幕間 その参
これは、主人公が別の場所に飛ばされた時の、少女達サイドの話です。
この話は主人公のユウマが一人だけ、別の場所に飛ばされた時に、あった少女達サイドのお話です。
◇◇◇◇◇
女神の部屋の魔法陣より転移された六人だったが、ユウマのみ別の場所に転移されたのに気が付かず、シルフォード公国城下町の転移門広場の今は殆ど使用されていない転移門前に、姿を現した彼女たち五人は大地に、足をつけた。
「うわー!太陽が2つあるよー♪」
頭上を見上げたミナがこの世界の太陽を見て驚いた。
「ほんとだ!あと、周りの人もいろんな格好だよっ!すごいよ!」
ミナの言葉にユアも見上げ、そして周りを見て地球ではまず見ない格好をした人々に驚いた。
「すごいですね。ほんとに異世界なんですね」
ユイカも、周りを見てやはりここは異世界なんだと再確認した。
本当に異世界に来てしまったと皆が思い思い言葉にしている中で、唯一社会人であるメグミは、これからどうしたらいいかを深く考えこんでいた。
そしてリンカは、メグミが深く考え込んでるのを見てから。
「せーんぱいっ!異世界でこれからどうしますか?」
これからどうするか確認を取るために、振り返ってユウマに尋ねた。
「あれ!ユウマ先輩?」
キョロキョロと頭を振り周りを見てユウマを探していないのを確認して。
「ユア!ミナちゃん!ユイカちゃん!先輩はどこ行ったの?」
「リン姉ぇ!またまた、なに行ってるのユウ兄ならここにてっ?あれ、いない?」
「へっ!あれユウ兄っ、どこ?」
「えっ!先ほどまでリンカ姉さまの後ろにいましたよね?」
ユウマの返事がない上に、姿が見えないので辺りを見渡し不思議に思っていると。
《ぴょんぴょん》と丸い毛玉が、こちらに向かって跳ねてきていた。
そして、その毛玉が皆の前で止まってから、長い耳ひょこんと出し、ちょこんと付いた手足すいっとを出して。
「皆様、御無事に転移が完了しましたね。私このたび女神フィーナ様より使わされました。皆様の行動案内と行動をともにさせていただく事になりました。ナビのラヴィと申します」
《ペコッ》と毛玉から長い耳を伸ばし耳をきように折り曲げ倒し挨拶をして、かわいい声で喋り掛けてきた。
この喋り掛けてきた毛玉は、直径20cmのボールぐらいの大きさで、そこにウサギのような耳を生やしルビーのように真っ赤でツブラナ瞳をして、申し訳程度の小さいうさぎの手足が付いていた。
そして背中には小さな羽いや翼が生えていた。
この毛玉ウサギは、動物なのか精霊なのかは、今のところ良く解らない不思議な生き物である。
そして、ラヴィと名乗った毛玉ウサギは、信じられない事実を少女たちにつげた。
「えっとですね、まず貴方たちのお探しのユウマ様は、実は転移の際・・・・!」
言葉を一旦、区切ってからどう説明したものかと、ラヴィが悩んでいると。
「ユウ兄に!何かあったの?」
ユアは、毛玉ウサギが妙なところで言葉を区切り考えだしたので、心配になって聞き返した。
「もしかして先輩!やっぱり地球に戻ったの?」
リンカは、もしかしたら自分たちに内緒で、こっそり地球に何かの事情で戻されたのではと思い。
「私たちをおいて行って、どっか行っちゃたの?」
ミナが、悲しいそうに顔を伏せて泣きそうなっていた。
「大丈夫ですよユウ兄さまは、私達を見捨てたりしませんよ。だって私が車に惹かれそうになったのを助けて下さいましたもの!」
ミナに寄り添いユイカが慰めつつ、自分の窮地を救ってくれた事を語り自分は信じますと誓ったが。
「だから!絶対にユウ兄さまは、絶対・・・!」
このときメグミは、心に《ズキン》と痛みを感じていた。
『あー、私もう少しでこの子たちの命を奪ってしまうところだったのか』
フィーナ様に教えて貰った予見を思い出し深く反省と謝罪を心の中でしていた。
「大丈夫ですよ!たぶん近くいますよ。みんな信じましょ」
メグミは、精一杯少女たちを励ますように言葉を掛けた。
そして、この子達が異世界に来てしまったのは、恐らく自分のせいだと勘違いして、出来るだけこの子達と一緒に行動をして助けていこうと考えていた。
「あっ!すいません。突然言葉を区切ったので誤解されたみたいで、実はですね!ユウマ様は迷子になられました」
ラヴィが突然ユウマは、迷子になりましたと、面白い事を言い出した。
「「「「「はぁはいっーー??」」」」」?????
みんなが、一斉に頭にハテナを浮かばせながら声を出し首を掲げた。
そして、各々が吹きだし笑いながらに言葉を出した。
「あは!あは、あはははは・・・・異世界まで来て、迷子って!先輩なにやってんの、あはは・・・・」
「「ユウ兄っ、ハァーなにやってんのかなー、ぷぷ・・」」
「えっと、たぶんなにかの聞き間違いですよね。ねっ!ラヴィさん・・ふふっ」
「えっ!えっ!彼、異世界で迷子になっちゃったんですか?ぷっ・・」
リンカがお腹をかかえ笑い転げて、ミナ、ユアがため息を吐き最後は小さく吹きだし、ユイカにいたっては、何かの聞き間違いであって欲しいと思ったが笑ってしまっていた。
さらには、メグミに関してもユウマの現状を聞いて、あららと思って喋ったが最後は堪えきらずに吹きだしていた。
そんなみんなの姿を見たラヴィは付け加えて話し出した。
「正確には迷子でありますが、フィーナ様は彼の、ユウマ様の居所を把握しています。そして彼は今、地球での約1週間、7日ぐらいで合流する予定ですので、心配しなくて良いとの事です。はい」
そう、みんなに言い聞かせユウマは、現在無事で7日ぐらいで合流するとの事だ。
「ですので、みなさまはユウマ様と合流までに、この都市シルフォード公国で冒険者として活躍してもらい、ユウマ様を待っていていただきたいのです」
こうして、ユウマが迷子・・・いや不在のまま少女達の冒険?いや別の話が始まるかもしれない・・たぶん。
◇◇◇◇◇
少女達サイドその二、続きはたぶんあります。




