第十三話
「あの方が、私わたくしたちを助けて下さいました」
助けてくれた青年の方、ユウマに手を差し向け答えた。
その先を、見た軽装の女騎士は驚愕を覚えた。
なにせ一人の青年が、騎士三人が必死に相手をしている豚亜人と緑小鬼の同じ数を、今現在ナイフ片手にしかも防具を装備してない状態で、討伐し終わったのを見てしまい。
そこから、信じられないスピードで少し離れた位置にいた別の緑小鬼二匹を追撃したのだ。
「シルフィー様!彼は何者なんでしょう信じられないスピードで、しかも軽度の装備で魔獣を圧倒しています」
「ええレーネ!私もそう思います。でも!もしかしたら彼のおかげで助かるかも」
レーネと呼ばれた軽装の女騎士が姫に尋ねた後、シルフィーと呼ばれた姫が答えた。
「ねー!キュリカ、私たち・・・えっ?」
シルフィーの横でキュリカと呼ばれた執事服を着ている女性の肩をゆすって知らせたが、シルフィーを庇った際、こん棒を持った緑小鬼の攻撃を受け頭より血を流し気絶した。
そしてシルフィーに倒れてこんで来た。
「えっ!えっキュリカ、えっ!大丈夫しっかりしてっ、レーネ!キュリカが」
レーネに、キュリカが負傷していることを急いで伝えようと、シルフィーがレーネに振り返ると、先ほど青年が緑小鬼二匹と先ほど青年に蹴飛ばされ転がっていた豚亜人と緑小鬼に止めを刺している光景が見えた。
☆~☆~☆
ユウマは、彼女たち三人の周りにいた緑小鬼を一掃してから、近くにいた緑小鬼二匹の元に向かった。
まだ【超加速】のスキルが発動した状態だった為、彼を見た者は一瞬消えたように見えたが、彼はそんな事とは知らず全力で緑小鬼の元に向かいナイフを振るった。
この時の、二匹の緑小鬼も何か起こったか解らずに、目の前に突然現れたユウマに成す統べなく緑小鬼の一匹は、首を切られもう一匹の腹にナイフが刺した。
するとユウマの、これ以上の攻撃を受けないよう腹に刺さったナイフを奪うように緑小鬼が抵抗して逃げようと身を翻したので、ユウマのナイフが手付いた緑小鬼の血ですべり、そしてナイフが奪われた。
「あっ!武器、取られてしもた!」
ナイフを瀕死の緑小鬼に奪われても、冷静にどうしようとなやんでいたら。
『あそこに、騎士の落とした剣があるからそれを使って、シルフィー達をたすけて』
また、赤い光の玉が飛来して?、先ほどは人に様なシルエットだったが、良く見ると小さな羽の生えた女の子が騎士の剣が落ちているから使って、シルフィーを助けてとユウマに頭の中に語りかけてきた。
それに答えるようにユウマは、落ちている騎士の剣を拾い上げ構えた、と同時に【超加速】使用時間が切れた事を知らせるアラームと音声が頭の中に響いた。
《ピンポーン【超加速】使用制限時間終了のため解除します。再使用まで、地球時間単位で約1時間のクールタイムが必要です》
『あいたた、【超加速】が切れてしまったか?』と考えていると。
『ねー!早くそこに転がってる豚亜人に止め刺した方がよくない。意識取り戻したみたいよ』
「あっ!ホントだ」
赤い光を放つ羽の生えた小さい少女に、豚亜人が意識を取り戻したのを知らされ確認すると確かに意識を取り戻し起き上がろうとしていたので、ジャンプして豚亜人のお腹の上に着地して力一杯、人の心臓付近の位置に剣を突き立てた。
すると「GuMooo!」と豚亜人が、悲鳴を上げ暴れだしたので剣を引き抜き豚亜人の腹の上より飛び退いて、豚亜人を見ていたら動かなくなっていた。
そして、蹴り飛ばした緑小鬼も近くに転がっていたので剣を突き立て止めを刺し、羽を生やした小さな少女にお礼を言った。
「ありがとな!俺はユウマだ、よろしくな」
『うん!うちはフレイ、炎を司る紅の妖精のフレイだよ。よろしくね!ユウマ』
羽を生やした少女、彼女は妖精であり名前も教えてくれ、お互いに挨拶をしていたら。
『あっ、ユウマ、うしろ、危ないよけて!』
フレイが突然ユウマに危ないと知らせてくれたので、ユウマが状況を確認しようと後ろを振り返ったときに、離れた場所の岩陰から蒼白い光弾が飛んで来るのが目に映った。
第十四話につづく
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岩陰から飛んでくる蒼白い光弾をよけるように・・・?




