第十二話
「よし、スキルを使用しよう【超加速】」
言葉に出しながらスキルを思い浮かべると。
『【超加速】を起動、制限時間あり起動開始』
ユウマは【超加速】のスキルを使用して、丘の上から急いで戦闘区域まで駆け出した。
「うお!速い速い、これならあの場所、空き地に止まってる馬車まで直ぐにいけるぞ!」
誰に言うでもなく独り言を言って、常人では考えられないスピードで駆け出していった。
【超加速】のスキルを使い、できるだけ急いで馬車まで走っていると、馬車から出ていた軽装の女騎士と執事服の人の二人が、必死に身なりの良い女性を庇いながら緑小鬼と戦っていたが、ついに騎士の三人が戦っていた魔獣の一匹、豚亜人が騎士の間をすり抜け馬車の前までやって来て、彼女たちに襲いかかろうとこん棒を振り上げ攻撃しようとしていた。
その時、身なりの良い女性を庇い戦っていた軽装の女騎士たちは、もうだめだと目をそらして身なりの良い女性に覆い被さりながら、彼女だけでも助けようとして声をあげた。
「「姫様だけでも!」」
騎士たちも、どうにかしようと必死に戦闘を続けながらそちらに行こうとするが相手が多すぎる。
「やめろっ!誰か姫様をたすけてくれー」
「逃げてください、姫様!」
「ちくしょー、魔獣どもめっ!」
騎士の三人が、それぞれ悲痛な叫びをあげた。
軽装の女騎士と執事服の人の二人に守れていた、身なりの良い女性は皆より姫様と呼ばれていた。
その彼女は、覆い被さった二人の隙間よりこん棒を振り上げ、こちらを攻撃しようとしている豚亜人を見て。
「神様!私はどうなってもかまいません。どうかこの二人を守る力を私に御貸し下さい。そして皆に力と妖精の加護を・・・! お願いフレア、私に力をかして彼女たちを守って」
神様と妖精に願いを込め誰かの名前を呼び両手を前面にかざし呪文を唱えた。
《我が名の命により契約すべし・・・紅の妖精のつかさどる炎の加護と火の精霊の盟約により・・障壁をもたらさん事を・・・!》
【火炎障壁】
呪文を唱え炎の壁のシールドを張った。
しかし炎の壁を張ってから直ぐに、遠くから何か蒼白い光のような弾丸が飛んできて炎の壁に当たり、炎の壁が弾け飛んだ。
その様子を見て姫と呼ばれた女性は、信じられないと驚愕の顔をして、もう駄目だと思った。
豚亜人も炎の壁が出来て直ぐに攻撃を止めていたが、一瞬の内に壁が弾け飛んで、何が起こったか解らず考えたが、攻撃できるから別にかまわないと、再度こん棒を振り上げてから攻撃しようとしていた。
姫が、もうだめだと半分あきらめその攻撃を覚悟して豚亜人の振り上げた動作をみていたら。
《ドン》とオークが横に、吹っ飛んでいった。
~☆~☆~
豚亜人が騎士の間をすり抜けたこの時、ユウマは【超加速】スキルで信じられない速さで走っていたが、なにぶん距離があった為、このままじゃ間に合わないと思っていた。
しかし突然炎の壁が出来たあと、次の瞬間蒼白い光弾が馬車の奥の岩場から飛んできて炎の壁が弾けたのを見た。
次の瞬間豚亜人の動きが一瞬止まったて首をかかげて考えていたので、これはチャンスとユウマは思い瞬時に【身体強化】スキルを発動させた。
豚亜人の近くまでやって来たユウマは、【超加速】で勢いのついた状態で、ジャンプをした。
「こなくそっと!おりゃぁ!」
この言葉の瞬間に豚亜人の横っ腹に飛び蹴りをかました。
すると豚亜人は、《ドン》と勢い良く吹っ飛び、ゴロゴロと回転して停止、目を回して気絶倒れてしまった。
それから姫と呼ばれた女性を庇っている二人に、襲いかかろうとしていた三匹の緑小鬼たちが吹っ飛んで行った豚亜人を見て、いったい何が起こったか解らず混乱して動きを止めて唖然としていた。
これはチャンスとユウマは、ナイフで近くにいた緑小鬼の首元を、切り付けて一瞬にして一匹を倒した。
そのあと、続けざまに二匹目の緑小鬼に蹴りを入れ吹き飛ばした。
そこでユウマの攻撃に気が付いた三匹目の緑小鬼が、持っていた錆びた剣を振り上げ襲って来たので、難無く攻撃をかわして背後に回り背中からナイフで突き刺し倒した。
~☆~☆~
姫は【火炎障壁】の魔法を吹き飛ばされて、もうだめと思った矢先に豚亜人が何故か横に吹き飛ばされ、そのあと周りにいた緑小鬼を次々と倒していく青年の姿を見ていた。
そして、その姫を庇っていた二人のうちの一人が、なかなか来ない豚亜人の攻撃と、周りにいたはずの緑小鬼たちの気配がなくなったので、なにが起こったかわからず姫様を見てから後ろを振り返り驚いていた。
「えっ、姫様なにが起こったのですか?」
振り返り先ほどまで攻撃しようとしていた豚亜人と緑小鬼の一匹が遠くに吹き飛ばされ転がっていて、残りの緑小鬼の二匹が倒されているのを見てから軽装の女騎士が姫に聞いてみた。
「あの方が、私たちを助けて下さいました」
助けてくれた青年の方、ユウマに手を差し向け答えた。
第十三話につづく
・
・
その先を見た軽装の女騎士が・・・・?




