警戒して受け取らなかったが、その後カノちゃんとリリアちゃんに説得された事により、しぶしぶ受け取ろうとしていたが最終的に納得して受け取ってくれた。しかし2人はなにを言ったのやら、聞きたいけど聞いたら聞いたで、あとで後悔しそうなので尋ねる事はしなかった。


「あっ、あとですね。こちらがこの屋敷の所有証明書になります。それと後こちらが屋敷の図面と先程言っていました。敷地に関する図面です」

「えっ、もう持ってきてくれてたのですか」

「はい、娘達から敷地に関する事も一緒に連絡がありましたので、それで準備しておりました」


 その話を聞き図面に目を通して、必要な部分と土壌の性質を確認した。

「ありがとう御座います。これでだいたい土地に関しては解りました」


 その後は一緒に夕食を取り、それからカノちゃんとリリアちゃんのお父さん達は帰っていった。ちなみに泊まってもらっても良かったのだが、あいにく今現在客室が無い状態なので2人の父親はこちらが進める前に、断りを入れて帰って行ったのであった。


 そして次の日に、ユウマがまた自重せずに、今ある屋敷の横に今の屋敷の数倍はある屋敷を錬金術と創造魔法を使い作ってしまったのである。

第七章:第十六話につづく

今ある屋敷の倍以上ある大きな屋敷をたった半日、夕食の時間までの間に外見部分を建ててしまったという事だ。

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