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第十四章

そう言ってホノカさんが近くで、アタフタしていたギルド職員を呼びつけ資料を持ってもらった。

 そのギルド職員の()を良く見ると、今朝依頼を受注してくれた少女じゃないですか。・・・でも何故泣いているの?

「グス、ホノカさまぁ。 ウグッジュ、資料をお持ちしました。グス」

「こんにちは、今朝はどうも・・・あっ、これ使います」

 涙と鼻水で可愛い顔が台無しになっている()に、手ぬぐい風のタオルみたいなのを渡した。


「あっ、はいグス。ありがとですグス。それとこんにちはグス、今朝はどうもです。グス・・・・・ズヴィッ・・グジュグジュ・・・?」

「えーと、ふむふむ、間違いないですね。ユウマさん、こちらになりま「ああっ!」・・・」

 ホノカさんがその受け取った資料を確認してから渡さしてくれている途中で、泣きながらその資料を持って来てくれた職員の()が突然大きな声をあげた。


「あっ、ああ、こちらの方です。依頼を受注された方は・・・」

「へっ、どうゆう事です。メイプルさん?」

「なになに、どうしたの?」

 何故か俺の方を見て声をあげ叫んだ。


「はっ、はい。この方があの依頼をお受けになった方です。でも、良かったですぅ、まだ出発していなくって・・・」

 そういいながら俺の手を握りながら飛び跳ね喜んでいたが、どう言う事だ?


「えっと、ホノカさんどういう事ですか?」

「あっ、はい、あっすみません。その前にちょっとだけ失礼します」

 そう言って先程からあっち来たりこっち来たりしている他の職員達に、依頼を受注した人が解ったのと緊急依頼の解除を指示してこちらに戻ってきた。


「ユウマ様すいません。先程の説明いたしますので、こちらの方にいらしてください」

 どうも別室で説明してくれるそうなので、そちらに移動した。


 そしてまず、今回のミスについてを説明してくれた。


 するとやはり今回俺が受けた採取依頼は、ランクCの低いクラスの依頼でなく、ランクAクラスの上位冒険者への採取と討伐依頼だったそうだ。

 しかも単独でこなす様な依頼内容ではなく、ランクAクラスの冒険者が最低でも2人かそれ以上の人数で行なうか、もしくはランクBクラスの上位冒険者が3人以上の複数で行なわないといけない危険な依頼であった事と、その中の依頼内容を詳しく書いていなかったと事を詳しく説明をしてくれたのだ。

 それと本来は、採取依頼と併用するのにはそれなりの準備手順などがあるのだけれど、それの説明と報告を忘れていたのと、一緒にいた職員の確認漏れだったそうである。


 やはり、おかしいと思ったんだよな。まあ、もう完了しているからいいけど、今度はチャント自分でも確認しようとユウマは思っていた。


「でも、良かったです。まだ旅立ってなくて、それにユウマさんのランクでもかなり厳しいと思いますので」

「ヘッ、どういう事ですか?・・・もう、採取は終わって換金に戻って来たんですけど?」

 その言葉に何故かホノカさんとメイプルちゃんが驚いた顔をしてお互いを見た後に。


「はぁ、いやいや、そんなの無理ですよ。今朝受注してからまだ5ヒュリテしか経ってないですよ。それに記載していた期限も短すぎる内容だったんですよ。それをいくらなんでも・・・・」


「そうですよ、脅かさないで下さいよ。流石に新人の私でも解りますよ。その場所に向かうだけで最低でも3日はかかりますから、だから冗談だって解りますよ。あははは・・・はは・・・へっ」

「・・・・・」

「えっと、ユウマさんまさかとわ思いますが・・・」

「はいっ、これですけど・・・」

 依頼にあった採取素材の全てをこの部屋の机の上に並べた。流石にポポタは大きかったので床に出した。


 するとホノカさんは呆れ顔になり、メイプルちゃんは口を開けて、立ったまま気絶していた。

 何故気絶したのかは置いといて、とりあえず鑑定と受注確認をしてもらう事にした。

「えっと、とりあえず。これが依頼の品物なので確認して貰えます。時間がかかるようなら、ちょっと飯食って来て良いですか?」


「えっ、あっ、はい、良いですけど、これは薬草のポポタですか。かなり大きいのですが?」

「えっ、やっぱり大きいのですか?・・・これじゃ駄目ですか」

「いえ、大きさは別に問題ないのですが。これは通常の10倍はありますね。こんなのは初めてですよ。それにこの時期のポポタは、花がついていないので採取方法も違うのですが、これは見事に咲いてますし、そのままの状態なので問題ないと思います。ただ・・・鑑定してみないと今のところ何とも」

 なんと、これで10倍の大きさなら、もう1本の奴はさらにデカかったから20倍はあるのかな、とりあえず取り出さず収納したままにしておこう。こいつでこの驚きのようだからもう1本の奴を見たらホノカさんもメイプルちゃんみたいに気絶するかも知れない。


 しかもこの時期の採取方法は違うのか、なら今回俺が受けたすべての依頼書の内容は、滅茶苦茶だと言う事になるのか。どうなっているの、このギルドの職員達は、あとでフィリアさんに詳しく聞こう。

 そうユウマは思っていたのだった。


「それじゃ、後はよろしくお願いしますね。俺、飯食ってきますから」

「あっ、はい、おそらくそんなに時間はかからないと思いますので、後で受付カウンターに声をかけて貰えれば対処いたしますので」

 その言葉を聞き食堂の方に向かった。

 食事を終らして商会ギルドに必要な残りの資材の購入と、森でとって来た木材の一部を買い取って貰い神殿の情報も仕入れた。


「えっ、ならこの都市の中には、王城内しか神殿が無いのですか?」

「そうだよ。この都市には、王城内しか神殿はないな。あとは、そうだなぁ・・・。あっ、あそこがあるな迷宮洞窟の奥にあると聞いたことがあるぞ、ただ何処の迷宮洞窟だったか忘れたな」


「そうなんですか。うーん、城か流石に・・・」

 あれこれと店主に話を聞き情報を仕入れていたら、この商会ギルドに仕入れに来ていた職人風の男性が声をかけてきた。

「おっ、アンちゃん神殿に興味があるのかい。それなら自分で作るって方法もあるぞ」

「えっ、作れるんですか?」

「ああ、ただ簡易的なものでな、まあホントに神様が下りてくるかどうか解らないが、よく貴族とか金を持ってる者は結構作ってるみたいだぞ」


「ああ、それなら俺も聞いた事あるな、それとあと教会とかにあるのも簡易的に作られた神殿らしいしな。気まぐれな神様なら降臨してくれるかもな」

 そんな話を商会ギルドの販売店で色々聞いたのであった。


 なるほどチャントした神殿は、このシルフォードでは城の中か、どこかの迷宮洞窟にしかないのか。

 それとその後に聞いた簡易的な神殿の事を、ちょっと考える事にした。


 まさか、出てきたばかりの城に、また戻るのは流石に嫌だったので、もう1回女神フィーナ様に相談しようと思っていた。そして今夜にでも、また連絡しようと考えていたのであった。

第七章:第十五話につづく

そろそろ先程の採取依頼の査定も終わっているだろうし、夕方までには屋敷に戻りたいから冒険者ギルドに向かう事にした。

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